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eスポーツ部誕生
50 勧誘作戦3
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真理亜はネットで説明を読むだけじゃゲームそのものの理解が難しいと感じ、実際に試してみるしかないと思った。
LoLのシステムをインストールするとすぐに起動してみた。
「さすがに世界的にヒットしているゲームだわ。グラフィックも奇麗だしUIもしっかり作り込んである。とりあえずチュートリアルを進めてみようかしら」
真理亜はそう呟いて、チュートリアルを進めていった。
速人にのせられて渋々調べ始めたLoLだったが、深く知るにしたがって、しだいにその世界観、ゲームシステムに対して興味を持つようになっていった。
「ヤバイ、このゲーム。めちゃくちゃ楽しい」
真理亜は頬を紅潮させ笑顔で言った。はたから見たらまるでエッチな動画をこっそり見る思春期の少年のようなリアクションだった。
「光田達が入れ込んでいる理由が少し分かってきた。
まだチュートリアルが終わっただけなのにゲーム性や戦略性が優れているのが感じられるわ。
それに敵のAIも本当によくできていると思う。150種類のチャンピオンがそれぞれ違うスキルなのにそれに合わせた攻撃をするし、アイテムを適切なものを購入しているように思える。そのうえ闇雲に攻撃するだけでなく、引くときは引いていて、まるで人が操作しているような感覚。今の私には作る事ができないほど完成度の高いAIだわ。一体どんなアルゴリズムなんだろう?
本当に優秀なプログラマはマイクロソフトやGoogleじゃなくって、ゲーム企業に居るって聞いたことがある。その時は、そんな馬鹿な事はないだろうと思っていたんだけど、あながち嘘じゃないかも……。
これだけすごいシステムだから、とてもじゃないけど土日の2日間だけでキャラクターごとに最適な武器の組み合わせなど見つけるのは無理そう。LoL攻略に関する情報はネットにないかしら?」
真理亜はそう言うと一旦LoLを中断すると、ブラウザを立ち上げ検索を開始した。しばらく検索を続けていると、ある一つのサイトを見つけた。
「こ、これは……」
――――――――――――――――
月曜日の放課後。
PC実習室にeスポーツ部の4名が集合していた。そこへ真理亜が現れ、速人の前までやってきて険しい顔をして言った。
「光田、私にいっぱい食わせたわね」
「えっ? 何のこと?」
速人はとぼけた感じで聞き返した。
「あなた私にチャンピオンごとの最適な武器を調べてほしいって言ったわよね?」
「うん、そうだけど。それが何か?」
「それが何かじゃないわよ。私は一生懸命LoLについて調べていたんだけど、『op.gg』ってサイト見ればチャンピオンごとにお勧めのアイテムやサモナースキルが分かるじゃないの」
「さすがだね。すぐに『op.gg』を見つける事ができたの? あのサイトすごいよね。人気チャンピオンやお勧めのアイテムビルド(アイテムの組み合わせ)などがすぐに分かるから」
「ほら、やっぱり知ってた。私を試したのね」
「こうでもしなければ、LoLを知ろうともしなかったからね。で、LoLはどうだった?」
「どうって、それはその……」
真理亜は顔を赤くしてうつむいた。
「興味持ったんでしょ? 真理亜さんなら絶対そうなると思ってた」
「あーん、そうよ。興味持ちました。ついでに徹夜でプレイしちゃいました」
「えっ!? 徹夜でやったの? そりゃすごい!」
「私は一つの事にのめり込むタイプなの」
「僕達がLoLにのめり込んでいる理由が分かったでしょ?」
「まぁ、多少は……」
「じゃあ、僕たちを助けると思って名前だけでも貸してくれないかな?」
「あっ、それは駄目」
「えぇー」
想定外の答えが返ってきて、速人はがっくりと肩を落とした。
「名前を貸すだけじゃなく、ちゃんとLoLやらせなさいよ」
「じゃあ、eスポーツ部には?」
「入ってあげるわ。ただし、電算部も続けるわよ」
