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♯11ー3
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「もしかして……、一組も全然生徒いないんですか!?」
「全然どころじゃないよ! 一人もいない! あれでしょ! この間先生が報告してきた、内田庵の学校行かなくていい発言が学年全体に広がったんでしょ!」
天草先生はこの状況になってもよくしゃべる。私が頭の中で思い描いていた事件の真相をきれいに肉声にした。
「どうしたんです、皆さん? 生徒が全然とか……」
そこに職員室から出てきたばかりの新貝先生が、微妙に顔に緊張感をにじませながら現れた。何に使うのか知らないが、右の小脇に巨大な紙の巻物を抱えており、どうやらこれの準備で廊下に出るのが遅れたらしい。
廊下に出てきた深沢先生は彼に、四組と一組で起きた事件を説明した。当然新貝先生は早足で自分の教室に向かい、中の様子を確認した。
「おい、これどういうことだ! 来てない奴らどこにいる!」
どれくらいの規模かは知らないが、四組と同じ惨劇が起きているのは確かだ。
こうなると気になるのは、私が担当する二組の状況だ。私も新貝先生と同じ早歩きで自分の教室へと向かった。
当たり前と言えばそこまでだが、この時の私の中には恐ろしさがあった。自分のクラスで始まった生徒のストライキ活動が、ついにほかのクラスにまで伝染する事態になったのだ。なんの責任も感じないわけがない。
そして案の定、二組もほかの三クラス動揺、壊滅的な被害を出していた。
内田平治以外誰もいなかったのだ。当然、二十八人の生徒の欠席理由は、予想はできるが聞かされてはいない。下品な落書きで埋め尽くされていた後方の黒板は、以前小林先生がきれいにしたことによって何も書き込まれていない。日直の生徒がいないため、必然的に前の黒板の端に書かれるはずの日付の欄も空白だ。
「先生、よそのクラスもこんな感じなんですか? こっちまで聞こえてましたけど」
そんな一人だけの教室で、窓際後方の席に一人座る内田が、初めて会った日とまったく同じ無表情で質問してくる。私は一言、「ああ、そうだよ」とぶっきらぼうに答えた。
当然のことなのだが、学年全体でわずか五人という廃校寸前の小中一貫の公立学校のような出席数を受けて、私たちは急きょテストを中断して各生徒の自宅への確認作業を始めた。当然答えは、「普通に学校行きましたよ?」だった。完全に二組で起きた事件の模倣である。
「全然どころじゃないよ! 一人もいない! あれでしょ! この間先生が報告してきた、内田庵の学校行かなくていい発言が学年全体に広がったんでしょ!」
天草先生はこの状況になってもよくしゃべる。私が頭の中で思い描いていた事件の真相をきれいに肉声にした。
「どうしたんです、皆さん? 生徒が全然とか……」
そこに職員室から出てきたばかりの新貝先生が、微妙に顔に緊張感をにじませながら現れた。何に使うのか知らないが、右の小脇に巨大な紙の巻物を抱えており、どうやらこれの準備で廊下に出るのが遅れたらしい。
廊下に出てきた深沢先生は彼に、四組と一組で起きた事件を説明した。当然新貝先生は早足で自分の教室に向かい、中の様子を確認した。
「おい、これどういうことだ! 来てない奴らどこにいる!」
どれくらいの規模かは知らないが、四組と同じ惨劇が起きているのは確かだ。
こうなると気になるのは、私が担当する二組の状況だ。私も新貝先生と同じ早歩きで自分の教室へと向かった。
当たり前と言えばそこまでだが、この時の私の中には恐ろしさがあった。自分のクラスで始まった生徒のストライキ活動が、ついにほかのクラスにまで伝染する事態になったのだ。なんの責任も感じないわけがない。
そして案の定、二組もほかの三クラス動揺、壊滅的な被害を出していた。
内田平治以外誰もいなかったのだ。当然、二十八人の生徒の欠席理由は、予想はできるが聞かされてはいない。下品な落書きで埋め尽くされていた後方の黒板は、以前小林先生がきれいにしたことによって何も書き込まれていない。日直の生徒がいないため、必然的に前の黒板の端に書かれるはずの日付の欄も空白だ。
「先生、よそのクラスもこんな感じなんですか? こっちまで聞こえてましたけど」
そんな一人だけの教室で、窓際後方の席に一人座る内田が、初めて会った日とまったく同じ無表情で質問してくる。私は一言、「ああ、そうだよ」とぶっきらぼうに答えた。
当然のことなのだが、学年全体でわずか五人という廃校寸前の小中一貫の公立学校のような出席数を受けて、私たちは急きょテストを中断して各生徒の自宅への確認作業を始めた。当然答えは、「普通に学校行きましたよ?」だった。完全に二組で起きた事件の模倣である。
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