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1章 スタートダッシュ
なーさん情報
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名前:なーさん
スカイバード:Lv.1/Lv.20
HP:50
MP:50
STR:15
VIT:10
INT:15
MND:10
AGI:25
DEX:25
特性:鳥の視界
《枠スキル》5
称号:
主人:アロン
状態:テイム済み
共有能力:復活(弱)
《装備》
頭部
羽
足具
アクセサリー×2
空腹:0
疲労:0
SP:0
NP:0
スカイバードのなーさん。
卵から孵化して最初にアロンを見たことで、アロンを親のように思っている。
アロンにテイムされていることにより、親以外で、主人としても思っている。
スカイバードとしては、ステータスや外見に異常のない通常の個体。
テイムされたことで、アロンと能力が共有され、復活(弱)を得ている。
こんなステータスをしているんだな。
俺のステータスと違うところは、特性というものがあるかないかと、職業、職業技があるかないかの差かな。
後は、装備枠の差もあるみたいだな。
まぁ、細かな数値とか、そういうのは、違うのは当たり前として、大きく違うのはそれぐらいかな。
モンスターには職業がないんだな。
まぁ、モンスターが何かの職業に就いているイメージはないな。
それに、プレイヤーと同じようなステータスをしていたら、面白くないもんな。
こういうところで個性を出していくべきだよな。
個性で言ったら、特性というのがあるんだな。
これは、プレイヤーで言う、職業技みたいなことなのかな?
そうなると、名前を変えただけで、あまり変化はないのかもしれないな。
そうじゃないと良いな。
そっちの方が面白そうだし。
なーさんは、スカイバードとしては、通常の個体なんだな。
良かった。
2層にいたから、何か異常を抱えている個体なのかと思っていた。
通常が一番だよな。
まぁ、でも、異常は異常でも、体に害のないような異常、色が違うとか、他より強いとか層以上なら大歓迎だけどな。
大雑把に見るのはこれぐらいにして、数値を細かく見ていこう。
レベルは1なんだな。
いきなり鳥の状態で、卵から出てきたから、既になんレベルか成長しているものかと思っていたけど、レベル1と言うことは、ただただそういう生態の鳥だったと言うことなのかな。
まぁ、誰も最初はレベル1なのだから、レベル1であることはかまわないよ。
SPの合計、NPの合計は、それぞれ100ずつ。
これは初期のプレイヤーと変わらないな。
プレイヤーの場合は、その100ずつに、さらに職業バフが付いて、初期から数値が上乗せされてはいるけど、割り振る数値だけを考えると同じなんだな。
数値の中身を見ていこう。
SPはHPとMPに仲良く50ずつ振っている。
もしかして、なーさんは、魔法も行ける感じなのかな。
魔法メインの感じなのかな?
そうなってくると、俺となーさんで、後衛と後衛になっちゃうな。
バランスは悪いな。
まぁ、でも、なーさんには元々前衛を任せようとはしてなかったし、魔法タイプでもたいした違いはないか。
そもそも、鳥タイプのモンスターに前衛をやらせるイメージがないんだよな。
支援系とか魔法系とか偵察系とか、そっちの仕事のイメージが強い。
俺は、続いて、NPの方に注目した。
一番高いのが、AGIとDEXの25。
その次が、STRとINTの15。
一番低いのが、VITとMNDの10か。
これを見ると、魔法タイプと言うよりも、両刀タイプだな。
物理も魔法もやりますよと言うやる気を感じる。
両刀の中でも、スピードアタッカータイプだな。
耐久系が低くて、AGIが1番高いと言うことは、そういうことなんだろう。
器用な両刀高速アタッカータイプになるとみた。
これは、前衛かな。
それとも後衛かな。
とりあえず、盾的な前衛にはならないだろう。
