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歴史記述「宵闇史」

宵闇史01 古代の流れ、神話伝承の縄文時代

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<<<<<縄文海進>>>>>
 一万九千年前の最寒冷期に日ノ本は、大陸と地続きで、日本海は巨大な湖で、人や動物の移動が行われた。石器の開発と発展は、世界各地で始まり、土器の製造を含めて、温暖化が進んでいった。海面が上昇する中で、葦原中ツ国の日本海は、湖から海に変化していった。

 神話伝承の中では、伊弉諾イザナギ伊弉冉イザナミが、海から島を生んだ流れであるが、縄文海進期とすれば、海が広がって島が残ったことになる。

 北の蝦夷を含め、黒曜石の産出地域を起点として、黒曜石を基準とした、商業取引が始まっていた。海が広がっていく中で、水を確保できる「淡水湖」は貴重であり、海水面の上昇で生活圏として高地性の集落が生まれていった。

 「淡海乃海琵琶湖」が葦原中ツ国であり、一万二千年前あたりから、土器が生まれ、淡海乃海に縄文期が始まって、石器文明の流れが生まれた。生産の起点となるのは、豊葦原の中ツ国は、大きな「淡水湖」を抱えた地域であり、縄文海進期は、「淡海乃海琵琶湖」「河内湖」から繋がる「大和湖」周辺に、人の住む集落が幾つも生まれた。

 温暖化が進む中で、堅果類が豊富になり、人口が増加する要因となっていった。

 海進が進む中で、高地に住んでいた一族の一つが、高千穂の高地に住んでいた、日向ひむかの一族である。天照から天孫降臨し、孫の瓊瓊杵尊ニニギノミコトを家祖とするのが、スメラミコトの祖先日向ひむかの血族である。



<<<<<鬼界カルデラ噴火>>>>>
 約七千三百年前、鬼界カルデラの大噴火は、日向ひむかの地がアカホイヤ火山灰に覆われて、住むことができなくなった。多くの者達が亡くなり、日向ひむかの地から南北に移動していって、北に向かった者達が、筑紫ヤマトに移住した。筑紫ヤマトは山民が移住した流れを示し、周囲部族の中では、山民は少数部族で在り、自然災害に追われた難民であった。鬼界カルデラ噴火の被害を受けたのは、海民うみんちゅうも同じであり、海岸の被害もまた大きく、海民うみんちゅう山民やまとんちゅうと契りを交わして、共に北へと移動した。

 海幸彦と山幸彦の神話伝承は、海幸彦の居候であった山民やまとんちゅう山幸彦が、海民うみんちゅう豊玉姫と契りを交わしたことで、海幸彦を家人とする流れとなった。

 鬼界カルデラ噴火によって、南へと移動したモノ達は、そのまま大きく太平洋上に拡がって、島嶼地域に移住をおこなっていった。自己位置を星の動きで確認しながら、北太平洋の海流や風の流れを移動する中で確認し、大きく循環する海流を利用するようにして、Wayfindingスターナビゲーション航法が確立されていった。


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