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特別編 プロローグ(勇磨sideーアオハル)3
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「じゃ、工藤くんと木下さん、体力測定のカードをクラス分と競技表の作成をお願いします。見本はこれね。そんなに時間はかからないと思うからよろしくね」
担任が材料を置いて出て行った。
教室に頭のおかしい女と2人。
コイツが変な気を起こさないように不機嫌オーラを全開にした。
そういえばコイツ、木下って言うんだな。
まぁどうでもいいけど。
黙って仕事を始めた。
さっさと終わらせてボールを返しにいかないと。
「工藤くん」
身構えた。
「ねぇ、先にカードを作っちゃわない?
協力して作った方が効率的だよね。」
思わずまた見てしまった。
「は?効率的?
俺は木下さんと協力するつもりはない。
1人でやってくれ。」
何を言ってるんだ、コイツ。
早く終わらせたい?
いや、この状況を楽しんでいるんだろ。
それを白々しい。
そう言えば俺が協力するとでも思ったのか。
だけど、木下は俺を呆れたように見下した。
「いや。だから、協力した方が早いでしょって話なの。タラタラやりたいの?
早く帰りたいんじゃないの?」
本気でイラついているような口調だ。
なんだ、コイツ、なんで木下がイラつくんだ。
イライラしているのは俺の方だ。
「しつこいな。
そんな手に俺は乗らない。
いいか、たまたま隣の席で、たまたま同じ委員だからって俺に馴れ馴れしくするな。
うっとおしい」
言い切った。
これでもう、おとなしくなるだろう。
お前ごときが俺を振り回そうとするな。
思い切り睨みつけてやった。
が、木下はちょっと半笑いで俺を見た。
「あー中2病か」
は?なんだって?
中2病?
同情のような、でも人を小馬鹿にするような視線を俺に向けている。
「もう俺に話しかけんな」
それだけ言って後は無視した。
知らねーし。
俺は俺の仕事をして早く体育館に行きたいんだ。
俺の邪魔をするな。
結局、木下に絡まれたせいで体育委員の仕事は思うように進まず予定よりもだいぶかかった。
片付けて早く体育館に行かないと。
手早く支度をし席を立った。
「じゃあね、お疲れ様。工藤くん」
木下に声をかけられた。
さっきは俺を小馬鹿にしたくせに。
なんだ、ほんとわかんねぇ。
無視した。
早く行かないと。
教室の後ろの個人棚からバスケットボールを取り出してドアへ向かおうとした時だ。
ガタンと大きな音を立てて木下が立ち上がった。
「ねぇ、どうしたらそんな性格悪くなるわけ?
挨拶されたら返す、これ常識でしょ。
っていうか、普通に話せないわけ?」
イライラを隠さずに俺を睨んでいた。
分かった。
やっと分かったよ、木下。
お前の作戦はやっぱり、俺を怒らせたいって事なんだろ。
バカだな、お前。
「今度はそういう作戦か。
なるほどね。俺を怒らせる?
あんたさ、今までの奴の中で1番面倒くせぇーよ。興味ないフリならまだ分かる。
それでダメならケンカふっかける。
頭、おかしいんじゃねぇの」
そうだ、コイツの不気味さはこれだ。
俺に絡むくせに好意を隠そうとする。
目的がわからない。
好意を見せずに、ただのクラスメートとしての関わりをするから調子が狂う。
でも、もう終わりだ。
お前の作戦は分かったよ。
目の前の木下は明らかに動揺していた。
さっきまでの威勢はなくなり、俺を不安そうに見ている。
そりゃそうだ、作戦がバレたんだから。
追い討ちをかけた。
「どうした?今度は黙る作戦?
あ、それとも泣く作戦?
