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国際連盟の闇
国際連盟の闇06 「特区」経済の嵐「タックスヘイブン」
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「特区」が生まれた結果、経済の枠から歯止めが消えた。
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「特区」は、住民税が存在するモノの、他に税金がかかるわけではない。企業税や関税も無いので、自由商取引が可能な地域となった。さらに言えば、「鉄鉱石」「石炭」「石油」が産出し、鉄道や都市インフラ整備が、日本によって進められた結果、交通網だけでなく、郵便や電信業務が、利用できる地域でもあり、租税回避地という流れを生み出したのである。
イギリスが占領地としていた、バージン諸島やケイマン諸島は、イギリスの海外領土であり、植民地への投資拡大や資本回収のために、税金を安くし、イギリス企業の多くが移転していた。イギリスだけでなく、列強諸国家が企業を置いて、資本投下していたのである。植民地そのものは、租税回避地で潤ったである。
「特区」最大の会社は、日本の国営企業である、満洲鉄道都市整備局であり、鉄道整備だけでなく、都市の区画整備や上下水道および電気や郵便電信網を構築していたのである。日本企業の多くは、遼東道の首府である、遼陽に居住地を持っていたが、遼東道そのものが、「特区」と同じ扱いであり、工業振興のため、実業に優先されて配備され、租税関連については、住民税と手数料を中心とした税収入であった。5ft広軌道の主要鉄道は、国営企業であったが、遼陽を走る標準軌道鉄道や路面電車は、遼陽道運営であり、非常に大きな収益源となっていたため、道独自の収益が確保されていたため、各種税率は非常に低いモノであった。
「特区」に至っては、国際連盟に納める住民税以外は、税金の徴収は無く、通信等の手数料に電気代や上下水道費といった料金がかかるだけで、欧米諸国の企業が、「特区≒租税回避地」として目をつけたのである。
日本の場合は、遼陽道だけでなく、樺太道についても同様の対応となっていた。北海道および台湾道は、同化モデル地域ということもあって、内地と法整備が同じ扱いを受けていた。ロマノフ家は、敷香にロマノフ帝室銀行を建て、露西亜帝室大使館および領事館には、ロマノフ帝室銀行支店を置いたのである。ロマノフ帝室銀行は、ジュネーブにもあり、スイス銀行協会との提携を進めたのである。結果として、ロマノフ帝室銀行は、もう一つのスイス銀行と呼ばれたのである。
ロマノフ帝室銀行は、在位10年を記念して、昭和4年アレクサンドル4世の肖像を冠した、10ルーブル金貨(11.61g)を発行したのである。極東ロシア共和国の紙幣発行権は、極東ロシア銀行が有していて、不換紙幣としてルーブル紙幣が発行されていた。ロマノフ帝室銀行は、日に一度、極東ロシア銀行のルーブル紙幣を10ルーブル金貨で購入して価値を公開していたのである。貨幣価値の基準としては、極東ロシアとボリシェビキ・ソビエトとの戦争状態で価格が変動していたが、当初15ルーブルで取引されていたが、徐々にインフレが進んで、昭和9年には37ルーブルで取引されていた。「特区」では、極東ロシアのルーブル紙幣と日本の定額手形が紙幣として流通していて、ルーブルと円の交換は正規に市場があったわけではなく、時価での取引がなされていた。満洲鉄道の利用や郵便等の利用は、定額手形による円取引であったため、10ルーブル金貨が、15円金貨とほぼ等価を目安として、ロマノフ帝室銀行の買い取り価格から査定したのである。ロマノフ帝室銀行では、金貨だけでなく、極東ロシア国債を武器や石炭等で買い取りをおこなっていて、ルーブル紙幣の流通を支援していたのである。日本でも百円相当として、石油や米といった現物が時価取引や先物取引されて、大豆などを含めて、様々な商取引が先物取引として進められたのである。
しかしながら、民間の取引では、かなり割引で定額手形との交換が行われるのが常であった。価格が時価とされるのは、一方向取引であり、相互交換をおこなっていないためでもあった。つまり、鉄道に乗車するためには、ルーブル紙幣を円に換算して支払う必要があるが、釣を受け取ることはできない。「特区」ではルーブルは使用できたが、コペイカ紙幣は使用できなかったため、かなりぼったくる形で、換算金額が査定されていた。店や地域によって、換算金額に違いがあるため、トラブルの原因にもなっていた。
「特区」最大の都市となった奉天では、米や大豆を含め、大連や奉天で精錬されたコークスや灯油といった様々な商品取引市場が置かれていた。取引対象は、米や大豆を含めて、広範囲におよび、銃器類も取引対象となっていた。奉天市場の取引は、奉天市営の自由市場取引であり、奉天市に対して取引額に応じて、市場参加手数料を取られるだけであった。結果として、市場規模が年々拡大し、昭和9年には、20億を突破した。当時の日本の国家予算と同額の金額が、奉天市場だけで動いていたのである。
金本位が崩れた中で、「特区」の経済は、先物を含めて現物の商品価値を基本とした経済となっていた。「特区」では、実質経済が拡大する中で、常に紙幣が不足しやすくなり、日本国内ではまったく使用されない、壱万円定額手形百枚が、満洲鉄道都市整備局宛てで、日本国政府予算として発行され、高額取引で使用されるようになった。
壱万円の定額手形は、無期ではなく、1年の有期手形として発行され、遼陽の工兵学校製輸出用有坂式騎兵銃百丁と実包千発と交換された。買い手は、極東ロシア共和国軍であり、極東ロシア政府は、石炭および石油で支払われた。興安省知事からも、有坂式騎兵銃と実包が売られて、乳製品や缶詰等で支払われていた。
年々拡大する「特区」の経済規模は、金本位制をぶち壊すくらいに、発展規模と速度は、尋常ではない速度で拡大していったのである。
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