14 / 121
1章 スタートダッシュ
連続でランクアップ
しおりを挟む
頭を上げた受付のお姉さんに向かって言った。
「依頼の達成処理もしてもらっていいですか」
「分かりました。それでしたら、ギルドカードの提示をお願いします」
急に切り替わるんだな。
なんとなくそこはNPCっぽいんだな。
そういう性格なのかもしれないけど。
俺は、返却されてそのまま手に持っていたギルドカードを受付の姉さんに渡した。
「お願いします」
「ダンジョンボアの討伐ですね。討伐数は10と依頼数の5を大幅に超えていますね。問題ありません。達成ですね」
達成できていたみたいだ。
ここでなんと答えていいのか分からなかったので、とりあえず頭をかきながら言った。
「ありがとうございます」
「処理が終わったのでお返ししますね。預かり金以外だと、後は、素材買取りを2000Gするとランク3に、そのあとに3000Gの買取りをすると、ランク4になれます。素材買取りの方も頑張ってください」
返されたギルドカードを受け取る。
ギルドでのお金のやり取りって、口座を介してやるから、全然儲けた気がしないんだよな。
まぁ、現金でもらったとしても入金の手間があるだけで、うれしくはないんだけどな。
そんなことを考えながら、受付のお姉さんに感謝を伝えた。
「頑張ります。いろいろありがとうございました」
俺は、受付から離れて、素材買取りの受付の方に向かった。
あと2000G買取りしてもらうと、ギルドランクが上がるのか。
猪肉はいくらぐらいになるんだろうな。
そんなことをもいながら素材買取りの受付に行くと、受付のお姉さんが声をかけてきた。
「素材の買取りでしょうか?」
俺は、それに冷静にこたえる。
「はい、素材の買取りをお願いします」
「それではまずギルドカードを提示してください」
俺は、受付の方で返されてからそのまま手に持っていたギルドカードを出した。
ギルドカードって案外使う機会が多いんだよな。
そういうのは、ストレージじゃなくて鞄の方に入れた方が良いかもしれないな。
そっちの方が早く取り出せそうだし。
でも、動かしてすぐは、どっちに入れたのかを忘れてあたふたしそうだな。
そうなっている姿が容易に想像できる。
「はい、お願いします」
「アロン様ですね。続いて、ここに買取り素材を出してください」
俺は、ストレージに入っている、猪肉を取り出そうとした。
そのとき思った。
依頼数的には、次のランクアップも出来るのだから、ここで全ての素材を買取りしてもらったら、次のランクアップのために新たに回と利用の素材を取りに行かなきゃ行けなくなるな。
考え無しに全部買取りしてもらうのではなく、少し考えてから動こう。
そう思ったので、受付のお姉さんに聞いた。
「ダンジョンボアを倒したときにドロップする、猪肉って買取り額はいくらですか?」
「猪肉は、1つ1200Gとなっています」
そんなにするんだ。
兎革の2.4倍だな。
まぁ、それぐらいは強かったな。
HPとかから考えても。
それに、肉だから、革よりも需要があるのかもしれないな。
そんなことを考えながら、ストレージから猪肉を2つ取り出して、買取り素材を置く場所に置く。
「それじゃあ、これでお願いします」
「猪肉が2つですね。2400Gになります。買取り額は口座に振り込んでおきますね」
そう言った後受付のお姉さんは、ギルドカードを返してきた。
それを受け取りながら言う。
「ありがとうございます」
「ランクアップの条件を満たしていますね。受付に行けば、ランクアップの手続きが出来ます。行ってみてはいかがでしょうか?」
俺は大きく頷きながら言った。
「はい、受付に行ってきます」
俺はそう言ったあと、すぐに素材買取り受付から離れて、受付の方に向かった。
その途中で、矢筒と弓と孵化装置でぐちゃぐちゃしている背中の装備を調えた。
その結果、右腰に矢筒を、背中で斜めにしていた矢は、背中側で左肩からまっすぐ垂らす形になった。
孵化装置は、リュックのように背負っている。
これで、背中の違和感はなくなった。
そうやっている間に受付の方に付いた。
いつも通りの声で受付のお姉さんが話しかけてきた。
「要件はなんでしょうか?」
3時間の間で何度も会うという特殊な合方をしているのに、ずっと同じテンションで一言目を言われるんだよな。
まぁ、NPCなんだからそういうものなのかな。
それとも何かしらのイベントを踏むと、かけられる言葉が変わるものなのかな。
俺もいつも通りの声で言った。
「ランクアップの手続きをお願いします」
「それではまず、ギルドカードの提示をお願いします」
ここまで、テンプレートなのかな。
テンプレートなんだろうな。
設定上テンプレートなのか、目の前の受付のお姉さんというNPCが自主的にやっているテンプレートなのかは分からないけど。
俺は、さっき装備の移動のために、ストレージに戻していたギルドカードを取り出して、渡した。
「お願いします」
「アロン様ですね。依頼達成数、買取り額、能力ともに基準を満たしていますね。特別預入金を2G納入すると、ランクアップできます。ランクアップしますか?」
きちんと、全ての条件を満たしているみたいだな。
そういえば、ステータスの部分を気にしていなかったけど、今の俺のステータスって、合計値はいくつなんだろう。
250くらい?
