キメラスキルオンライン

百々 五十六

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1章 スタートダッシュ

次の依頼で、またダンジョンへ

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 よしじゃあ、受付に行きますか。
 俺は、いつもの右端の受付に並んだ。
 俺の前には、1人のプレイヤー。
 装備もしていないところを見るに、今ログインしてきたプレイヤーかな。
 この時間のログインということは、開始時間に何かがあって遅れちゃったパターンかな。
 前の人の後ろ姿を見ていたらすぐに自分の番になった。
 いつもと同じ言葉をかけられる。

「ご用件は何でしょうか?」

 俺は、にっこり笑顔で答えた。

「依頼を探しに来ました」

「依頼の斡旋ですね。それではまず、ギルドカードの提示をお願いします」

 このやりとりも慣れたものだな。
 まぁ、まだこれで3回目なんだけどな。
 1時間強で3回も同じやりとりをしたらさすがになれるな。
 そんなことを考えながら、手に持っていたギルドカードを提示する。

「お願いします」

「アロン様ですね。どのような依頼をお探しでしょうか?」

 どんな依頼かぁ。
 考えてなかったな。
 俺は、とりあえずダンジョンに行きたいことを伝えた。

「ダンジョン関連の依頼でお願いします」

「ダンジョン関連依頼ですね。ランクアップを優先した依頼にしますか? それとも、報酬を優先した依頼にしますか? もしくは、安全性を優先した依頼にしますか?」

 ダンジョンの依頼の中で何を優先するかかぁ。
 今は何を優先するべきかな。
 ランクアップを優先したい気持ちもある。
 まずランクを上げないと同時にこなせる依頼の数も1つ当たりの報酬額も上げられないからな。
 それにランクを上げると借りれる額が増える。ということは、使える金が増えるということ。
 次に、報酬優先にしたい気持ちもある。
 報酬があれば、売店でいろんな物を買えるし、武器屋防具の更新のために専門店に行くことだって出来るだろう。
 武器防具を更新して、効率よく戦いたいという気持ちもある。
 安全性を優先したいという気持ちもある。
 ゲームとはいえ、自分の体は大切にしたい、命も同じく。
 どれが良いだろう。
 俺は、なんとなく一番ピンと来たものを言った。

「ランクアップ優先でお願いします」

「現状、アロン様は、依頼数の条件を達成しているので、後は、素材の買取り額と特別預入金の条件を達成すれば、ランクアップできますね。それならば、ランク3になった後に4につながる依頼と、素材採取をしやすい依頼をお選びしますね」

 こんなにいろいろ聞かれるもんなんだな。
 チュートリアルの時のやつは、初依頼だから、1つに絞っていたのかな。
 そうだろうな。
 圧倒的にあれがおすすめだったということもあるだろうけど、時短だったんだろうな。
 そんなことを考えながら言った。

「お願いします」

「アロン様のステータスならば、2階層にいっても大丈夫そうですね。2階層の依頼を候補に入れても良いでしょうか?」

 2層か。
 前回行ったのは1層だったな。
 2層になると、どのぐらい敵が強くなるんだろうな。
 まぁ、受付のお姉さんが大丈夫と言うんだから大丈夫なんだろうな。
 俺は2つ返事で言った。

「大丈夫です」

「依頼を3つまで絞りました。まず1つ、1階層で10羽のダンジョンラビットを討伐する依頼。期限は、明日まで、報酬は3000G、推奨ランクは5です。2つ目は、2階層でダンジョンボアを5匹討伐する依頼。期限は、明後日まで、報酬は4000G、推奨ランクは7です。3つ目は、2階層でダンジョン草を100束採集してくる依頼。期限は、明後日まで、報酬は32000G、推奨ランクは7です」

 どれがいいかな。
 せっかくだから2層のやつにしたいな。
 大丈夫というお墨付きももらったし。
 だから、まず最初のやつはないな。
 討伐依頼って確か、素材は自由にして良いんだよな。
 そう考えると、2つ目の方が、ランクアップにつながるのではないかな?
 3つ目だと取ってきたダンジョン草は提出しなきゃいけない訳だし。
 そう考えて言った。

「2つ目の依頼でお願いします」

「分かりました。2つ目の依頼ですね。アロン様は2階層への行き方は分かりますか?」

 2層への行き方か。
 下の層に下がるのが、黒のゲートで、戻るのが白のゲートだとな。
 だから、クロノゲートに入ればいい訳だ。
 俺は自信を持って言った。

「中の黒いゲートに入るんですよね」

「ゲートの位置は分かりますか?」

 知らないな。
 俺が知っているのは、町の南にあるダンジョンの外からダンジョンの1層に入るゲートと、ダンジョンの1層から町の南のゲートに戻るゲートだけだ。
 俺は素直に否定した。

