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eスポーツ部誕生
47 4人目の部員3
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手荷物と松葉杖を置き、ゆっくりと椅子に座った坂野が言った。
「まだ、ちゃんとした自己紹介してなかったな。俺は坂野秀徒。原田と安部とは同じ中学出身だ」
「じゃあ秀徒って呼んでいいか? 俺は多田野翔。翔と呼んでな」
「僕は秀徒君と呼ぶよ。僕の名は光田。光田速人だからね」
「私は今までどおり、坂野君と呼ぶね」
「速人と翔だな。よし覚えた。で、これから俺は何をすればいいんだ? 言っとくけど、俺はほとんどゲームやった事ないからな」
「大丈夫だよ。まずはチュートリアルやってゲームのルールを知ってもらうところから。翔君と真紀さんも、もう一度チュートリアルをやって」
速人は3人に指示を出すと、秀徒のためにLoLを起動した。
「またチュートリアルか。もう簡単にクリアできるようになったがね。そろそろ本番いこまい」
「まずはしっかりと基本的な事すべて頭にたたきこんでもらわないと。特にジャングルの配置。レーンは問題ないだろうけど、ジャングルの形状とモンスターの配置を覚えるのが大切なんだ」
「ジャングル? レーン? 何の事だ?」
秀徒は眉をしかめ、速人の方を見た。
「今から順番に教えるから待ってて。そうだ! 真理亜さんも一緒にやってみない? きっと楽しいと思うよ」
「私はパス。自分が興味持てない事にお付き合いするつもりは無いわ。どうぞ4人でゆっくりお楽しみくださいな」
真理亜はそう言うと、4人を後にいつもの席へと立ち去っていった。
「……。さあ、気を取り直して、そろそろ始めようか」
翔と真紀はLoLを起動し、チュートリアルをやり始めた。もう何度もやっているので、お手の物だ。
速人は秀徒のPCでチュートリアルを起動し、解説を加えながらやらせた。
秀徒はPCでのゲームは初めてで、キーボードの配置も知らない知らないほどだった。たどたどしいキー操作とマウス操作でチュートリアルを進めた。さすがに翔や真紀とは違い、かなりの苦戦となったが、チュートリアルを終えるころにはマウス操作も様になってきた。
「どうだった? 難しかった?」
速人は秀徒に対して恐る恐る感想を聞いた。これで『俺には無理』と拒絶されたら、折角の4人目のメンバーがいなくなってします。祈るような気持ちで返事をまった。
「俺が思っていたより、ルールも複雑だし、操作も難しいな」
「やってけそう?」
「俺な、ひと一倍、負けず嫌いなんだ。今は部員の中で最下位かもしれないが、直ぐに追いついてやるぜ」
「それじゃ、eスポーツ部に入部してくれるんだね?」
「最初からそのつもりだ。頼むぜ先輩」
速人は一安心した。これで4人目は確定だ。あと一人、たったあと一人勧誘できればいいのだ。
しかし、その一人が重くのしかかっていた。
部員勧誘のために速人は昨日から作戦を練っていた。秀徒が部員になった以上一日も早く正式な部活にしなければならない。思い切って作戦を実行に移す事にした。
「まだ、ちゃんとした自己紹介してなかったな。俺は坂野秀徒。原田と安部とは同じ中学出身だ」
「じゃあ秀徒って呼んでいいか? 俺は多田野翔。翔と呼んでな」
「僕は秀徒君と呼ぶよ。僕の名は光田。光田速人だからね」
「私は今までどおり、坂野君と呼ぶね」
「速人と翔だな。よし覚えた。で、これから俺は何をすればいいんだ? 言っとくけど、俺はほとんどゲームやった事ないからな」
「大丈夫だよ。まずはチュートリアルやってゲームのルールを知ってもらうところから。翔君と真紀さんも、もう一度チュートリアルをやって」
速人は3人に指示を出すと、秀徒のためにLoLを起動した。
「またチュートリアルか。もう簡単にクリアできるようになったがね。そろそろ本番いこまい」
「まずはしっかりと基本的な事すべて頭にたたきこんでもらわないと。特にジャングルの配置。レーンは問題ないだろうけど、ジャングルの形状とモンスターの配置を覚えるのが大切なんだ」
「ジャングル? レーン? 何の事だ?」
秀徒は眉をしかめ、速人の方を見た。
「今から順番に教えるから待ってて。そうだ! 真理亜さんも一緒にやってみない? きっと楽しいと思うよ」
「私はパス。自分が興味持てない事にお付き合いするつもりは無いわ。どうぞ4人でゆっくりお楽しみくださいな」
真理亜はそう言うと、4人を後にいつもの席へと立ち去っていった。
「……。さあ、気を取り直して、そろそろ始めようか」
翔と真紀はLoLを起動し、チュートリアルをやり始めた。もう何度もやっているので、お手の物だ。
速人は秀徒のPCでチュートリアルを起動し、解説を加えながらやらせた。
秀徒はPCでのゲームは初めてで、キーボードの配置も知らない知らないほどだった。たどたどしいキー操作とマウス操作でチュートリアルを進めた。さすがに翔や真紀とは違い、かなりの苦戦となったが、チュートリアルを終えるころにはマウス操作も様になってきた。
「どうだった? 難しかった?」
速人は秀徒に対して恐る恐る感想を聞いた。これで『俺には無理』と拒絶されたら、折角の4人目のメンバーがいなくなってします。祈るような気持ちで返事をまった。
「俺が思っていたより、ルールも複雑だし、操作も難しいな」
「やってけそう?」
「俺な、ひと一倍、負けず嫌いなんだ。今は部員の中で最下位かもしれないが、直ぐに追いついてやるぜ」
「それじゃ、eスポーツ部に入部してくれるんだね?」
「最初からそのつもりだ。頼むぜ先輩」
速人は一安心した。これで4人目は確定だ。あと一人、たったあと一人勧誘できればいいのだ。
しかし、その一人が重くのしかかっていた。
部員勧誘のために速人は昨日から作戦を練っていた。秀徒が部員になった以上一日も早く正式な部活にしなければならない。思い切って作戦を実行に移す事にした。
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