あるとしたら、魔法メインで、補助で物理系の攻撃をする、後衛寄りの中衛か、物理メインで、サブに魔法を置く、前衛寄りの中衛だな。
まぁ、俺となーさんとのパーティーとなったら、相対的に前に出る、中衛のなーさんが前衛の役割をこなすことになる気がするな。
それって大丈夫なのかな。
この耐久を見ると心配になってくる。
まぁ、なーさんが前衛をやるとするなら、受ける系、タンク系の前衛と言うよりは、避ける系の前衛をやるんだろうな。
脳内での戦闘の組み立てはこれぐらいにして、他の部分を見ていこう。
特性は、分からないな。
後で、詳細を見ることにしよう。
とりあえず鳥に関連する特性っぽいことは、名前から分かる。
枠スキルや、称号は、プレイヤーと同じようにあるんだな。
でも、プレイヤーみたいに、初期から5つのスキルがもらえるみたいなことはないんだな。
なーさんはここからスキルを頑張って獲得していくことになるんだな。
頑張れなーさん。
称号の方も同じかな。
装備枠に関しては、プレイヤーとは違うんだな。
合計数的には、プレイヤーよりも少ないみたいだな。
これはプレイヤーが多いだけな気がするな。
俺も、使っていない装備枠がいっぱいあるもんな。
空腹値とか、疲労値もあるんだな。
ということは、一緒に食事をしたり、一緒に休憩をしたり出来ると言うことだな。
それは楽しみだな。
SP、NPも当然あるんだな。
共有能力は、復活(弱)なんだな。
これで、もし死んだとしても、どうにかして復活できるんだな。
これはありがたい。
安心できる。
細かく見終わったから、気になったところの詳細を見ていこう。
いや、その前に、なーさんに声をかけるか。
「良い能力をもらったな。すごいな」
「なぁ!」
こちらの言葉を理解しているのか、なーさんは、胸を張るような仕草をしながら、うれしそうに言った。
言葉を分かってくれているのかな。
そうだとしたら、すごく愛着がわくな。
なーさんの言動にほっこりしながら、つぶやいた。
「索敵」
うん、敵はまだいないみたいだな。
良かった。
これで、まだなーさんのことを見る時間ができる。
俺は、スカイバードという種族の詳細を見た。
スカイバード
レベル:1/20
補正:鳥補正、魔法補正、物理補正
レベルアップ時獲得:10SP、5NP ※レベルアップ時に自動割り振り
NP・SPアップ確率:HP,MP,STR,INT,12.5%・VIT,MND,25%・AGI,DEX,100%
装備枠:頭部、羽、足具、アクセサリー×2
初期特性:鳥の視界
特性変化:あり
モンスターの種族というのは、人のプレイヤーレベルと、職業をあわせたようなものなんだな。
モンスターは2つが合わさっているんだな。
スカイバードは、レベルアップ時のSP・NPに関しては、プレイヤーと同じように上がっていくんだな。
確率で上がる方は、プレイヤーは合計で100%なんだが、スカイバードは合計で300%みたいだな。
スカイバードの方が成長力が高いんだろうな。
この設定は、すごくモンスターっぽくて良いな。
装備枠とか特性とかも種族に、紐付いているんだな。
スカイバードには、魔法特性も物理特性もあるのか。
運営が両刀をしろと言っているようなものだな。
これは、将来に期待を持てそうだな。
そういえば、スカイバードには、スキルの合成・分解、ストレージと言った、プレイヤーが持っているようなものはないんだな。
これは、プレイヤー限定のものなのかな。
それとも、人間限定のものなのかな。
スキルの合成。分解がないと言うことは、スカイバードのスキルは合成できないと言うことかな。
まぁ、ここら辺は追々確認しておこう。
俺はまた、なーさんに話しかけた。
「なーさんは、スカイバードなんだな。飛ぶのが得意なのか?」
「なぁ、なぁ!」
そう言って、なーさんは、空を飛びだした。
俺の目の前で、小さく円を描くようにまわりながら飛ぶ。
きちんと飛んでいると心を見て、なーさんが鳥なんだという実感がわいてくる。
まんま鳥の見た目をしているのに、今まで俺はなーさんを鳥だと思っていなかったのか?
