カゴの中のツバサ

九十九光

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#2-1

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 星ヶ丘の駅の近くにある、全国チェーンのファミリーレストランの禁煙席の一つ。そこでツバサとカナコは、向かい合う形で座っていた。
「へえ……。じゃあツバサ君、いつも一人で帰ってるの?」
「はい……。一年生の時から……、ずっと……。」
 お互いに簡単な自己紹介をした後、ツバサは緊張しながら、自分の今までの生活をカナコに説明していた。 
「悩んでることでもあるの? よかったら、一緒にご飯食べながら話聞かせてよ。」と言ったのはカナコだった。
 ツバサは、『一緒に』と言われたこと自体、生まれて初めての経験のように感じていた。知らない人について行ってはいけないの理論で断ってしまえばいいのだが、実際にこういう場面に出くわしたらどのように返せばいいのか、彼は分からなくなっていた。
 あまり頼りたくなかったが、ツバサは母親にスマートフォンからLINEを使って相談してみた。突然自分に起こった不可思議な出来事に関して説明をして、『どうしたらいい』と、判断をゆだねることにした。
 そして案の定、このSOSは既読をつけられただけで、特に文章やスタンプを使った返答は帰ってこなかった。「OKってことじゃないのかな?」とカナコに言われ、現在に至るという次第である。
「それにしても、酷いお母さんだよね……。まるでツバサ君の凄さを自分の凄さみたいに考えてるみたいで。」
「そう……、ですか……。」
「そうだよ。もう典型的な、子供を自分の所有物だと考えてるダメな大人。光る宇宙って書いてピカチュウとか、黄色い熊って書いてプウとか、恥ずかしいキラキラネームつける人と同類。」
 通路側の椅子に座っているカナコの発言は、ツバサや周囲のほかの客たちに気を使った、オブラートに包んだ遠回しな言い方ではなかった。それも、相当自分のしゃべりの世界に入り込んでいるらしく、店員が注文されたハンバーグセットを持ってきても、夢中になってすぐに気がつかなかったほどである。
 だがツバサは、その明るいトーンで発せられる言葉が、すべて自分に寄り添った内容だと、うっすらとだが感じとっていた。
「大人はみんな、ツバサ君の凄さをちゃんと理解してない。A学院小行けるほど勉強もでき
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