レベルアップが2回あって、それでまず+30。
称号は、+8。
それ以外だと、職業レベルアップの時の確率アップが、+5だったよな。
で、NPの影響で上がったSPが3だ。
それを初期の200とあわせて合計すると、246か。
まぁ、だいたい俺の予想とあっているな。
このままだと、ギルドランク6にはなれないんだな。
まぁ、6なんてまだまだ先のことだろうし大丈夫だろう。
そんなことを考えながら言った。
「お願いします」
「それでは手続きをしますね」
受付のお姉さんが、カタカタと手元の端末を操作して、手続きを進めていく。
この演出が良いよな。
ちゃんとデータを入力している感じが。
ギルドが公的な場所なんだなぁと言う感じがして良いと思う。
そんなことをしている間に、受付のお姉さんは作業を終えてこっちを見て言った。
「ランクアップ手続きが完了しました。アロン様はギルドランクが3になりました。次のランクアップのための依頼数、ステータスに関しては条件を達成しているので、素材買取りを3000Gして、特別預入金を倍増していただければ、ランクアップが出来ます」
このときなんて言えばいいのか分からないんだよな。
それなのに、こっちが会話のボールを持っているような気がしてしまうから、何か言わなきゃと思っちゃうんだよなぁ。
ここの良い返事がないかな。
事実をただ言われたときの返しかたってなんだろうな。
そんなことを考えながら言った。
「ありがとうございます」
「ランクアップを目指して、頑張ってください」
受付のお姉さんがそう言っているのを聞きながら、ギルドカードを受け取った。
ランクアップ関連の作業は終わったみたいだ。
それなら、続けて、ダンジョン草の処理の方もやってしまおうかな。
今やらないと忘れそうだし。
そう思いながら声をかけた。
「ダンジョン草が手持ちにあるんですけど、それでこの場で達成できる依頼ってありますか?」
「ダンジョン草は何束ありますか?」
何束あったっけ?
俺は、そう思いながらストレージを確認した。
えっと、20束だな。
間違いないな。
大丈夫だな。
俺は2度3度数え直してから言った。
「20束です」
「20束でしたら、5束ずつなら、ランク3の依頼、10束ずつならランク4の依頼、20束ならランク5の依頼になります。どのランクの依頼として処理しますか?」
へぇ、そんな区分なんだな。
どれがいいかな。
とりあえずランク3ではないな。
なぜなら今のランク3からランク4にランクアップするための依頼数は達成しているから、依頼数のかさ増しをする必要がないのだ。
ランク4かランク5どっちがいいかな。
ランク4の時にランク後に上がるための依頼達成数はまだ1つしかない。
そうなると、4かな。
でも、まとめて5にしたい気持ちもある。
4ぐらいの依頼なら簡単にこなせるだろうから、5にして先のことを考えた方がいい気がするなぁ。
どっちの方が良いんだろうな。
俺は、悩んだ末に決めて言った。
「ランク5でお願いします」
「分かりました。それでしたら、ギルドカードを提示していただいて、ここにダンジョン草の束を出してください」
俺は、受付の代の俺側にあったギルドカードをそのままスライドして受付のお姉さんの方に差し出した。
「分かりました」
「手続きをしますね」
俺は短く一言言った。
「お願いします」
「えっと、手続きが完了しました。報酬の5300Gは口座の方に振り込んでおきました」
どうやら、ランク5の20束の依頼は、5300Gらしい。
1束換算では、ランク3の依頼よりも良いんじゃないかな。
大量だから割り増しにしてくれたのかな。
大量の納入をしたら、割り増してほしくなるもんな。
でも、仕入れの時って大量だと割り引きたくなるよな。
やっぱり取引って難しいんだな。
阿呆みたいな感想を抱きながら言った。
「ありがとうございます」
俺は、ギルドカードを受け取って、受付から離れた。
そのままの足で再び、素材買取り受付の方に来た。
さっきから行ったり来たりばっかりしている気がするな。
たいした負担じゃないから良いんだけど。
そう思いながら素材買取りの受付のところまで行くと、受付のお姉さんがいつも通りのテンションでいつも通りの文言で話しかけてきた。
「素材の買取りですか?」
俺もそれに合わせていつも通りの声で言った。
「買取りをお願いします」
「それでは買取りするものをこちらに置いてください」
さっきの今で買取り額が変わるなんて事はないだろうから、今回は聞かなくていいか。
