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第一章 護衛艦フワデラ
第13話 拠点
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暫くの間、このリーコス村に我々の拠点を構えたいとヴィルミアーシェさんに相談したところ、彼女を始め村人全員が我々の滞在を快く受け入れてくれた。
現在は乗組員たちを入れ替えで上陸させ、休息を兼ねて村人たちとの交流を進めている。
村人を通してこの世界について色々と学ぶことが第一の目的だ。
なので……
「いやぁ、ヴィルミアーシェさんに抱っこしてもらって申し訳ないですなぁ!」
そういって私はヴィルミアーシェさんのおっぱいをぽふぽふと押さえ……揉みながら感謝の言葉を述べた。
「いえ、艦長さんは軽いですので全然負担にもなりません。とてもお可愛いですし、ずっとこうして抱いていたいくらいですわ」
「そう言っていただけるとありがたいです」
ヴィルミアーシェさんが頬ずりしてくれたので、私も頬ずりでお返しする。
私はヴィルミアーシェさんのうなじに顔をうずめてスーハー深呼吸をした。ヴィルミアーシェさんからは平野副長や不破寺さんとはまた違う良い匂いがするのだ。
あえて例えるなら猫の肉球のような香りがする。
スーハー、スーハー、うーん幸せの香りがする。
「報告……奥様に」
突然、インカムに平野副長の声が響いた。
「うひぃ!? カメラ切ってたのに!?」
目の前にフワーデ(映像)が出現する。
「ワタシが映像を送ってるの! 平野が艦長が心配だから常に監視しろって!」
「監視!?」
「はい。やはりそれで正解だったようですね」
私はフワーデにクレームを入れようとした自分の口を慌てて塞いだ。
ここでフワーデに文句を言っているところを平野副長に見せてしまっては、私の心にやましいものがあったことがモロバレ……認めてしまうことになる。
あっ、いや、やましい心なんてない!
ないけども、ほら、平野副長に誤解を与えるようなマネは上官として避けないと。
ねっ!
平野副長にはそんな私の目論見がお見通しだったようだ。
「後でフワーデに黙っておくよう言い含めるつもりかもしれませんが、そのことが発覚した場合は……おわかりですね?」
「は、はい……すみませんでした」
私はヴィルミアーシェさんに地面に降ろしてもらって、フワーデの前で土下座した。
「ちなみに……」
平野副長はまだ説教を続けるようだ。
「フワーデが村の人に聞いたところによると、白狼族というのは恋人や結婚相手に対する独占欲がとても強いそうですよ」
「は、はぁ……そ、それが?」
「白狼族の女性が夫の浮気相手を爪で引き裂いたとか、恋人に手を出した相手を……」
「あ、相手を?」
「グロ耐性のない私にはとても口にすることができません」
「な、なんだ! 教えてくれ! 気になるだろ!」
「無理です。ただもし……」
平野副長が長い間を置く。
「その白狼族の女性に恋人がいたとして、艦長の行いを彼女のお相手が知ったとしたら?」
フワーデが私の目の前に降りてきて、平野副長の言葉を受け継いだ。
「ヴィルミアーシェさんのおっぱいを揉み揉みしている幼女が、実は妻子持ちのおっさんだって知ったら、一体どうなっちゃうんだろうね!?」
「うひぃぃぃぃぃ! ご、ごめんなさいぃぃ! もうしませんすいませんもうしません!」
この場で一番偉いはずの幼女(私)が地面に額を擦り付けて土下座謝罪していた。
村の子どもたちが寄ってきて幼女(私)の身体をツンツンと突き始める。
「ねぇねぇ、どうしたの? お腹痛いの?」ツンツン
「ねぇ、この娘どうしたの? 泣いてるよ!」ツンツン
「ねぇねぇ、大丈夫?」ツンツンツンツン
