世界大戦は終わらない

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国際連盟の闇

国際連盟の闇06 極東ロシア共和国と米ソ

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 「特区」の実体経済は、年々拡大す
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 極東ロシア共和国や蒙古共和国を含めて、「特区」の経済規模は、実質経済規模が年々拡大していたため、紙幣の発行が追いつかず、物々交換に近い取引形態をしていた。ロマノフ家は、ロマノフ帝室銀行を介して、「特区」への資本投下をおこない、大きく利潤をあげていたのである。極東ロシア共和国では、石炭だけでなく石油といった地下資源が発見されたことで、イギリスとロマノフ家の資本が入り、採掘等の技術支援が進められていた。

 極東ロシア共和国は、大統領をロマノフ皇室とする共和国家であり、国内に国営企業以外を認めない国営国家となっていた。ボリシェビキ・ソビエトへの対抗でもあり、共産党は非合法組織であり、弾圧の対象となっていたが、極東ロシア共和国そのものが、レフ・トロッキーを首班とする全体主義国家であったのだ。

 極東ロシア共和国の指導体制は、業種別グループ経営方式をとって、各グループの内務管理として国家組織を形成していたのである。極東ロシアの収入源は、満洲里からチタのザバイカル鉄道、炭鉱や油田といった地下資源であった。

 企業だけでなく、農業や漁業を含めて、すべて国営化することで、協力して事業を進める集団指導を基本としていた。リーダーを職場での投票で選出し、リーダーが集まって、地域のリーダーを投票で選出、地域のリーダーが集まって、地域のリーダーが集まって、国家首班を投票で決定する形だったのである。組織は共同会社Consumers' co-operativeの形をとって、産業別および地域別に構成され、会社としての利益が上がれば、各個人への収入分配が増える社員を共同出資者とする組織形態としていたのである。

 工場だけでなく、農業共同組合や漁業共同組合として組織化して、極東ロシア共和国そのものを協同組合化したのである。レフ・トロッキーは内務および軍を統括し、指導する、執政官を代表する執政長官となったのである。ボリシェビキ・ソビエトとの戦争は、虐殺戦闘になることも多く、国際的な陸戦規定等には、一切準拠していなかった。テロを防ぎ、テロに対抗するため、すべての共同組合の資金および資産の査察と徴税権は、徴税局に集中させ、補助予算の分配は内務局が差配して、徴税局、内務局、外務局、軍務局の管理をおこなうのが、執政局という形態をとったのである。

 執政官は局長や産業長で構成された16名と執政長官1名の17名であり、執政長官は執政官から選出された。

 財務に関しては国債を発行して、ロマノフ帝室銀行に買い取ってもらって、政府紙幣を発行する方法をとっていた。紙幣の発行総額は、国内の共同組合に売却額とロマノフ帝室銀行の国債買い取り額で決まった。イギリスの統治領である、アムール川流域については、ニコラエフスク自治領およびハバロフスク自治領をイギリス統治領として残し、流域全体の統治権は極東ロシア共和国に委譲したのである。アメリカの委任統治領である沿海州は、愛新覚羅一族から市長が選ばれることが多く、黒竜江省および沿海州は、愛新覚羅一族の勢力圏へと組み込まれていったのである。沿海州では、満洲国として独立運動が発生し、アメリカの政策転換が進められることとなる。アメリカの政策転換は、南米を含めて世界中の欧州諸国家の植民地を独立させて、アメリカの経済圏に組み入れていくというモノでした。

 大正12年1923年の関東大震災以降、国際連盟内で日本は、欧米列強諸国に囲まれる形で、厳しい政治状況に追い込まれていた。国債の引き受け手として、復興資金を必要とした日本は、膠州湾および山東省利権をアメリカに売却、フランスに半島の鉄道利権を売却し、借款を含めた復興資金の確保を進めた。国家公務員俸給を担保とした、無期限無利子定額手形の発行も、復興資金確保を目的としていた。

 国内の震災復興が進む中で、遼東道への資本投下が進み、大連から遼陽は、「特区」から原材料を調達して、大連には様々な重工業および化学工業が建設されていった。特に、ボリシェビキ・ソビエトと国際連盟諸国家との戦争が激化するにつれて、極東ロシア共和国とドイツは、対ボリシェビキ戦争の最前線となり、ポーランド、ルーマニア、ユーゴスラビアといった国々が、共産国家へ変貌すると、イギリスやイタリアはドイツの支援を進め、フランスとドイツの仲裁を進めるようになったのである。

 事実上、ロシア帝国の後継国家は、極東ロシア共和国となり、「特区」は国際連盟の資金源となったのである。「特区」人口の拡大が、そのまま国際連盟資金源の拡大であり、ウクライナの白ロシア軍は、ロマノフ帝室傭兵軍に再編されて、対ボリシェビキ傭兵として、世界各地で対ボリシェビキ狩りをおこなっていたのである。

 極東ロシア共和国は、国際連盟に代表を送り、対ボリシェビキ軍事協定を締結し、各国からの支援を受けたのである。特に国際連盟の資金源でもあり、欧米州諸国家の経済権益でもある、「特区」を防衛するには、極東ロシアと蒙古までで、「特区」への介入を阻止する必要があった。日本は、軍事協定に基づいて、「特区」の都市整備を進め、極東ロシアへの食料や武器を含め、義勇兵という形で大陸派遣軍をチタ防衛にあてていたのである。興南省を中心とした馬賊は、傭兵軍として会社組織化して、蒙古旌旗軍として、蒙古からカザフスタンにかけて、ボリシェビキへのゲリラ戦を仕掛けていたのである。

 欧州戦線と極東戦線は、日替わりで国境が移動するくらい、小競り合いを含めて、世界大戦中に生じた1917年2月の革命以降、戦争状態が継続していたのである。ボリシェビキ・ソビエトの革命輸出は、南米やアフリカの独立運動を激化させ、インドやアジアでの叛乱を支援し、欧米諸国家への対抗策を打ち出したのである。仏領インドシナやインドでは、中国共産党の支援を受けて、叛乱が激化し、イギリスやフランスは対応に追われていた。南米の共産革命では、アメリカも対応に追われていて、内政干渉を含めた軍の派遣をも実行していたのである。

 欧州諸国家から独立した、中南米の諸国家をアメリカが支援し、アメリカ自由主義経済圏の構築を進めたのである。

 世界大戦以降の世界は、ボリシェビキ・ソビエトによる、世界共産主義革命に向けた、革命輸出政策と、パックス・アメリカーナを目指し、ウッドロー・ウィルソンが始めた、世界をアメリカにという自由主義を輸出するアメリカの争いでもあった。
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