と言うかそもそも、前回は次のランクアップが同時に出来るから、買取り額を調整したけど、今は次のランクアップも同時に出来る状況ではないから、出し惜しみせず、全部買取りに出せば良いんだよな。
ストレージを軽くしておかないと、いつどのぐらいの素材を手に入れるかわからないもんな。
そう思いながら、俺は、ストレージに入っていた猪肉と兎革を全部出した。
「これでお願いします」
「猪肉が8に、兎革が12ですね。買取り額は、15600Gになります。この金額で買取りますが、よろしいでしょうか?」
俺が置いた瞬間から、受付のお姉さんはざざっとすごい速度で右から左に捌きながら数を数えた。
熟練の技術だな。
俺は、頷きながら言った。
「大丈夫です。お願いします」
「買取りが完了しました。買取り額は、口座の方に入金しておきました」
もう買取りが終わったのか。
早いな。
すごいな。
ベテランなんだろうな。
初日のこの勢いに飲み込まれず捌ききっているんだから、ベテランな事には間違いないな。
すごいなぁと馬鹿っぽいことを考えながら言った。
「ありがとうございます」
「ランクアップの条件を見てしているので、受付に行けばランクアップの手続きをしてくれますよ。受付の方に行ってみてはいかがですか?」
俺は、出されたギルドカードを受け取る。
前も同じように言われたなぁ。
まぁ、言われなくても行くんだけどね。
と言うかそれがメイン目標なんだけどね。
そう思いながら言った。
「はい、行ってきます」
俺は、素材買取りの受付から離れ、そのままの足で、受付の方に向かった。
いつも通り右端の受付に行く。
いつも通り、同じ言葉を受付のお姉さんからかけられる。
「要件はなんでしょうか?」
俺は、軽く頭をかきながら言った。
「連続して何度も来てしまって申し訳ないんですが、ランクアップの手続きをお願いできますか?」
「ランクアップの手続きですね分かりました。まず、ギルドカードを提示してください」
全く同じ流れだなぁ。
まぁ、同じ事をしているんだから、当たり前か。
おれは、手に持っていたギルドカードを受付のお姉さんに渡した。
「お願いします」
「依頼達成数、新規買取り額、ステータスの値、の条件を満たしていますね。特別預入金を倍増
させれば、ランクアップすることが出来ますね。ランクアップをしますか?」
納入した後の特別預入金は8Gか。
まだまだ、誤差みたいな額だな。
正直100Gを超えてくるまでは、誤差だと思っている。
それは今のところ一番安い買い物が1つあたり100Gだったから、それを下回るなら、なんとなく誤差の範囲だと思ってしまう。
まぁ、これでも最初に比べたら8倍に増えたんだもんな。
そう考えるとかなり増えているんだな。
そんなことを閑雅ながら言った。
「お願いします」
「それでは手続きの方をしますね。納入する特別預入金は、口座の方から自動的に引き落とししておきますね。手続きが完了しました。これで、あなたはランク4の冒険者です」
受付のお姉さんはそう言いながら、ギルドカードを渡してきた。
俺は、そのギルドカードを受け取る。
これでランク4か。
思っていたよりもあっさり、ランクが上がっているな。
レベルと同じペースで上がっている。
こんなもんなのかな。
まだまだ、ランクが上がるペースが下がっていないな。
そう思いながら言った。
「ありがとうございます」
「次のランクアップには、依頼達成数が残り2、新規買取り額が4000G、特別預入金の倍増に8Gが必要になります。ステータス値については、既に条件を達成しています」
依頼を2つに、買取り額が4000Gか。
まぁ、依頼を2つやっている間に、買取り額は余裕で4000Gを超えるだろう。
さっきの買取りだって15000Gを超えていたんだから。
俺はそう思いながら言った。
「分かりました」
「ランクアップを目指して頑張ってください」
「依頼の達成処理もしてもらっていいですか」
「分かりました。それでしたら、ギルドカードの提示をお願いします」
急に切り替わるんだな。
なんとなくそこはNPCっぽいんだな。
そういう性格なのかもしれないけど。
俺は、返却されてそのまま手に持っていたギルドカードを受付の姉さんに渡した。
「お願いします」
「ダンジョンボアの討伐ですね。討伐数は10と依頼数の5を大幅に超えていますね。問題ありません。達成ですね」
達成できていたみたいだ。
ここでなんと答えていいのか分からなかったので、とりあえず頭をかきながら言った。
「ありがとうございます」