そのことに自分ながら驚く。
人と人、そう思って関わっていたような気がするな。
まぁ、でも、これからも関わり方を変えるつもりがないが。
一通り飛んだ後、再び肩の上にとまった。
そしてなーさんは、楽しそうに言った。
「なぁ」
俺は、楽しそうにしているなーさんを褒めた。
「すごいななーさん。自由に飛べるだなんて羨ましい」
なーさんは俺の言葉を聞いて誇らしそうに胸を張っている。
俺がそう思っているだけで、そういうわけではないのかもしれないけど、人の言葉を分かっているような行動が多いな。
まぁ、連携を取ることを考えたら、人の言葉をしゃべらないでも理解してくれたら、やりやすいもんな。
運営が、そういう設定をしているのかも知れないな。
それなら、コミュニケーションが楽しくなりそうだな。
俺はウキウキしながら、続いて、特性の鳥の視界の詳細を見た。
鳥の視界
高いところにいればいるほど、視界が広くなる。
鳥系のモンスターによく見られる特性。
探知系の技やスキルの効果範囲も広くなる。
便利な能力だな。
良いな。
良い能力だ。
なーさんが高く飛べば飛ぶほど、遠くを見通せると言うことだよな。
これは良い。
かなり俺達と相性が良い。
だけど、この特性を活用するときは、索敵の時だけかな。
これを使うときは、なーさんが上空に行ってしまうから、戦闘時とかに使ってしまうと、俺の前が空いてしまい、なーさんはなーさんで高所に行ったせいで戦闘に参加できなくなってしまう。
非戦闘時専用の特性だな。
でもとてもいい特性だ。
問題があるとすれば、なーさんが感知した敵を、どう俺に伝えるのかという問題がある。
「なぁ」だけでは、敵がいることまでは分かっても、敵の場所までは分からないからな。
そこら辺はどうしていこうかな。
何か良い解決方法ないものかな。
まぁ、今のところは欠陥はあるけどとてもいい特性だと言うことは分かった。
俺は、なーさんに声をかけた。
「なーさん、トリノしか行って良い特性だな。さすがなーさんだ」
「なぁ、なぁ!」
なーさんは、誇らしそうにうれしそうに言った。
褒められてうれしいんだろうな。
こんなうれしそうな反応をされたらいくらでも褒めたくなってしまうな。
俺はしみじみ言った。
「なーさんは偉いなぁ」
「なぁ」
褒めすぎたのか、少し恥ずかしそうな反応をしている。
何でここまで作り込んだんだろうな。
最高だ運営。
ありがとう運営。
俺は、なーさんから視線を外して、次は、復活(弱)の詳細を見た。
復活(弱)
プレイヤーにテイムされた、モンスターが獲得することの多い、共有能力。
死亡時、復活までにタイムラグが、10分ある。
このタイムラグは、死亡回数が増えるごとに、倍増していく。
2回目なら20分。
3回目なら40分。
そうやって増えていく。
死亡回数のリセットは、リアルタイムの週に1回行われる。
この世界で言うと、21日に1回リセットされる。
復活までタイムラグがある感じなのか。
良かった。
特定の素材が必要になりますとか、法外な金が必要になるとか、確率で復活しなくなるとか、確率で障害が残るとかそういうのじゃなくて良かった。
良かったけれど、回数のリセットは、こっちの時間で21日に1回か。
かなりシビアだな。
気軽に死ねるものではないな。
まぁ、そもそも、気軽に死なせたくはないけど。
とりあえず、これを持っていれば、また会えると思うとお守り以上の効果があるだろうな。
俺は、なーさんを膝の上に置いて、なーさんに声をかけた。
「これがあれば安心だな」
「なぁ?」
