日ノ本経済 始まりの話

銭とは何か？

錫の方が重要だそうな、そして日ノ本では金を使う

　Pbフリーのハンダが、最近の一般的なハンダであるが、使用する金属が銀であるため、価格的に高価になることと、融点が高くなる欠点が生じ、はんだ付けが難しくなる。まぁ、日本の技術者の場合は、難しくなるはんだ付けへの対応は可能なので、大きな影響を受けていない。

　しかしながら、材料に含まれる錫は、非常に重要な金属である。

　錫は、合金の材料として、靱性が高くなり、銅との合金では、鋳造のし易い合金として重宝される。銅銭を製作する場合、錫との合金でなければ、銭の形状等を綺麗に作ることが困難であることから、

　銅と錫が産出し、森林に覆われていた、古代シュメールでは、青銅を使った金属器具が、造られるようになった。金属器としては、加工しやすい銅の合金が始まりとなる。自然界で砂金と同様に、純粋に銅として産出する、銅や金が人間と金属の始まりということになる。

　日ノ本の場合、銅の産出量が少なく、金の産出量が多い。錫の産出は少ないため、銅の合金材料として金が使われるのが一般的となった。鐚銭は、鉄を含めて、様々な材料を使って作られたが、良銭は金や銀の合金で作られたのである。これは、精製技術の未熟というよりは、良銭を製造しようとした場合、錫の不足を補う代替え金属として、金銀が使用されたと考えるべきである。