「処理が終わったのでお返ししますね。預かり金以外だと、後は、素材買取りを2000Gするとランク3に、そのあとに3000Gの買取りをすると、ランク4になれます。素材買取りの方も頑張ってください」
返されたギルドカードを受け取る。
ギルドでのお金のやり取りって、口座を介してやるから、全然儲けた気がしないんだよな。
まぁ、現金でもらったとしても入金の手間があるだけで、うれしくはないんだけどな。
そんなことを考えながら、受付のお姉さんに感謝を伝えた。
「頑張ります。いろいろありがとうございました」
俺は、受付から離れて、素材買取りの受付の方に向かった。
あと2000G買取りしてもらうと、ギルドランクが上がるのか。
猪肉はいくらぐらいになるんだろうな。
そんなことをもいながら素材買取りの受付に行くと、受付のお姉さんが声をかけてきた。
「素材の買取りでしょうか?」
俺は、それに冷静にこたえる。
「はい、素材の買取りをお願いします」
「それではまずギルドカードを提示してください」
俺は、受付の方で返されてからそのまま手に持っていたギルドカードを出した。
ギルドカードって案外使う機会が多いんだよな。
そういうのは、ストレージじゃなくて鞄の方に入れた方が良いかもしれないな。
そっちの方が早く取り出せそうだし。
でも、動かしてすぐは、どっちに入れたのかを忘れてあたふたしそうだな。
そうなっている姿が容易に想像できる。
「はい、お願いします」
「アロン様ですね。続いて、ここに買取り素材を出してください」
俺は、ストレージに入っている、猪肉を取り出そうとした。
そのとき思った。
依頼数的には、次のランクアップも出来るのだから、ここで全ての素材を買取りしてもらったら、次のランクアップのために新たに回と利用の素材を取りに行かなきゃ行けなくなるな。
考え無しに全部買取りしてもらうのではなく、少し考えてから動こう。
そう思ったので、受付のお姉さんに聞いた。
「ダンジョンボアを倒したときにドロップする、猪肉って買取り額はいくらですか?」
「猪肉は、1つ1200Gとなっています」
そんなにするんだ。
兎革の2.4倍だな。
まぁ、それぐらいは強かったな。
HPとかから考えても。
それに、肉だから、革よりも需要があるのかもしれないな。
そんなことを考えながら、ストレージから猪肉を2つ取り出して、買取り素材を置く場所に置く。
「それじゃあ、これでお願いします」
「猪肉が2つですね。2400Gになります。買取り額は口座に振り込んでおきますね」
そう言った後受付のお姉さんは、ギルドカードを返してきた。
それを受け取りながら言う。
「ありがとうございます」
「ランクアップの条件を満たしていますね。受付に行けば、ランクアップの手続きが出来ます。行ってみてはいかがでしょうか?」
俺は大きく頷きながら言った。
「はい、受付に行ってきます」
俺はそう言ったあと、すぐに素材買取り受付から離れて、受付の方に向かった。
その途中で、矢筒と弓と孵化装置でぐちゃぐちゃしている背中の装備を調えた。
その結果、右腰に矢筒を、背中で斜めにしていた矢は、背中側で左肩からまっすぐ垂らす形になった。
孵化装置は、リュックのように背負っている。
これで、背中の違和感はなくなった。
そうやっている間に受付の方に付いた。
いつも通りの声で受付のお姉さんが話しかけてきた。
「要件はなんでしょうか?」
3時間の間で何度も会うという特殊な合方をしているのに、ずっと同じテンションで一言目を言われるんだよな。
まぁ、NPCなんだからそういうものなのかな。
それとも何かしらのイベントを踏むと、かけられる言葉が変わるものなのかな。
俺もいつも通りの声で言った。
「ランクアップの手続きをお願いします」
「それではまず、ギルドカードの提示をお願いします」
ここまで、テンプレートなのかな。
テンプレートなんだろうな。
設定上テンプレートなのか、目の前の受付のお姉さんというNPCが自主的にやっているテンプレートなのかは分からないけど。
俺は、さっき装備の移動のために、ストレージに戻していたギルドカードを取り出して、渡した。
「お願いします」
「アロン様ですね。依頼達成数、買取り額、能力ともに基準を満たしていますね。特別預入金を2G納入すると、ランクアップできます。ランクアップしますか?」
きちんと、全ての条件を満たしているみたいだな。
そういえば、ステータスの部分を気にしていなかったけど、今の俺のステータスって、合計値はいくつなんだろう。
250くらい?