なーさんは首をかしげてそう言った。
これは、こっちの言葉が届いているで確定だろうな。
たまたまでこんな動作はしないもんな。
俺は、なーさんをなでながら言った。
「復活(弱)があれば、多少の無茶も出来そうだな」
「なぁ!」
なでられてうれしいのか、褒められてうれしいのか、とにかくなーさんはうれしそうに鳴いた。
なんか、こんだけこっちの半紙が分かるなら、そのうち、普通に話し出しそうな雰囲気があるんだなよな。
俺は、なーさんに聞いた。
「なーさんは冒険がしたいか?」
なーさんは頷きながら言った。
「なぁ!」
そうか。
冒険がしたいのか。
安全な場所でぬくぬく暮らしたい訳ではないんだな。
その言葉を聞いて、なんとなく、なーさんと一緒に冒険をしていく覚悟が固まった気がする。
俺は、にっこり笑顔でなーさんに言った。
「そうかそうか。冒険がしたいか。俺と同じだな」
「なぁ」
俺は、真剣な顔でなーさんに言った。
「じゃあ、まずは強くならないとな」
なーさんは力強く頷いた。
「なぁ!」
俺は、なーさんに諭すように、説明するように言った。
「いまのなーさんはレベル1、まだまだひよっこだ」
なーさんは小さく頷いた。
「なぁ」
俺は、なーさんに夢を語るテンションで言った。
「もう少し強くなったら、2人で3層とか、それより深いところとかに行こうな」
なーさんはうれしそうに頷いた。
「なぁ!」
俺はなーさんに聞く。
「じゃあ、とりあえず、特訓でもするか?」
なーさんは先ほどよりも大きく頷いた。
「なぁ!」
やる気に溢れているんだな。
これだけのやる気があったらすぐに強くなるだろうな。
そう思いながら言った。
「そうか、やる気いっぱいだな」
「なぁ!」
なーさんのやる気に応えるために俺は小声でぼそっとつぶやいた。
「索敵」
ちょうど、良い感じの距離にダンジョンボアがいるみたいだ。
こいつを、なーさんとの初めての狩りにつかおう。
俺は、ダンジョンボアの反応があった方を指し示しながら言った。
「あっちの方に敵がいるみたいだから、早速狩りに行くか」
「なぁ!」
なーさんは、そう言って飛んだ。
スカイバード:Lv.1/Lv.20
HP:50
MP:50
STR:15
VIT:10
INT:15
MND:10
AGI:25
DEX:25
特性:鳥の視界
《枠スキル》5
称号:
主人:アロン
状態:テイム済み
共有能力:復活(弱)
《装備》
頭部
羽
足具
アクセサリー×2
空腹:0
疲労:0
SP:0
NP:0
スカイバードのなーさん。
卵から孵化して最初にアロンを見たことで、アロンを親のように思っている。
アロンにテイムされていることにより、親以外で、主人としても思っている。
スカイバードとしては、ステータスや外見に異常のない通常の個体。
テイムされたことで、アロンと能力が共有され、復活(弱)を得ている。
こんなステータスをしているんだな。
俺のステータスと違うところは、特性というものがあるかないかと、職業、職業技があるかないかの差かな。
後は、装備枠の差もあるみたいだな。
まぁ、細かな数値とか、そういうのは、違うのは当たり前として、大きく違うのはそれぐらいかな。
モンスターには職業がないんだな。
まぁ、モンスターが何かの職業に就いているイメージはないな。
それに、プレイヤーと同じようなステータスをしていたら、面白くないもんな。
こういうところで個性を出していくべきだよな。
個性で言ったら、特性というのがあるんだな。
これは、プレイヤーで言う、職業技みたいなことなのかな?
