日ノ本の歴史 始まりの話

Ittoh

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古代から中世へ 軍制改革

古代日本の主力兵器は石であった

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 縄文時代は、石器の時代である。しかしながら、日本の石器は、武器としては発達しなかった。

 これは、縄文期が比較的平和であったこともあるが、主力兵器である石が、身近に在り過ぎることも、原因であったと考えられる。

 相撲や骨法に代表される、格闘技術は、長期間に渡る訓練の結果として得られるスキルである。投石能力は、普通に子供が遊びで覚えて、動物を狩るのにも使うことができるモノで、一般人が保有する戦闘能力であった。

 ストリート・ファイトを現実に行うと理解できるが、相撲や柔道というものを、現実に実行するのは危険である。硬い地面が、いかに凶悪であるかが理解できる。柔らかいマットとロープに囲まれたリングは、安全を担保するための環境でしかない。

 相撲という競技は、100kgを超えるスーパーヘビー級の人間同士が、非常に小さな土俵で戦う、極めて制限された儀式としての戦いなのである。戦闘能力という意味では、非常に高い戦闘能力を持っていたことになる。

 中世から近世にかけては、石合戦に示されるように、儀礼に近いモノになっていたが、手裏剣に代表される投擲兵器は、日本の副兵器サブウェポンであったとされる。

 古代日本の主力兵装を考える時、鎧にしても武器にしても、鉄剣が使えるのは、一握りの王族や指揮官級の人間だけであった。戦闘となった時、主力兵器で確立していたのは、石であった。

 人間が、他の動物と比較して、一定以上の能力を保有するのは、投擲能力である。

 旧約聖書サムエル記で、ゴリアテをダビデが斃したように、投石器の兵器としての能力はかなり高い。

 布を作る技術と、石を組み合わせれば、「印字」打ちに代表される投石は、対人殺傷能力を持った戦闘技術であった。

 万の軍を動員できたとしても、武器を配布するのは難しい。万の軍に兵器を配布することを可能にしたのは、石を兵器とすることにあった。

 弥生期から古墳期にかけては、動員する兵員は千から万へと拡大する時代であり、多少の質が持つ優位性を、兵員の数で押し潰す時代であった。





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  白村江の敗戦
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 古代から中世への転換期に、大きな影響を与えたのは、白村江の敗戦である。

 日本の「国号・国体」を確立しようとする時期に、日本は敗戦を経験した。

 敗戦そのものが、軍政に与えた影響は、かなり大きかったと推定される。

 一匹の羊に率いられた、百頭の獅子よりも、一匹の獅子に率いられた百頭の羊が強いを前提とした、古墳期の軍政は、白村江の敗戦で木っ端微塵に吹っ飛んだと言える。白村江の敗戦は、百頭の羊がパニックになったら、一頭の獅子に制御できず、押し潰されるだけだと証明したのである。

 国土防衛のために、水城ミズキ防人サキモリを築城と編成したとしても、防人サキモリの能力が低ければ、防衛システムとしては機能しないことを意味する。

 健児こうでいの制度は、兵隊を訓練することを前提とした軍事制度であった。

 白村江の敗戦は、大量の兵隊への不信にも繋がっていった。

 心が折れたら、万の兵は、万の暴徒となり、味方を潰す兵器ともなる。一部の真っ当な兵隊がいても、万の暴徒が逃げ出す奔流の中では、何の役にも立たない。

 豪族が率いる、訓練された私兵の方が、国軍よりも強い。白村江の敗戦から壬申の乱を経た日ノ本では、徐々にそういった流れが生まれていったのである。

 また、新田開発と班田収受が徐々に厳しくなり、国家事業としての新たな開拓事業が失敗するようになると、国軍の編成や維持は、国家にとって大きな負担になっていく。結果的に、大量の兵隊への不信もあって、畿内を中心として国軍を解散し、国府を維持する私兵の編成に切り替わっていったのである。

 日ノ本の軍制は、国軍の解散と健児こうでいという地元兵の養成という、量から質への転換と地域防衛という流れを生み出したのである。



 量から質へ転換した、地元のつわものに対抗するために、武士は誕生したのである。
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