レベルアップが2回あって、それでまず+30。
称号は、+8。
それ以外だと、職業レベルアップの時の確率アップが、+5だったよな。
で、NPの影響で上がったSPが3だ。
それを初期の200とあわせて合計すると、246か。
まぁ、だいたい俺の予想とあっているな。
このままだと、ギルドランク6にはなれないんだな。
まぁ、6なんてまだまだ先のことだろうし大丈夫だろう。
そんなことを考えながら言った。
「お願いします」
「それでは手続きをしますね」
受付のお姉さんが、カタカタと手元の端末を操作して、手続きを進めていく。
この演出が良いよな。
ちゃんとデータを入力している感じが。
ギルドが公的な場所なんだなぁと言う感じがして良いと思う。
そんなことをしている間に、受付のお姉さんは作業を終えてこっちを見て言った。
「ランクアップ手続きが完了しました。アロン様はギルドランクが3になりました。次のランクアップのための依頼数、ステータスに関しては条件を達成しているので、素材買取りを3000Gして、特別預入金を倍増していただければ、ランクアップが出来ます」
このときなんて言えばいいのか分からないんだよな。
それなのに、こっちが会話のボールを持っているような気がしてしまうから、何か言わなきゃと思っちゃうんだよなぁ。
ここの良い返事がないかな。
事実をただ言われたときの返しかたってなんだろうな。
そんなことを考えながら言った。
「ありがとうございます」
「ランクアップを目指して、頑張ってください」
受付のお姉さんがそう言っているのを聞きながら、ギルドカードを受け取った。
ランクアップ関連の作業は終わったみたいだ。
それなら、続けて、ダンジョン草の処理の方もやってしまおうかな。
今やらないと忘れそうだし。
そう思いながら声をかけた。
「ダンジョン草が手持ちにあるんですけど、それでこの場で達成できる依頼ってありますか?」
「ダンジョン草は何束ありますか?」
何束あったっけ?
俺は、そう思いながらストレージを確認した。
えっと、20束だな。
間違いないな。
大丈夫だな。
俺は2度3度数え直してから言った。
「20束です」
「20束でしたら、5束ずつなら、ランク3の依頼、10束ずつならランク4の依頼、20束ならランク5の依頼になります。どのランクの依頼として処理しますか?」
へぇ、そんな区分なんだな。
どれがいいかな。
とりあえずランク3ではないな。
なぜなら今のランク3からランク4にランクアップするための依頼数は達成しているから、依頼数のかさ増しをする必要がないのだ。
ランク4かランク5どっちがいいかな。
ランク4の時にランク後に上がるための依頼達成数はまだ1つしかない。
そうなると、4かな。
でも、まとめて5にしたい気持ちもある。
4ぐらいの依頼なら簡単にこなせるだろうから、5にして先のことを考えた方がいい気がするなぁ。
どっちの方が良いんだろうな。
俺は、悩んだ末に決めて言った。
「ランク5でお願いします」
「分かりました。それでしたら、ギルドカードを提示していただいて、ここにダンジョン草の束を出してください」
俺は、受付の代の俺側にあったギルドカードをそのままスライドして受付のお姉さんの方に差し出した。
「分かりました」
「手続きをしますね」
俺は短く一言言った。
「お願いします」
「えっと、手続きが完了しました。報酬の5300Gは口座の方に振り込んでおきました」
どうやら、ランク5の20束の依頼は、5300Gらしい。
1束換算では、ランク3の依頼よりも良いんじゃないかな。
大量だから割り増しにしてくれたのかな。
大量の納入をしたら、割り増してほしくなるもんな。
でも、仕入れの時って大量だと割り引きたくなるよな。
やっぱり取引って難しいんだな。
阿呆みたいな感想を抱きながら言った。
「ありがとうございます」
俺は、ギルドカードを受け取って、受付から離れた。
そのままの足で再び、素材買取り受付の方に来た。
さっきから行ったり来たりばっかりしている気がするな。
たいした負担じゃないから良いんだけど。
そう思いながら素材買取りの受付のところまで行くと、受付のお姉さんがいつも通りのテンションでいつも通りの文言で話しかけてきた。
「素材の買取りですか?」
俺もそれに合わせていつも通りの声で言った。
「買取りをお願いします」
「それでは買取りするものをこちらに置いてください」
さっきの今で買取り額が変わるなんて事はないだろうから、今回は聞かなくていいか。
と言うかそもそも、前回は次のランクアップが同時に出来るから、買取り額を調整したけど、今は次のランクアップも同時に出来る状況ではないから、出し惜しみせず、全部買取りに出せば良いんだよな。