「いえ、分からないです」

「それならば、売店で、1階層の地図を購入することをお勧めします。1階層の地図ならば1000Gぐらいで買えると思います」

 へぇ、売店で買えるんだ。
 1000Gなら、まだ懐に余裕もあるし買ってみるか。
 時は金なりというし、ダンジョン内で自分で探すよりも、お金で買えるなら買っちゃった方が良いよな。

「買ってから行くことにします」

「手続きが終わりました。依頼、頑張ってください」

 俺は、受付のお姉さんにお礼をして、受付から離れた。

「ありがとうございました」

 受付を離れるときに振り返ると、俺の後ろに並んで受付を待っている人はいないようだった。
 もう落ち着いたということかな?
 それにしては早い気がするけど。
 まぁ、とりあえず売店に行くか。
 俺は、受付から、直接売店に向かった。
 二度目なのでスムーズにギルドカードを提示して、地図ページから1層の地図を探す。
 あった、えっとダウンロード版が1000Gで紙版が1500Gか。
 このダウンロード版は、どこにダウンロードされるんだ?
 あ、書いてあった。
 何々? メニューの地図にダウンロードしてくれるのか。
 それなら、ダウンロード版だな。
 わざわざ紙版を買ってストレージの枠を1つ消費する必要はないもんな。
 えっと、この地図は、1層全ての地図という訳ではなく、この町付近にあるゲートから現実的に行ける区画の地図のみになりますと書いてある。
 あぁ、確か、この世界のダンジョンって、無数にあるタイプじゃなくて、大きい1なんだよな。
 だから、1層の地図だからと言って、世界全ての1層の地図という訳ではないんだな。
 まぁ、世界の恥の1層の地図を渡されても使う機会がないから、実用的な範囲で良いんじゃないかな。
 行かないところも表記されてその分膨大な金がかかるより、自分が使うところだけの地図で、それなりの金額の方が良いしな。
 他には、えっと、今なら1から5層の地図をセットで25000Gになると。
 バラバラで買うと31000Gだから6000Gも安いと。
 売店的にはこっちがおすすめなのね。
 手持ちの金じゃ買えないね。
 まぁ、それぞれの階層に行くときに順次買っていけばいいんじゃないかな。
 今から、5層の地図を持っていたってどうしようもないしな。
 それに、今の6000Gの価値と、5層に行く頃の6000Gの価値はかなり違うだろうしな。
 そう思いながら、俺は会計を済ませた。
 ダウンロードも完了したらしい。
 まぁ、ダンジョンに入って地図を開いてみるまで分からないけどな。
 よし、じゃあ、ダンジョンに向かうか。

 俺は、本日2回目のダンジョンへと向かった。
 ギルドを出て、町を出て、前回と同じ町の南にあるゲートに向かった。
 ゲートへと向かう道は、相変わらず賑わっていた。
 ある程度落ち着いた感じがあってこれということは、常にこの程度賑わっているということなのかな。
 ゲート待ちの列に並びながら、露店を覗いてそう思った。
 毎日このぐらいお祭りムードだったら楽しいかもな。
 そう思っていると、俺の番になった。
 今度は緊張する事なくゲートをくぐった。

 ダンジョン独特の感覚を、肌で感じる。
 ダンジョンに戻ってきたなぁと感じる。
 現実では感じたことのない感覚がダンジョンにはある。
 どうやってこの感覚を再現しているのだろう。
 現実にない感覚をこっちに持ってくるってどういうことなんだろうな。
 よく出来たな。
 そう思いながら、ゲートからある程度移動した。
 視界からプレイヤーほとんど消えたところで、地図を開いた。
 そこには、地図いっぱいに様々な情報が書き込まれていた。
 前回このダンジョンに来たときは、ゲートから採取をしたダンジョン草の群生地までの地図しかなかった。
 残りの部分は灰色で何も表示されていなかった。
 そのときに灰色だった範囲に情報が加えられていた。
 頑張って、何度か縮小すると描かれていない灰色が広がっているが、こんな遠くに行かないだろと言うぐらい遠くなので、気にすることはないな。
 それと、前まで表示されていなかった、植物の群生地の情報や採掘地、伐採地の情報も書き込まれていた。
 採取できる特定の植物名までは書かれていないが、植物の群生地のマークが様々なところに書いてある。
 これはかなり良いな。
 これからも、新しい階層に行ったら地図を買おう。
 軽く見ただけでこれだけ満足感があるんだな。
 こんなことなら、2層の地図も買っていけば良かったかな。
 そう思いながら、一番近い2層へのゲートに向かって歩く。