悪いけどそんなのにイチイチ俺は乗らない。」
もう、俺に構うな。
教室のドアを
わざと大きな音を立てて開けた。
「中2病なんだな」
背中で木下の声がした。
コイツ‥
でも今、振り返ったら負けな気がした。
そのまま教室を出て体育館に向かった。
担任が材料を置いて出て行った。
教室に頭のおかしい女と2人。
コイツが変な気を起こさないように不機嫌オーラを全開にした。
そういえばコイツ、木下って言うんだな。
まぁどうでもいいけど。
黙って仕事を始めた。
さっさと終わらせてボールを返しにいかないと。
「工藤くん」
身構えた。
「ねぇ、先にカードを作っちゃわない?
協力して作った方が効率的だよね。」
思わずまた見てしまった。
「は?効率的?
俺は木下さんと協力するつもりはない。
1人でやってくれ。」
何を言ってるんだ、コイツ。
早く終わらせたい?
いや、この状況を楽しんでいるんだろ。
それを白々しい。
そう言えば俺が協力するとでも思ったのか。
だけど、木下は俺を呆れたように見下した。
「いや。だから、協力した方が早いでしょって話なの。タラタラやりたいの?
早く帰りたいんじゃないの?」
本気でイラついているような口調だ。
なんだ、コイツ、なんで木下がイラつくんだ。
イライラしているのは俺の方だ。
「しつこいな。
そんな手に俺は乗らない。
いいか、たまたま隣の席で、たまたま同じ委員だからって俺に馴れ馴れしくするな。
うっとおしい」
言い切った。
これでもう、おとなしくなるだろう。
お前ごときが俺を振り回そうとするな。
思い切り睨みつけてやった。
が、木下はちょっと半笑いで俺を見た。
「あー中2病か」
は?なんだって?
中2病?
同情のような、でも人を小馬鹿にするような視線を俺に向けている。
「もう俺に話しかけんな」
それだけ言って後は無視した。
知らねーし。
俺は俺の仕事をして早く体育館に行きたいんだ。
俺の邪魔をするな。
結局、木下に絡まれたせいで体育委員の仕事は思うように進まず予定よりもだいぶかかった。
片付けて早く体育館に行かないと。
手早く支度をし席を立った。
「じゃあね、お疲れ様。工藤くん」
木下に声をかけられた。
さっきは俺を小馬鹿にしたくせに。
なんだ、ほんとわかんねぇ。
無視した。
早く行かないと。
教室の後ろの個人棚からバスケットボールを取り出してドアへ向かおうとした時だ。
ガタンと大きな音を立てて木下が立ち上がった。
「ねぇ、どうしたらそんな性格悪くなるわけ?
挨拶されたら返す、これ常識でしょ。
っていうか、普通に話せないわけ?」
イライラを隠さずに俺を睨んでいた。
分かった。
やっと分かったよ、木下。
お前の作戦はやっぱり、俺を怒らせたいって事なんだろ。
バカだな、お前。
「今度はそういう作戦か。
なるほどね。俺を怒らせる?
あんたさ、今までの奴の中で1番面倒くせぇーよ。興味ないフリならまだ分かる。
それでダメならケンカふっかける。
頭、おかしいんじゃねぇの」
そうだ、コイツの不気味さはこれだ。
俺に絡むくせに好意を隠そうとする。
目的がわからない。
好意を見せずに、ただのクラスメートとしての関わりをするから調子が狂う。
でも、もう終わりだ。
お前の作戦は分かったよ。
目の前の木下は明らかに動揺していた。
さっきまでの威勢はなくなり、俺を不安そうに見ている。
そりゃそうだ、作戦がバレたんだから。
追い討ちをかけた。
「どうした?今度は黙る作戦?
あ、それとも泣く作戦?
悪いけどそんなのにイチイチ俺は乗らない。」
もう、俺に構うな。
教室のドアを
わざと大きな音を立てて開けた。
「中2病なんだな」
背中で木下の声がした。
コイツ‥
でも今、振り返ったら負けな気がした。
そのまま教室を出て体育館に向かった。
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