ストレージを軽くしておかないと、いつどのぐらいの素材を手に入れるかわからないもんな。
そう思いながら、俺は、ストレージに入っていた猪肉と兎革を全部出した。
「これでお願いします」
「猪肉が8に、兎革が12ですね。買取り額は、15600Gになります。この金額で買取りますが、よろしいでしょうか?」
俺が置いた瞬間から、受付のお姉さんはざざっとすごい速度で右から左に捌きながら数を数えた。
熟練の技術だな。
俺は、頷きながら言った。
「大丈夫です。お願いします」
「買取りが完了しました。買取り額は、口座の方に入金しておきました」
もう買取りが終わったのか。
早いな。
すごいな。
ベテランなんだろうな。
初日のこの勢いに飲み込まれず捌ききっているんだから、ベテランな事には間違いないな。
すごいなぁと馬鹿っぽいことを考えながら言った。
「ありがとうございます」
「ランクアップの条件を見てしているので、受付に行けばランクアップの手続きをしてくれますよ。受付の方に行ってみてはいかがですか?」
俺は、出されたギルドカードを受け取る。
前も同じように言われたなぁ。
まぁ、言われなくても行くんだけどね。
と言うかそれがメイン目標なんだけどね。
そう思いながら言った。
「はい、行ってきます」
俺は、素材買取りの受付から離れ、そのままの足で、受付の方に向かった。
いつも通り右端の受付に行く。
いつも通り、同じ言葉を受付のお姉さんからかけられる。
「要件はなんでしょうか?」
俺は、軽く頭をかきながら言った。
「連続して何度も来てしまって申し訳ないんですが、ランクアップの手続きをお願いできますか?」
「ランクアップの手続きですね分かりました。まず、ギルドカードを提示してください」
全く同じ流れだなぁ。
まぁ、同じ事をしているんだから、当たり前か。
おれは、手に持っていたギルドカードを受付のお姉さんに渡した。
「お願いします」
「依頼達成数、新規買取り額、ステータスの値、の条件を満たしていますね。特別預入金を倍増
させれば、ランクアップすることが出来ますね。ランクアップをしますか?」
納入した後の特別預入金は8Gか。
まだまだ、誤差みたいな額だな。
正直100Gを超えてくるまでは、誤差だと思っている。
それは今のところ一番安い買い物が1つあたり100Gだったから、それを下回るなら、なんとなく誤差の範囲だと思ってしまう。
まぁ、これでも最初に比べたら8倍に増えたんだもんな。
そう考えるとかなり増えているんだな。
そんなことを閑雅ながら言った。
「お願いします」
「それでは手続きの方をしますね。納入する特別預入金は、口座の方から自動的に引き落とししておきますね。手続きが完了しました。これで、あなたはランク4の冒険者です」
受付のお姉さんはそう言いながら、ギルドカードを渡してきた。
俺は、そのギルドカードを受け取る。
これでランク4か。
思っていたよりもあっさり、ランクが上がっているな。
レベルと同じペースで上がっている。
こんなもんなのかな。
まだまだ、ランクが上がるペースが下がっていないな。
そう思いながら言った。
「ありがとうございます」
「次のランクアップには、依頼達成数が残り2、新規買取り額が4000G、特別預入金の倍増に8Gが必要になります。ステータス値については、既に条件を達成しています」
依頼を2つに、買取り額が4000Gか。
まぁ、依頼を2つやっている間に、買取り額は余裕で4000Gを超えるだろう。
さっきの買取りだって15000Gを超えていたんだから。
俺はそう思いながら言った。
「分かりました」
「ランクアップを目指して頑張ってください」
11
あなたにおすすめの小説
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる
枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。
艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。
誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件
夏見ナイ
SF
現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。
周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。
結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる