キメラスキルオンライン

百々 五十六

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1章 スタートダッシュ

リアル2日目 深夜ログアウトから、朝ログインまで ※短め

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 視界が切り替わる。
 見慣れた、電源のきれたVRカプセルの内側。
 そこで目を覚ます。
 少しして、カプセルが開いた。
 仰向けになってVRカプセルの中にいた俺の視界には、自室の天井が映る。
 知っている天井だ。
 安心するな。
 そう思いながら、VRカプセルから体を起こした。
 時計が視界に入る。
 時計は、0時50分を指していた。
 もうそんな時間か。
 今から寝て3時間強となると、4時とかそのぐらいにおきれば良いのか。
 じゃあ、このまま寝るか。
 元々、部屋着だから、着替えとかもしなくていいか。
 お腹がすいている訳じゃないから、夜食とかも食べなくていいか。
 シャワーとかは、まぁいいか。
 今日一日、ほとんどキメラスキルオンラインの世界で過ごしたしな。
 それに、誰かに会うこともないから、匂いを気にする人もいないしな。
 それに、そういうことをして、睡眠時間を削られる方がキツいしな。
 普段は、2時間半から、4時間程度の睡眠時間だから、3時間強って、ちょうどなんだよな。
 さすがに、2時間台とかになると、眠気が残っちゃうから、余計なことはしたくないんだよな。
 よし、ささったと、布団に入って寝ちゃいますか。
 俺は、VRカプセルから体を起こして、軽く柔軟体操をした後、ベッドに移動した。
 そのまま俺は、夢の世界に入っていった。
 日中はVRのキメラスキルオンラインにいて、夜は寝て夢の世界に行く。
 1日で、ほとんど現実世界にいなかったな。
 そんなことを考えながら、眠りについた。






 ※夢の内容は割愛。見たい方は、次の話を見てください。






「何で?」

 そう言った瞬間に目を覚ました。
 夢の中での思いが強すぎて、現実の口が動いていたようだ。
 自分の声を聞いて、目覚めてしまったらしい。
 俺は、はぁっと息を吐く。
 夢か。
 夢というより走馬灯みたいだったな。
 はぁ、なんでまとめて思い出すんだよ。
 今じゃないだろ。
 せっかく気分よくゲームができるようになったというのに。
 せっかく精神が安定してきたところなのに。
 鼓動が早い。
 悪い記憶を思い出してしまったからだろう。
 はぁ、こんなに気分よくゲームをしていたというのに、急にこういう夢を見せてくるのは止めてくれよ。
 神様がいるとしたら、そいつは相当に性格が悪いんじゃないか?
 俺をこれだけ痛めつけて何が楽しいんだろうな。
 そんなことを考えながら、心と、勝手に反応してしまう体を落ち着かせるために深呼吸をした。
 吸って、吐いて、吸ってぇ、吐いてぇ、吸ってぇえ、吐いてぇえ、吸ってぇええ、吐いてぇええ。
 よし、なんとか落ち着いてきた。
 いつもに比べたら、まだ心臓の鼓動は早いし、血液がドクドクと流れているような感覚もある。
 悲しみも怒りも苦しみも、どれもまだ、ちょっとずつ漏れている。
 心のかさぶたはまだ出来ていないみたいだ。
 まぁ、今傷をえぐられたばかりだ。
 そう簡単にいくもんじゃない。
 それでも、とりあえず、それらの感情を心の表層から追い出すことは出来た。
 とりあえず、完全ではないけれど、今はこれで満足するとするか。
 前までなら、あんな夢を見たら、1日は暗くなって、そのあと3日はメンタルが不安定になっていたと思う。
 ただ、今回は、完全ではないけど、深呼吸1つで、心の表面からそいつらを追い出すことが出来た。
 これは、経過した時間のおかげかな、それとも、新たな楽しみであるキメラスキルオンラインを手に入れたおかげかな。
 どちらだとしても、俺も変化をしているんだな。
 この変化が進化か退化かは俺には分からないけど、あの時で立ち止まらず、変化が出来ているんだな。
 変わっていけている自分がいることに安心している自分がいる。
 そう思いながら、時計で時刻を確認した。
 4時過ぎを指していた。
 ログイン時間ジャストだ。
 いや、ログインにかかる時間を考えると、ほんの少しだけ遅かったかもしれないな。
 普通に、アラームをかけて寝ればよかったかな。
 俺は何を血迷ったのか、アラームをかけずに睡眠をしてしまった。
 俺は、翌日午前中に何か予定があったら、基本的にはアラームをかける派なのだが、今日は
何を思ったのかアームをかけずに寝てしまったな。
 これは、キメラスキルオンラインはゲームで娯楽だから、アラームとかで強制されておきるような予定ではないと思ったのかな。
 寝る前の俺が何を無意識に思い、アラームをかけていなかったのかは分からないけど、今は、パパッとログインすることが求められる。
 ふぅ、じゃあ、キメラスキルオンラインの世界に戻りますか。
 こんな夢のことは忘れて。
 俺は、ベッドから体を起こし、体をほぐした。
 次に飲み物を取りにキッチンへと向かう。
 軽く1,2杯映像この中の飲み物を飲んだ。
 それである程度のカロリーと、冷たいという刺激を得たことで、覚醒した感覚になった。
 そして、急いで部屋に戻ってくる。
 こうやって、リアルで動いている時間の、3倍の時間がゲームの中では流れているのだ。
 1分、1秒の短縮が、思ったよりも大きな、短縮につながる。
 俺は、そう思いながら、急いで、VRカプセルの中に入った。
 そして、キメラスキルオンラインを起動した。
 そして、視界が切り替わる。









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