「こらっ! 村の恩人になんてことするの! あっちのテントでおいしいごはんがもらえるから、みんなそっちに行って!」
ヴィルミアーシェさんが子どもたちを叱る。
「「「はぁー-い!」」」
子どもたちが去った後も私は土下座を続けていた。
「あの……タカツさま? そろそろ打ち合わせに向いませんか?」
そう言って私を抱き上げようとするヴィルミアーシェさんの手を丁寧に断って、私は自分で歩いて会議用のテントへ向かった。
もうヴィルミアーシェさんの胸を揉むのは止そう。
私的には今年一番の立派な決断をしたと思う。
~ 会議テント ~
テントの中には、坂上大尉と南大尉、黒淵補給長と橋本船務長、そして白狼族の男性と老人がいた。
「お待たせしました」
私が席につくと、まず白狼族の老人が海賊から村を守ってくれたことについての感謝の言葉を述べ、続いて白狼族の男性とヴィルミアーシェさんも改めて感謝の礼を執ってくれた。
その後に乗組員《クルー》から現状報告が始まった。
「物資についての交換リストはこちらになります。これで水と食料の供給については心配はなくなりました」
黒淵補給長の報告で私の中で大きな悩みがひとつ解消された。
「それで艦長、フワーデの魔力の件なのですが……」
補給長が白狼族の男性に視線を送ると、男性がテーブルの上に大きな石を置いた。人の頭ほどの大きさで、うっすらと緑色に発行しているように見える。
「これは?」
私が尋ねるとヴィルミアーシェさんが教えてくれた。
「これは魔鉱石と呼ばれています。魔力を蓄積した石で、主に魔法動力や光源に利用されているものです。魔術師が魔力の補強に使うこともありますわ」
「つまりこれって……」
フワーデがテーブルの中央から飛び出してきた。
「あっ、これ! これよ! 魔力がいっぱい入ってる! これがあれば燃料とかにたくさん交換できちゃうから!」
「マジか!?」
「マジダヨー!」
やった! これで補給問題はほぼ解決だ!
自分で思っていた以上に心配していたらしい。
全身から力が抜けた私は椅子から転げ落ちてしまった。
現在は乗組員たちを入れ替えで上陸させ、休息を兼ねて村人たちとの交流を進めている。
村人を通してこの世界について色々と学ぶことが第一の目的だ。
なので……
「いやぁ、ヴィルミアーシェさんに抱っこしてもらって申し訳ないですなぁ!」
そういって私はヴィルミアーシェさんのおっぱいをぽふぽふと押さえ……揉みながら感謝の言葉を述べた。
「いえ、艦長さんは軽いですので全然負担にもなりません。とてもお可愛いですし、ずっとこうして抱いていたいくらいですわ」
「そう言っていただけるとありがたいです」
ヴィルミアーシェさんが頬ずりしてくれたので、私も頬ずりでお返しする。
私はヴィルミアーシェさんのうなじに顔をうずめてスーハー深呼吸をした。ヴィルミアーシェさんからは平野副長や不破寺さんとはまた違う良い匂いがするのだ。
あえて例えるなら猫の肉球のような香りがする。
スーハー、スーハー、うーん幸せの香りがする。
「報告……奥様に」
突然、インカムに平野副長の声が響いた。
「うひぃ!? カメラ切ってたのに!?」
目の前にフワーデ(映像)が出現する。
「ワタシが映像を送ってるの! 平野が艦長が心配だから常に監視しろって!」
「監視!?」
「はい。やはりそれで正解だったようですね」
私はフワーデにクレームを入れようとした自分の口を慌てて塞いだ。
ここでフワーデに文句を言っているところを平野副長に見せてしまっては、私の心にやましいものがあったことがモロバレ……認めてしまうことになる。
あっ、いや、やましい心なんてない!
ないけども、ほら、平野副長に誤解を与えるようなマネは上官として避けないと。
ねっ!
