Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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4人で『ビックボスゴブリン』戦 3回目の咆吼

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 俺とコルドは、『ビックボスゴブリン』の咆吼準備モーション中に、後衛の当たりまで下がってきた。
 俺は、後衛の2人と会話ができるぐらいの距離まで来たので、近づきながら話しかけた。

「ローズ、シルさん、下がってきた」

 俺達2人は、完全に撤退が完了し、走るのを止め後衛の2人のそばで止まった。
 俺達が、止まってからローズが話しかけてきた。

「お帰りなさい」

 軽い挨拶を終え、俺達はすぐに、『ビックボスゴブリン』ヘの警戒態勢に移った。
 みんなが『ビックボスゴブリン』の方を向き、警戒をする。
 だから、顔を合わせず、前を向きながら話をすることになった。
 『ビックボスゴブリン』は未だ準備モーションのままだ。
 いつ咆吼をするのかは分からない。
 俺達は、緊張感を持って警戒をしながら、会話を続けた。
 シルさんが不思議そうな声色で言った。

「何で下がってきたの? 咆吼って、援軍を呼ぶ以外の効果ってなかったよね」

 あぁ、シルさんは、正規版の『ビックボスゴブリン』を倒していないから、『ビックボスゴブリン』の3回目の咆吼は、ノックバック効果があることを知らないんだ。
 もしかして、β版の『ビックボスゴブリン』には、3回目の咆吼にノックバック効果がつくという仕様はなかったのかもな。
 援軍以外に効果がないだろうと油断しているプレイヤーに対して、初見殺し的なギミックだったのかもな。
 特に、β版でノックバック効果がない『ビックボスゴブリン』を体験しているβテスターには刺さる初見殺しだな。
 シルさんに、どう説明しようかと思っていると、コルドが代わりに説明をしてくれた。

「次の咆吼は、ノックバックの効果があるんだ!」

 みんなが警戒して同じ方向を向いていると、こういう説明の時に、身振り手振りを交えて説明できないから不便だよなぁ。
 だからといって、向かい合って目を見て説明してたら、何かが起こったときに初動が遅れてしまうからそんなことはできないんだけどな。
 シルさんは、コルドの説明に対して、へぇそうなんだ知らなかったと言いたげな声色で言った。

「そうなんだね」

 そろそろ、これからの戦い方についての話をしたいな。
 最初の戦闘前の作戦会議では話さなかった細かいところまである程度決めたいなぁ。
 どんな作戦をとるのかな?
 前回の作戦の完成度はかなり高かったから、前回の作戦をより早くよりうまくやるという作戦でもいいと思うんだよな。
 まぁ、それだとどんなに早くやってもある程度の時間がかかってしまうんだよな。
 それなら何か他のやり方でも模索するのかな。
 でも、それはそれで、その分だけ時間がかかるんだよなぁ。
 4人になったからできることをすぐに思いついて、すぐに実行に移して、それが成功して、めちゃくちゃ時短になるというのが理想だけど、現実はそううまくいかないだろうなぁ。
 どんな作戦をとることになるんだろう?
 そう思いながら、俺は全員に向かって言った。

「咆吼後の戦い方は、前回と同じにするか? それとも、新しい作戦を考えるか?」

 誰からもすぐには返事はなかった。
 みんな悩んでいるのだろう。
 どちらが良いのか、どちらがうまくいく可能性が高いのか、どちらがうまくいったときにより良い結果につながるのか、いろいろなことを総合的に考えているのだろう。
 だからすぐには返事ができないし、時間がかかっているのだろう。
 ならば待とう。
 みんながどのような結論を出すのかを。
 そう思いながら、俺はみんなが悩んでいるため全体的に緩んでいた警戒を1人強めた。
 それから割とすぐに、シルさんが言った。

「前回はどうやって戦ったの?」

 そういえば、シルさんって前回の『ビックボスゴブリン』戦に参加してなかったな。
 完全になじんでいるから、ずっと一緒にやっているもんだ、だから前回の『ビックボスゴブリン』にもいただろうと勝手に思っていた。
 そうか、シルさんって、今日合流したのか。
 なじみすぎて完全に忘れていた。
 と言うことは、シルさんは、前回の戦い方を知らないのか。
 じゃあ、なんで少しの間黙っていたのだろう?
 もしかして、真剣に悩む雰囲気だったから、すごく浅い質問は聞きにくかったのかな?
 そういう状況あるよね。
 今自分が聞くことで、水を差しちゃうんじゃないかって思うような状況ってあるよね。
 前回の戦闘かぁ。
 どうやって説明したもんかなぁ。
 そう思って、説明の仕方を考えていると、ローズが先に説明してくれた。

