日ノ本の歴史 始まりの話

Ittoh

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古代から中世へ

古代から中世へ あやかしが示すモノ、ひとならざるものの形無き権益

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  サンカ、カワラモノ、川筋者、修験者、忍者、エタ、ヒニンと呼ばれる者は、本質として、神域に住まう民であった。人里ではなく、神域の御山、海洋を住処として、里人さとんちゅうとの関わりのない者達、という意味合いがあった。
  律令制下における公地公民は、日ノ本におけるNationsを戸籍を有する里人さとんちゅうとして規定している。つまりは、戸籍を有しないモノは、Nationsではないということになる。枠外、人ならざる者、神域に住まう者であった。
  租庸調という租税制度は、田圃への課税と、人への課税がある。今風に言えば、所得税と人頭税である。人頭税の対象が戸籍に記載されている者であり、この記載にはかなりの漏れがあったと記録されている。庚午年籍が、全国的に調査記録された、最初の戸籍ということになる。
  ここに、記載されていない者は、日ノ本にとって、Nationsではないモノということになる。

  大海原を権益とするモノ、山岳を権益とするモノは、神域に権益を有するため、里人さとんちゅうではなく、調査記録に残っていない。

  滋賀には、甲賀の山岳地域があり、役小角を祖とする修験者集団が住まう地域でもあった。隣接する伊賀の山岳地域もまた、修験者集団が住まう地域でもあった。大和、伊勢、近江の境界領域である、山岳地帯の神域に住まう、山人やまんちゅうの部族集団ということになる。

  伊勢、志摩は、海人うみんちゅうから生まれた、海賊集団を中心とした、海域を神域として権益を有する部族集団がいた。紀州は、鬼州とも呼ばれ、根来、雑賀、熊野といった、山岳集団と海洋集団が混成していた。吉野から南に位置する畿内ヤマトの山岳地域は、紀州、伊勢、志摩を後方支援とする策源地である。

  伊賀や甲賀は、不破の関を表街道とする、裏街道として陸上交通路の要衝であった。紀州、伊勢、志摩は、難波から東へ向かう交易航路の拠点を含んでいた。
  
  日本の場合、山岳にしても海洋にしても、すべての神域は祭祀の頂点でもある、主上の直轄地域でもあった。「まつろわぬ者」の末裔が含まれ、征伐の対象となったとしても、戸籍を持たぬNationsであると言えた。

  滋賀の場合は、大津を拠点として港湾都市を繋ぐ、淡ノ海琵琶湖という神域を抱えていた。滋賀の坂本には、馬借があり、水上交通と陸上交通の要でもあった。比叡山を寺内領域とした、山人やまんちゅう海人うみんちゅうの交叉点が、近江の坂本であった。大津や京橋、淀といった河川流域を住処とするカワラモノの居留地は、増水や氾濫で地形が変わり、「定住」して住むことができない。河川流域の物流を担うことで、権益を確保していったのである。

 あやかしひとならざるものという存在は、弥生から古墳期には、「まつろわぬモノ」を象徴するのが、「鬼」であり「あやかし」であった。大規模な墾田開発は、公地公民の名の下に、日本制覇を達成し、畿内ヤマトによる「国号・国体」を確立した。

 「国号・国体」の確立後は、「ひとならざるもの」となって、形無き権益を得るモノとなっていった。
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