そうなると、名前を変えただけで、あまり変化はないのかもしれないな。
そうじゃないと良いな。
そっちの方が面白そうだし。
なーさんは、スカイバードとしては、通常の個体なんだな。
良かった。
2層にいたから、何か異常を抱えている個体なのかと思っていた。
通常が一番だよな。
まぁ、でも、異常は異常でも、体に害のないような異常、色が違うとか、他より強いとか層以上なら大歓迎だけどな。
大雑把に見るのはこれぐらいにして、数値を細かく見ていこう。
レベルは1なんだな。
いきなり鳥の状態で、卵から出てきたから、既になんレベルか成長しているものかと思っていたけど、レベル1と言うことは、ただただそういう生態の鳥だったと言うことなのかな。
まぁ、誰も最初はレベル1なのだから、レベル1であることはかまわないよ。
SPの合計、NPの合計は、それぞれ100ずつ。
これは初期のプレイヤーと変わらないな。
プレイヤーの場合は、その100ずつに、さらに職業バフが付いて、初期から数値が上乗せされてはいるけど、割り振る数値だけを考えると同じなんだな。
数値の中身を見ていこう。
SPはHPとMPに仲良く50ずつ振っている。
もしかして、なーさんは、魔法も行ける感じなのかな。
魔法メインの感じなのかな?
そうなってくると、俺となーさんで、後衛と後衛になっちゃうな。
バランスは悪いな。
まぁ、でも、なーさんには元々前衛を任せようとはしてなかったし、魔法タイプでもたいした違いはないか。
そもそも、鳥タイプのモンスターに前衛をやらせるイメージがないんだよな。
支援系とか魔法系とか偵察系とか、そっちの仕事のイメージが強い。
俺は、続いて、NPの方に注目した。
一番高いのが、AGIとDEXの25。
その次が、STRとINTの15。
一番低いのが、VITとMNDの10か。
これを見ると、魔法タイプと言うよりも、両刀タイプだな。
物理も魔法もやりますよと言うやる気を感じる。
両刀の中でも、スピードアタッカータイプだな。
耐久系が低くて、AGIが1番高いと言うことは、そういうことなんだろう。
器用な両刀高速アタッカータイプになるとみた。
これは、前衛かな。
それとも後衛かな。
とりあえず、盾的な前衛にはならないだろう。
あるとしたら、魔法メインで、補助で物理系の攻撃をする、後衛寄りの中衛か、物理メインで、サブに魔法を置く、前衛寄りの中衛だな。
まぁ、俺となーさんとのパーティーとなったら、相対的に前に出る、中衛のなーさんが前衛の役割をこなすことになる気がするな。
それって大丈夫なのかな。
この耐久を見ると心配になってくる。
まぁ、なーさんが前衛をやるとするなら、受ける系、タンク系の前衛と言うよりは、避ける系の前衛をやるんだろうな。
脳内での戦闘の組み立てはこれぐらいにして、他の部分を見ていこう。
特性は、分からないな。
後で、詳細を見ることにしよう。
とりあえず鳥に関連する特性っぽいことは、名前から分かる。
枠スキルや、称号は、プレイヤーと同じようにあるんだな。
でも、プレイヤーみたいに、初期から5つのスキルがもらえるみたいなことはないんだな。
なーさんはここからスキルを頑張って獲得していくことになるんだな。
頑張れなーさん。
称号の方も同じかな。
装備枠に関しては、プレイヤーとは違うんだな。
合計数的には、プレイヤーよりも少ないみたいだな。
これはプレイヤーが多いだけな気がするな。
俺も、使っていない装備枠がいっぱいあるもんな。
空腹値とか、疲労値もあるんだな。
ということは、一緒に食事をしたり、一緒に休憩をしたり出来ると言うことだな。
それは楽しみだな。
SP、NPも当然あるんだな。
共有能力は、復活(弱)なんだな。
これで、もし死んだとしても、どうにかして復活できるんだな。
これはありがたい。
安心できる。
細かく見終わったから、気になったところの詳細を見ていこう。
いや、その前に、なーさんに声をかけるか。
「良い能力をもらったな。すごいな」
「なぁ!」
こちらの言葉を理解しているのか、なーさんは、胸を張るような仕草をしながら、うれしそうに言った。
言葉を分かってくれているのかな。
そうだとしたら、すごく愛着がわくな。
なーさんの言動にほっこりしながら、つぶやいた。
「索敵」
うん、敵はまだいないみたいだな。
良かった。
これで、まだなーさんのことを見る時間ができる。