平野副長にはそんな私の目論見がお見通しだったようだ。
「後でフワーデに黙っておくよう言い含めるつもりかもしれませんが、そのことが発覚した場合は……おわかりですね?」
「は、はい……すみませんでした」
私はヴィルミアーシェさんに地面に降ろしてもらって、フワーデの前で土下座した。
「ちなみに……」
平野副長はまだ説教を続けるようだ。
「フワーデが村の人に聞いたところによると、白狼族というのは恋人や結婚相手に対する独占欲がとても強いそうですよ」
「は、はぁ……そ、それが?」
「白狼族の女性が夫の浮気相手を爪で引き裂いたとか、恋人に手を出した相手を……」
「あ、相手を?」
「グロ耐性のない私にはとても口にすることができません」
「な、なんだ! 教えてくれ! 気になるだろ!」
「無理です。ただもし……」
平野副長が長い間を置く。
「その白狼族の女性に恋人がいたとして、艦長の行いを彼女のお相手が知ったとしたら?」
フワーデが私の目の前に降りてきて、平野副長の言葉を受け継いだ。
「ヴィルミアーシェさんのおっぱいを揉み揉みしている幼女が、実は妻子持ちのおっさんだって知ったら、一体どうなっちゃうんだろうね!?」
「うひぃぃぃぃぃ! ご、ごめんなさいぃぃ! もうしませんすいませんもうしません!」
この場で一番偉いはずの幼女(私)が地面に額を擦り付けて土下座謝罪していた。
村の子どもたちが寄ってきて幼女(私)の身体をツンツンと突き始める。
「ねぇねぇ、どうしたの? お腹痛いの?」ツンツン
「ねぇ、この娘どうしたの? 泣いてるよ!」ツンツン
「ねぇねぇ、大丈夫?」ツンツンツンツン
「こらっ! 村の恩人になんてことするの! あっちのテントでおいしいごはんがもらえるから、みんなそっちに行って!」
ヴィルミアーシェさんが子どもたちを叱る。
「「「はぁー-い!」」」
子どもたちが去った後も私は土下座を続けていた。
「あの……タカツさま? そろそろ打ち合わせに向いませんか?」
そう言って私を抱き上げようとするヴィルミアーシェさんの手を丁寧に断って、私は自分で歩いて会議用のテントへ向かった。
もうヴィルミアーシェさんの胸を揉むのは止そう。
私的には今年一番の立派な決断をしたと思う。
~ 会議テント ~
テントの中には、坂上大尉と南大尉、黒淵補給長と橋本船務長、そして白狼族の男性と老人がいた。
「お待たせしました」
私が席につくと、まず白狼族の老人が海賊から村を守ってくれたことについての感謝の言葉を述べ、続いて白狼族の男性とヴィルミアーシェさんも改めて感謝の礼を執ってくれた。
その後に乗組員《クルー》から現状報告が始まった。
「物資についての交換リストはこちらになります。これで水と食料の供給については心配はなくなりました」
黒淵補給長の報告で私の中で大きな悩みがひとつ解消された。
「それで艦長、フワーデの魔力の件なのですが……」
補給長が白狼族の男性に視線を送ると、男性がテーブルの上に大きな石を置いた。人の頭ほどの大きさで、うっすらと緑色に発行しているように見える。
「これは?」
私が尋ねるとヴィルミアーシェさんが教えてくれた。
「これは魔鉱石と呼ばれています。魔力を蓄積した石で、主に魔法動力や光源に利用されているものです。魔術師が魔力の補強に使うこともありますわ」
「つまりこれって……」
フワーデがテーブルの中央から飛び出してきた。
「あっ、これ! これよ! 魔力がいっぱい入ってる! これがあれば燃料とかにたくさん交換できちゃうから!」
「マジか!?」
「マジダヨー!」
やった! これで補給問題はほぼ解決だ!
自分で思っていた以上に心配していたらしい。
全身から力が抜けた私は椅子から転げ落ちてしまった。
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