日ノ本の歴史 始まりの話

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古代の終焉、中世の日ノ本

日ノ本の中世 最終話 中世の終焉と武士の誕生

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 天平期に「墾田永年私財法」を主上の命令として発布するのは、「国号・国体」を確立させたことで、私有財産を認めることができたためです。
 全国制覇を達成し、「国号・国体」を確立したことで、主上にとっての天下国家が確立します。

 「国号・国体」を確立しながら、白村江で敗北した日ノ本は、国防軍のおい強化を実行することとなります。

 結果として、気づくのです。日ノ本は守るには膨大なコストがかかることに、、、

 中央官僚が下した結論は明確です。国境全域を守護することを放棄し、九州と奥州を重点地域とし、地域の防衛を軍事から警備に変更し、軍権を国司に移譲するという方針に変更されます。

 つまり、九州・東北以外は、日本の地理的な事情から、外敵に対する防衛戦闘が生じた場合、中央で征伐軍を組織して遠征するという方針に変更されます。

 全国制覇の過程で用いられた、将軍位は、中央政府代行機関でもありました。

 将軍位は、平時には設置されず、国防に準じるような事件があったら設置されるという臨時職となります。

 まぁ、京都に都が移り、京洛となった時代、9世紀から10世紀は、「刀伊の入寇」という外憂があっても、大宰府という地方自治体で対処できてしまったのです。結果として、軍事力を放棄しても外憂が発生しないという、平穏な日々が続くこととなります。





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 武士の誕生は、「墾田永年私財法」に始まります。
 開墾して獲得した領地を守るために、武装していくというのが、武士の始まりです。

 武士が誕生し、中央集権体制の枠外に武士が組み込まれることで、中世は終焉を迎えるのです。

 日ノ本の場合、権力体制が、一朝一夕に変化することはありません。国軍という軍団が、健児・衛士という警備兵に替わり、地域が無防備になったことで、一家一門で地域を領有する武装集団、武士が誕生します。

 最終的に中世が終焉を迎え、近世となるのは、鎌倉時代からということになります。
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