光速のジャングラー ～ｅスポ部作ったからLoLやろうよ～

eスポーツ部誕生

36 チュートリアル21

　マスター・イーは順調に攻撃を続けた。２本目のタワーを破壊し、続けて３本目のタワーも破壊した。その間数回、敵チャンピオンが攻めてきたが、その度に撃退した。ミニオン、チャンピオンを倒し、タワーを破壊する事により、マスター・イーのレベルがどんどんと上がっていった。
　速人の攻撃を見ていた翔がつぶやいた。

「ＡＩと言っても同じパターンで攻撃を繰り返しとるなぁ」

「そうなんだ。この辺がＡＩの限界だね。人間相手なら、こんなに暴れまわっているチャンピオンがいたら、他のレーンからでも応援に駆け付け倒そうとするよ。このまま放置しておいたら相手の成長を助けてるみたいなものだから」

「確かにどんどん強くなって、敵とレベルの差がついとる。一体どこまでレベルアップするんや？」

「どのチャンピオンでも最大レベルは１８。このチュートリアルではそこまでいかないけどね。このマスター・イーはレベルアップによる成長が著しく、後半になればなるほど強くなっていく。逆に前半強いけど、後半あまり成長しないチャンピオンもいるから、チーム編成って大切なんだ」

「なるほどな。違うタイプのチャンピオンが補い合うって事か」

「その通り。真逆なタイプがペアになっている事が多いかな。それから、レーン事に向いているチャンピオンがいるんだ」

「ん？　どう言うことや。違うタイプのチャンピオンによるチーム編成は分かるが、レーンが決まるって意味が分からん」

「これはサッカーとかのフォーメーションと同じで、チームとしての作戦になるんだ。一般的にはトップに１名、ミッドに１名、ボット２名、ジャングルに１名の１－１－２－１のスタイルだよ」

「ん、なんでボットが２名なんだ？　トップやミッドじゃいかんのか？」

「ボットが２名体制っていうのは、ボット側のジャングルに、さっき見た『ドラゴン』がいるからなんだ。ドラゴンは３人いれば倒せる。ジャングラーの１名にボットの２名合われば３人になるでしょ。これがボットが２名だという理由だよ」

「ドラゴンを倒すために２名。なるほど、そういう理由なんや。納得やわ」

「それから、トップはライフや防御力が強いチャンピオンで、ミッドは機動力が高いチャンピオンがいいかな」

「それはどういう意味？」

「トップはミッドを進むのに比べ距離があるでしょ。だから一人で長時間戦えるチャンピオンが求められる。ミッドはいつでもトップやボットの応援に行けるよう機動力があるチャンピオンが求められるね」

「ＬｏＬは、しっかり戦略を持っとらんといかんのやな」

　翔は改めてＬｏＬの奥深さを知り、さらに興味が高まった。

「さて、いよいよインヒビターとネクサスだ。その前にお買い物」

　速人はマスター・イーをリコールさせ、『泉』へと戻った。