 道中で3度ほどダンジョンラビットとの戦闘になった。
 前回の戦闘みたいに不意打ちを食らった訳ではないので、冷静に対処することでノーダメージで戦闘を終えることが出来た。
 あ、そういえば、前回のダンジョンに潜ったときの戦闘で減ったHPを回復していないな。
 そう思ったのでポーションを1本飲んでみた。
 HPは完全に回復した。
 ポーションのあじは、無味無臭。
 水よりも無味無臭だった。
 これは、たくさん飲む物でも好き好んで飲むものでもないな。
 飲み終わったポーションの容器が消えていくのを眺めながらそんなことを思った。
 そうして、ゲートに向かって歩いていると、中の黒いゲートが見えてきた。

 あれが2層につながっているゲートか。
 あれをくぐれば2層なのか。
 ゲートを見つけて感動していると、ゲートの前にダンジョンラビットがいるのを見つけた。
 ゲートをくぐる上で邪魔になるから今のうちに倒しておくか。
 今回ダンジョンに入ってから5度目の戦闘だな。
 思っていたよりもエンカウントするんだな。
 まぁ、戦闘がないとつまらないし敵がたくさんいるのはうれしいんだけどな。
 そう思いながら腰の弓を構えた。
 ハイテンポに1射2射と矢を放っていく。
 1射目は、ダンジョンラビットの横っ腹に当たった。
 そこでダンジョンラビットは誰かに攻撃されていることに気づいたのかとっさに回避行動をした。
 そのせいで2射目は外れてしまった。
 俺は、2射目が外れた事を確認してから冷静にもう1度矢を放った。
 その矢は、1射目が刺さった側とは反対側の横っ腹に刺さった。
 矢が2本刺さったダンジョンラビットはゆっくり倒れて消えていった。
 それを確認したタイミングでアナウンスが流れ同時にウィンドウが出た。


 ダンジョンラビットを討伐しました。
 素材は、直接ストレージに入れられました。
 獲得素材:兎革×1
 矢を2本回収しました。
 経験値を得ました。

 キャラクターレベルが上がりました。
 SPを10獲得しました。
 NPを5獲得しました。
 職業レベルが上がりました。
 HPが1上昇しました。
 INTが1上昇しました

 スキル、『弓術』がレベルアップしました。
 スキル『1.物理冒険者の心得』がレベルアップしました。


 お、レベルが上がったみたいだ。
 これでレベル3か。
 良いペースなんじゃないかな。
 よそ様のペースを知らないから比較は出来ないけど。
 SPとNPの割り振りをしなきゃな。
 職業レベルの方も上がったんだな。
 今回はHPとINTが上がったのか。
 2つも上がるなんて、確率的には上振れているのだろうけど、INTは正直いらないな。
 魔法を使う予定もないもんな。
 スキルの方もレベルアップしたんだな。
 いろいろ同時にレベルアップしたな。
 見るところが多くて大変だな。

 矢の回収の方は、2本成功したのか。
 1本失ったな。
 今までの戦闘とあわせて合計3本失ったな。
 このペースは良いペースなのかな。
 上振れている方なのかな。
 どうなんだろう。
 まぁ、でも矢の心配はしなくてもいいかな。
 どうせ後57本もあるし。
 矢がなくなっても最悪ナイフもあるし、なんとかなるだろう。

 2層に行く前に、SPとNPの割り振りをしちゃうか。
 SPは、もちろんHPに全ぶっぱ。
 NPの方はどうしようかな。
 ダンジョン探索も、町中の移動もAGIがあれば効率的に快適に移動できるんじゃないかな。
 移動の時間が何%か削減できたら、全体の効率から考えても、かなりの効率化になるんじゃないかな。
 他のステータスは基本的に戦闘時のステータスだけどAGIに関してはそれ以外でも使えるしな。
 よし、AGIにしよう。
 今の現状で他のステータスの必要性はそこまでないから、今回はAGIに全部突っ込んでみようかな。
 俺は、パパッとSPとNPの割り振りをした。
 よし、この強化された状態で、2層へ行こう。
 そう思いながら、2層行きのゲートをくぐった。






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