俺は、スカイバードという種族の詳細を見た。
スカイバード
レベル:1/20
補正:鳥補正、魔法補正、物理補正
レベルアップ時獲得:10SP、5NP ※レベルアップ時に自動割り振り
NP・SPアップ確率:HP,MP,STR,INT,12.5%・VIT,MND,25%・AGI,DEX,100%
装備枠:頭部、羽、足具、アクセサリー×2
初期特性:鳥の視界
特性変化:あり
モンスターの種族というのは、人のプレイヤーレベルと、職業をあわせたようなものなんだな。
モンスターは2つが合わさっているんだな。
スカイバードは、レベルアップ時のSP・NPに関しては、プレイヤーと同じように上がっていくんだな。
確率で上がる方は、プレイヤーは合計で100%なんだが、スカイバードは合計で300%みたいだな。
スカイバードの方が成長力が高いんだろうな。
この設定は、すごくモンスターっぽくて良いな。
装備枠とか特性とかも種族に、紐付いているんだな。
スカイバードには、魔法特性も物理特性もあるのか。
運営が両刀をしろと言っているようなものだな。
これは、将来に期待を持てそうだな。
そういえば、スカイバードには、スキルの合成・分解、ストレージと言った、プレイヤーが持っているようなものはないんだな。
これは、プレイヤー限定のものなのかな。
それとも、人間限定のものなのかな。
スキルの合成。分解がないと言うことは、スカイバードのスキルは合成できないと言うことかな。
まぁ、ここら辺は追々確認しておこう。
俺はまた、なーさんに話しかけた。
「なーさんは、スカイバードなんだな。飛ぶのが得意なのか?」
「なぁ、なぁ!」
そう言って、なーさんは、空を飛びだした。
俺の目の前で、小さく円を描くようにまわりながら飛ぶ。
きちんと飛んでいると心を見て、なーさんが鳥なんだという実感がわいてくる。
まんま鳥の見た目をしているのに、今まで俺はなーさんを鳥だと思っていなかったのか?
そのことに自分ながら驚く。
人と人、そう思って関わっていたような気がするな。
まぁ、でも、これからも関わり方を変えるつもりがないが。
一通り飛んだ後、再び肩の上にとまった。
そしてなーさんは、楽しそうに言った。
「なぁ」
俺は、楽しそうにしているなーさんを褒めた。
「すごいななーさん。自由に飛べるだなんて羨ましい」
なーさんは俺の言葉を聞いて誇らしそうに胸を張っている。
俺がそう思っているだけで、そういうわけではないのかもしれないけど、人の言葉を分かっているような行動が多いな。
まぁ、連携を取ることを考えたら、人の言葉をしゃべらないでも理解してくれたら、やりやすいもんな。
運営が、そういう設定をしているのかも知れないな。
それなら、コミュニケーションが楽しくなりそうだな。
俺はウキウキしながら、続いて、特性の鳥の視界の詳細を見た。
鳥の視界
高いところにいればいるほど、視界が広くなる。
鳥系のモンスターによく見られる特性。
探知系の技やスキルの効果範囲も広くなる。
便利な能力だな。
良いな。
良い能力だ。
なーさんが高く飛べば飛ぶほど、遠くを見通せると言うことだよな。
これは良い。
かなり俺達と相性が良い。
だけど、この特性を活用するときは、索敵の時だけかな。
これを使うときは、なーさんが上空に行ってしまうから、戦闘時とかに使ってしまうと、俺の前が空いてしまい、なーさんはなーさんで高所に行ったせいで戦闘に参加できなくなってしまう。
非戦闘時専用の特性だな。
でもとてもいい特性だ。
問題があるとすれば、なーさんが感知した敵を、どう俺に伝えるのかという問題がある。
「なぁ」だけでは、敵がいることまでは分かっても、敵の場所までは分からないからな。
そこら辺はどうしていこうかな。
何か良い解決方法ないものかな。
まぁ、今のところは欠陥はあるけどとてもいい特性だと言うことは分かった。
俺は、なーさんに声をかけた。
「なーさん、トリノしか行って良い特性だな。さすがなーさんだ」
「なぁ、なぁ!」
なーさんは、誇らしそうにうれしそうに言った。
褒められてうれしいんだろうな。
こんなうれしそうな反応をされたらいくらでも褒めたくなってしまうな。
俺はしみじみ言った。
「なーさんは偉いなぁ」
「なぁ」
褒めすぎたのか、少し恥ずかしそうな反応をしている。
何でここまで作り込んだんだろうな。
