日ノ本の歴史 始まりの話

Ittoh

文字の大きさ
32 / 49
古代から中世へ

古代から中世へ 日本の女帝

しおりを挟む
  No2継承で、古代日本で多かったのは、女帝への継承です。
  いわゆる、姐御への継承となります。

  弥生期から古墳期の日本では、内政と育成を担当するのは、女性が多かったと考えられます。育成は、自分の子供だけでなく、官僚や武官の育成を含め、宮中の女性が担当していて、その頂点が、皇后であり、内親王であったのです。

  一例として、戦国末期ですが、豊臣政権を支える官僚や直臣達は、北政所を姐御として、豊臣政権を支えていました。淀君が太閤死後剃髪し、北政所を後見として、大阪城に入った場合、朝廷との仲介をしつつ、三成達官僚と清正達直臣は、秀頼を支える協力体制を築けた可能性があります。
 
 日本の女帝は、畿内ヤマトの大王の直系血族もしくは、準じる豪族の姫であり、若手の官僚や武官達にとっては、子供の頃から世話になっている相手となれば、逆らい難い相手となります。一定の教育を受けることができる、直系血族は、漢字の読み書きができ、算術にも対応し、家計を支える技術・技能を有して、大王の妻に選ばれていました。
  義政の背後で、財務を支えた日野富子のように、拡大する畿内ヤマト政権の財務基盤を管理統括していたのは、大王の内親王達であったのです。皇子は、外務、外征、軍務に東奔西走し、後方支援は内親王や皇后が対応していたのです。

  派手な外交、外征、大規模土木工事や墾田開発は、大王を中心とした外務官僚が担当し、皇后を頂点とする内務官僚は、租庸調の体制づくりや税務システムの構築を担当していました。大規模土木工事や墾田開発が進み、経済が拡大一方であれば、外務内務は仕事が増大していって、組織が肥大化していきます。

  派手な外交や外征、土木工事や墾田開発が縮小していくと、肥大化した官僚組織は、縮小の危機に晒されます。減っていく外交や外征、土木工事や墾田開発が規模縮小となれば、内務官僚権限が増大し、女帝が登場しやすい状況が生まれます。
  日本の公的な教育宣伝は国分寺と国分尼寺が担当し、国府では、行政全般と「風土記」を含めた地誌の記録を担当していました。つまりは、日本六十余州は、皇后を中心とした内務官僚の仕事だったのです。内務の実質的なNo2が皇后であり、外務のNo2が自分の子である太子とすれば、皇后の権力基盤は非常に強かったことになります。

 外務の太子が主上となっても、女帝の権限は、皇后の権限に戻るだけとすれば、主上が早逝すれば、No2である女帝に戻るというのも、自然な流れとなります。

  外征が無くなり軍団は解散、土木事業も休止となったことで、内務を中心とする、官僚機構が、全国支配に対応するようになったことで、暇になった外務官僚が育成を担当することができるようになりました。

  結果として官僚機構の縮小によって、内親王の関わりが育成から減少し、次代の女帝が生まれる機会が減っていくこととなります。特に、外戚が宮中で勢力を伸ばすことで、内親王の勢力が減少し、内親王を斎宮や臣籍降嫁させることで、宮中を外戚が支配するようになっていきました。宮中に有する権限を背景とした、女帝の登場する機会は、こういった流れの中で消滅していったのです。

 まぁ、どこの国も一緒ですが、女帝が継続できなかった最大の理由は、女帝の配偶者を規程できないことで、内親王を女帝にすることができなかったことにあります。
 可能性としては、道鏡の頃でしょうか、時の女帝は内親王から立太子して、女帝となった経緯があります。この時に女帝の配偶者問題を解決できなかったことが、政治の混乱を招き、配偶者を断罪することで、強引に解決する結果となってしまった。これは、女帝の配偶者が、現世利益を求めることに、最大の問題があった。
 配偶者は、一切の存在を抹消し、現世利益の全てを剥奪し、女帝のためにのみ存在するという形を確立できれば、対応ができたとは思うが、かなり困難な対処であるのは間違いない。

 本義として、精進潔斎期はともかくとして、日本では斎宮であっても、男女の契りについては禁忌ではなかった。また、僧侶についても、男女の契りについて、精進潔斎の修行に差し障りがあるとしても、禁忌ではなかった。僧侶の女犯が断罪されるのは、江戸期以降であるが、妻帯が黙認されていたのは確かである。僧侶が戒律で禁止されていたのは、邪淫であって、男女の契りではない。このあたりを活用すれば、女帝の配偶者についても、解決できるのではないかと考える。

 道鏡が法王となったのは、配偶者解決の一つであった。道鏡が現世利益を求めず、内裏での寂滅となれば、それほど大きな問題とならなかった。



 現代にも繋がる話ですが、現世利益との切り離しが、みかどの配偶者問題となります。配偶者の戸籍を剥奪し、存在を抹消することで、現世利益から切り離すことが、配偶者問題を解決する方法となります。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

小日本帝国

ypaaaaaaa
歴史・時代
日露戦争で判定勝ちを得た日本は韓国などを併合することなく独立させ経済的な植民地とした。これは直接的な併合を主張した大日本主義の対局であるから小日本主義と呼称された。 大日本帝国ならぬ小日本帝国はこうして経済を盤石としてさらなる高みを目指していく… 戦線拡大が甚だしいですが、何卒!

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...