「前回は、まず、咆吼をすると、咆吼のノックバック効果で前衛組がこの辺りまで飛ばされてきたわ。咆吼が終わると、『ビックボスゴブリン』の周りに大量のゴブリンが発生したわ。その大量に発生したゴブリンと『ビックボスゴブリン』がこっちに向かってきたから逃げながら、その先頭にいたゴブリン数体の後ろに、コルドの『ノックバック』が乗った鉄球の攻撃で隙間を作って、その隙間に私とコルドの『ファイアウォール』で壁を作って孤立させ、孤立した数体を叩くという方法を繰り返して、大量のゴブリンを消してから、『ビックボスゴブリン』を叩いたわね」

 うん、かなり良い説明だと思う。
 何か補足しなければいけない要素もない。
 良い説明だな。
 それにしても、戦闘中によくこんなこと思いついたよなぁ。
 火事場の馬鹿力という奴なのかな?
 いやぁ、うまく言って良かったな。
 前回の戦闘で、あそこが失敗していたら確実にやられていただろうからなぁ。
 運が良かったんだろうなぁ。
 リアルラックの方が。
 シルさんも説明を聞いて、感心したような声色で言った。

「よくそんなこと思いついたね」

 俺もそう思う。
 あのときの頭はかなりさえていたな。
 自画自賛を頭の中ではさんでいると、コルドが自慢げに言った。

「作戦会議とか、検証とかやったよな!」

 それに続いて、ローズが言った。

「ゆっくり確実にやったわね」

 なんか、あのときを振り返ろうみたいな雰囲気になってきたなぁ。
 振り返るのも良いんだけど、今は作戦の方を真剣に考えてもらえるとありがたいんだけどなぁ。
 俺は、そっと方向転換をした。

「今回もその作戦で行くか?」

 これでうまく空気を帰れれば良いんだけどなぁ。
 そう思いながら言った。
 ローズは、少し悩んだ後に言った。

「その方が確実よね」

 よし、1歩目はうまくいった。
 このまま誰かが乗ってくれれば、そのまま作戦の話が自然と続いていくはずだ。
 そう思っていると、今度は、コルドが言った。

「でも、メンバーも増えたし、それ以外にもできることも増えたんじゃない?!」

 俺は、流れを変えられたことのうれしさを噛みしめながら言った。

「それはそうだと思うぞ」

 ローズが再び悩みながら言った。

「どうしようね」

 そうだよなぁ。
 とても悩ましいことだ。
 前回のまま行くのか、何か変えるのか。
 悩んでしかるべきことだ。
 俺も今も悩んでいるし。
 コルドが自信ありげに言った。

「新しい要素として、ローズは、『ファイアウォール』出しながら、その奥に『ファイアストーム』を放つというのはどうだ?!」

 良い案だな。
 前回は、『ファイアウォール』を出すところまでしかしていなかったから、それをすれば、確実に前回よりも良い成果が出るだろう。
 ローズが食い気味で言った。

「いいわね。それ採用」

 俺もうんうんと頷きながら、言った。

「攻撃の効率は上がりそうだな」

 よし、話が活発になってきた。
 このままもっと良い意見が出るのを祈ろう。
 シルさんが、少し自信なさげに言った。

「ローズも『ノックバック』を取って、その『ファイアストーム』に『ノックバック』をのせるのはどうかな?」

 良いね。
 かなり良い。
 なんで、前回思いつかなかったんだってぐらい良い。
 いろんな案が出たし、今回は、前回よりも良い戦闘になりそうだな。
 これまたローズが食い気味で言った。

「いいわ。それも採用しましょう」

 俺は、そこでふと思いついたことを流れに乗って提案した。

「シルさんも『ノックバック』を取って、孤立したのを叩く係以外に、俺と一緒にゴブリンを孤立させる係もやらない?」

 かなりいい案なんじゃないかな?
 前回との一番の違い、シルさんがいること。
 これをうまく使える作戦なんじゃないかな?
 今度は、シルさんが食い気味で言った。

「良いよ。やろう」

 よし、大体良い感じな作戦ができてきたな。
 細かいところは、戦いながら随時改善していけば良いか。
 そう思っていると、コルドが総括みたいなテンションで言った。

「じゃあ細かいことは置いておいて、まとめると、改良版の前回の作戦で戦うと言うことでいいな?!」

 俺達3人は、声をそろえていった。

「「「了解!」」」

 俺達が返事をした直後、コルドが言った。

「来るぞ!」

 俺もコルドが言った瞬間に『ビックボスゴブリン』が咆吼を仕様としているのが分かった。
 俺は慌てて一応耳を塞ぎ、一応吹き飛ばされないように踏ん張った。
 俺が踏ん張った瞬間に、塞いだ手を余裕で抜けて、『ビックボスゴブリン』の咆吼が来た。

「うぅぅぅううううぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!」

 咆吼の余韻が収まり、いつの間にか『ビックボスゴブリン』の周りには大量のゴブリンが控えていた。
 俺はようやく耳から手をどけて、踏ん張っていた足を元に戻した。
 よし、ここからが正念場だ。
 みんなもそう思っているのか、一気に緊張感が増し、パキッとした空気感になった。
 そして、ローズが言った。

「行くよ!」





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