最高だ運営。
ありがとう運営。
俺は、なーさんから視線を外して、次は、復活(弱)の詳細を見た。
復活(弱)
プレイヤーにテイムされた、モンスターが獲得することの多い、共有能力。
死亡時、復活までにタイムラグが、10分ある。
このタイムラグは、死亡回数が増えるごとに、倍増していく。
2回目なら20分。
3回目なら40分。
そうやって増えていく。
死亡回数のリセットは、リアルタイムの週に1回行われる。
この世界で言うと、21日に1回リセットされる。
復活までタイムラグがある感じなのか。
良かった。
特定の素材が必要になりますとか、法外な金が必要になるとか、確率で復活しなくなるとか、確率で障害が残るとかそういうのじゃなくて良かった。
良かったけれど、回数のリセットは、こっちの時間で21日に1回か。
かなりシビアだな。
気軽に死ねるものではないな。
まぁ、そもそも、気軽に死なせたくはないけど。
とりあえず、これを持っていれば、また会えると思うとお守り以上の効果があるだろうな。
俺は、なーさんを膝の上に置いて、なーさんに声をかけた。
「これがあれば安心だな」
「なぁ?」
なーさんは首をかしげてそう言った。
これは、こっちの言葉が届いているで確定だろうな。
たまたまでこんな動作はしないもんな。
俺は、なーさんをなでながら言った。
「復活(弱)があれば、多少の無茶も出来そうだな」
「なぁ!」
なでられてうれしいのか、褒められてうれしいのか、とにかくなーさんはうれしそうに鳴いた。
なんか、こんだけこっちの半紙が分かるなら、そのうち、普通に話し出しそうな雰囲気があるんだなよな。
俺は、なーさんに聞いた。
「なーさんは冒険がしたいか?」
なーさんは頷きながら言った。
「なぁ!」
そうか。
冒険がしたいのか。
安全な場所でぬくぬく暮らしたい訳ではないんだな。
その言葉を聞いて、なんとなく、なーさんと一緒に冒険をしていく覚悟が固まった気がする。
俺は、にっこり笑顔でなーさんに言った。
「そうかそうか。冒険がしたいか。俺と同じだな」
「なぁ」
俺は、真剣な顔でなーさんに言った。
「じゃあ、まずは強くならないとな」
なーさんは力強く頷いた。
「なぁ!」
俺は、なーさんに諭すように、説明するように言った。
「いまのなーさんはレベル1、まだまだひよっこだ」
なーさんは小さく頷いた。
「なぁ」
俺は、なーさんに夢を語るテンションで言った。
「もう少し強くなったら、2人で3層とか、それより深いところとかに行こうな」
なーさんはうれしそうに頷いた。
「なぁ!」
俺はなーさんに聞く。
「じゃあ、とりあえず、特訓でもするか?」
なーさんは先ほどよりも大きく頷いた。
「なぁ!」
やる気に溢れているんだな。
これだけのやる気があったらすぐに強くなるだろうな。
そう思いながら言った。
「そうか、やる気いっぱいだな」
「なぁ!」
なーさんのやる気に応えるために俺は小声でぼそっとつぶやいた。
「索敵」
ちょうど、良い感じの距離にダンジョンボアがいるみたいだ。
こいつを、なーさんとの初めての狩りにつかおう。
俺は、ダンジョンボアの反応があった方を指し示しながら言った。
「あっちの方に敵がいるみたいだから、早速狩りに行くか」
「なぁ!」
なーさんは、そう言って飛んだ。
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───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件
夏見ナイ
SF
現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。
周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。
結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
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ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
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