「全然かまわない。大歓迎するよ」
こうしてeスポーツ部は活動に必要な5名の部員を確保し、正式な部活として認められる事となった。
LoLのシステムをインストールするとすぐに起動してみた。
「さすがに世界的にヒットしているゲームだわ。グラフィックも奇麗だしUIもしっかり作り込んである。とりあえずチュートリアルを進めてみようかしら」
真理亜はそう呟いて、チュートリアルを進めていった。
速人にのせられて渋々調べ始めたLoLだったが、深く知るにしたがって、しだいにその世界観、ゲームシステムに対して興味を持つようになっていった。
「ヤバイ、このゲーム。めちゃくちゃ楽しい」
真理亜は頬を紅潮させ笑顔で言った。はたから見たらまるでエッチな動画をこっそり見る思春期の少年のようなリアクションだった。
「光田達が入れ込んでいる理由が少し分かってきた。
まだチュートリアルが終わっただけなのにゲーム性や戦略性が優れているのが感じられるわ。
それに敵のAIも本当によくできていると思う。150種類のチャンピオンがそれぞれ違うスキルなのにそれに合わせた攻撃をするし、アイテムを適切なものを購入しているように思える。そのうえ闇雲に攻撃するだけでなく、引くときは引いていて、まるで人が操作しているような感覚。今の私には作る事ができないほど完成度の高いAIだわ。一体どんなアルゴリズムなんだろう?
本当に優秀なプログラマはマイクロソフトやGoogleじゃなくって、ゲーム企業に居るって聞いたことがある。その時は、そんな馬鹿な事はないだろうと思っていたんだけど、あながち嘘じゃないかも……。
これだけすごいシステムだから、とてもじゃないけど土日の2日間だけでキャラクターごとに最適な武器の組み合わせなど見つけるのは無理そう。LoL攻略に関する情報はネットにないかしら?」
真理亜はそう言うと一旦LoLを中断すると、ブラウザを立ち上げ検索を開始した。しばらく検索を続けていると、ある一つのサイトを見つけた。
「こ、これは……」
――――――――――――――――
月曜日の放課後。
PC実習室にeスポーツ部の4名が集合していた。そこへ真理亜が現れ、速人の前までやってきて険しい顔をして言った。
「光田、私にいっぱい食わせたわね」
「えっ? 何のこと?」
速人はとぼけた感じで聞き返した。
「あなた私にチャンピオンごとの最適な武器を調べてほしいって言ったわよね?」
「うん、そうだけど。それが何か?」
「それが何かじゃないわよ。私は一生懸命LoLについて調べていたんだけど、『op.gg』ってサイト見ればチャンピオンごとにお勧めのアイテムやサモナースキルが分かるじゃないの」
「さすがだね。すぐに『op.gg』を見つける事ができたの? あのサイトすごいよね。人気チャンピオンやお勧めのアイテムビルド(アイテムの組み合わせ)などがすぐに分かるから」
「ほら、やっぱり知ってた。私を試したのね」
「こうでもしなければ、LoLを知ろうともしなかったからね。で、LoLはどうだった?」
「どうって、それはその……」
真理亜は顔を赤くしてうつむいた。
「興味持ったんでしょ? 真理亜さんなら絶対そうなると思ってた」
「あーん、そうよ。興味持ちました。ついでに徹夜でプレイしちゃいました」
「えっ!? 徹夜でやったの? そりゃすごい!」
「私は一つの事にのめり込むタイプなの」
「僕達がLoLにのめり込んでいる理由が分かったでしょ?」
「まぁ、多少は……」
「じゃあ、僕たちを助けると思って名前だけでも貸してくれないかな?」
「あっ、それは駄目」
「えぇー」
想定外の答えが返ってきて、速人はがっくりと肩を落とした。
「名前を貸すだけじゃなく、ちゃんとLoLやらせなさいよ」
「じゃあ、eスポーツ部には?」
「入ってあげるわ。ただし、電算部も続けるわよ」
「全然かまわない。大歓迎するよ」
こうしてeスポーツ部は活動に必要な5名の部員を確保し、正式な部活として認められる事となった。
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