ベスティエン ――強面巨漢×美少女の〝美女と野獣〟な青春恋愛物語

熒閂

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#03: The flawless guy

Full of the foolish

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 翌日。相模サガミ道場には、ふたりの来客があった。
 来客者は随分と久し振りに顔を見せた虎宗タケムネ大志朗タイシローだった。
 ズバァンッ!
 ダァンッ、ズバァンッ!
 ドォンッ、ズダァンッ!
 虎宗がサンドバッグを撲つ音と力強い踏みこみの音が、道場に響き渡った。
 禮の父にして虎宗と大志朗の師――――相模攘之内[サガミジョーノウチ]は、道場の一番上座に胡座を掻いて座していた。
 大志朗は緊張した面持ちで師の隣に立っていた。

「相変わらず拳も蹴りもキレがある。久々にサンドバッグ叩いとるとは思えへん」

 攘之内は、逞しい虎宗の背中を品定めするように眺めて満足げに笑った。

「せやけどトラにしちゃあ荒れとるみたいやな。何かあったかァ、シロ」

「最近、上手くいかんことが重なってしもて……少しイライラしとるだけです」

 大志朗は攘之内のほうへ顔を向けず答えた。
 攘之内は、そうか、とだけ返した。
 それから、再び虎宗の生み出す音に耳を澄ました。
 叩きこむリズムも息継ぎをするテンポも無茶苦茶な、ただがむしゃらに打ち鳴らされる乾いた旋律。これがマトモな稽古中ならば注意のひとつもしようが、今この時攘之内はただ虎宗の好きにさせた。
 どうしようもなくムシャクシャして、処理が追いつかないほどムシャクシャして、自分ひとりでどうにかしようと躍起になって至った行為なら、それも構わない。寸分の狂いなく打ち出される拳は美しいが、荒々しく猛々しく棍棒を振り回すような拳もまた悪くない。
 憤怒であれ鬱積であれ執心であれ、感情が宿った拳には引きこまれる。まるで岩塊と化した拳が衝突し、宿ったものが発散される刹那に生じる乱雑な旋律。それが攘之内には心地よかった。

「オマエらが寮に入って二年か。盆暮れ正月もよう帰ってこんかったくせに、突然ふたり揃って帰ってきたのは何でや」

 攘之内は視線を虎宗へと固定したままで大志朗に尋ねた。
 大志朗は内心ギクッとしたが、それを表情に出さないように努める。

「連絡もせんと急にすんまへん。あかんかったですか」

「否、あかんことはあれへん。せやけど、帰ってくるなりサンドバッグ叩きたい言うてあの荒れ様や。何かあったか思て当然やろ」

 大志朗は、攘之内が自分のほうを見ていないのをよいことにソロリとその横顔を覗き見た。
 攘之内は変わらず、厳格で強面だが優しい眼差しをしていた。父親と同じくらいに親愛の情が湧く師範の横顔は幼い頃から少しも変わらず、この道場と共に時を止めてしまったかのよう。

「あ、あの、師範……」

 大志朗は険しい表情をしてグッと拳を握り、意を決して口を開いた。

「俺とトラは、ケンカする為にこの街に帰ってきたんです」

 大志朗は一世一代の告白のように打ち明けたのに、攘之内は眉ひとつ動かさなかった。
 いつ攘之内から叱咤が飛んでくるかと思って大志朗は表情を硬くして待ち構えたが、攘之内からは何も言葉が返ってこなかった。逆に焦慮に駆られ、慌てて口を開いた。

「せやけど師範、俺らは自分の為やのォて……」

「オウ。シロォ」

 攘之内は大志朗の言葉を遮って顔を向けた。
 攘之内と目が合った大志朗は、口を半開きにして言葉を呑みこんだ。

「お前、俺に泣き言聞いてほしいんか」

 攘之内から突きつけられたその一言で、自身と虎宗を擁護する為に用意した言葉の数々が、大志朗のなかでガラガラと音を立てて崩れていった。攘之内は言い訳をさせてくれるほど甘い人物ではなかった。
 また、大志朗は泣き言を言うのかと問われて是と答えられるほど厚顔ではなかった。小綺麗な顔の眉間に皺を刻んでキュッと口を噤んだ。

「なんちゅう未練がましいツラしとんねん。お前らにどんな事情があるか知らんが、腹ァ決めとるんちゃうんかい。18の男言うたらもうガキちゃう。自分のことは自分で考えて、自分で決めて動いてええ歳や。その代わり自分のケツは自分で持つ。俺はお前らをそんなことも分からん男に育てた覚えはないで」

 攘之内は、面前の大志朗も八つ当たりのように拳を振り回している虎宗も、随分と追い詰められたような気迫を放つようになったと、思った。いつの間にかこんなにも大人に近い表情をするようになった。おそらく、攘之内に言い聞かせられなくても本当は気づいている。いつまでも純真無垢な少年ではいられないことを。もう、何かを負うべき広い背中になったことを。

「俺やお前らがやっとることはな、武術や護身術や言うても結局は人殴る〝力〟や」

 やや俯いていた大志朗が攘之内の表情を窺い見ると、少し微笑んでいた。

「その〝力〟をお前らに与えたのは俺や。俺はお前らを信頼して〝力〟を与えた。俺がお前らを信頼でける男に育てたんや。俺がやったそれを、お前らがどう使おうがお前らの自由や。お前らは間違った使い方をせえへんと、俺は信頼しとるさかいな」

 大志朗にとって攘之内は武術を覚え始めた幼い頃から、身体が大きくなった今でも、絶対的な師だ。この人に褒められたいと、期待されたいと、期待してくれたなら裏切りたくないと、尊敬を注いだ。そんな人に信頼されたなら誠心誠意応えたい。

「ハイ、師範……勿論です」

 大志朗は目を瞑って攘之内に頭を下げた。




「それとな、シロ」

 攘之内に呼ばれ、大志朗は頭を上げた。

「お前らまだ、何か信念みたいなモン持ってれば世の中キレエに割り切れると思うてるか知らんけど、そうでもあれへんで。男には人生に一度や二度、納得いかん理由で拳握らなあかんこともある。それでも〝力〟使うなら腹くくれ。何がどうなっても自分で背負うっちゅう責任や」

 一瞬、この人は何もかもを見通しているのではないかと、大志朗は真剣に千里眼を疑った。

「師範ッ……」

 大志朗が何かを言いかけた瞬間に、攘之内がスッと立ち上がった。

「オーイ、トラァ」

 攘之内が声をかけると虎宗の動きがピタッと停止した。軽く肩を上下させながらゆっくりと振り返った。

「何やムシャクシャしとるみたいやな。せっかく帰ってきたんや、久々に俺と一本やろか」

「押忍、胸ェお借りします」




  § § §




 虎宗と大志朗が道場を訪ねた同日。
 レイは、渋撥シブハツ鶴榮ツルエに連れられて初めてブラジレイロを訪れていた。
 自分と友人たちだけでは決して足を踏み入れないようなレトロな喫茶店。それだけでも充分に非日常的な空間だったが、そこへ渋撥が連れてきてくれたということがまたさらに特別だった。渋撥が教えてくれること、連れて行ってくれるところ、見せてくれるもの、すべてが嬉しかった。少しずつ少しずつ重なり合う部分を増やしていきたくて。

 禮がテーブルの上にファッション誌を広げて眺めていると、突然鶴榮がとあるページを指差した。

「禮ちゃんはこーゆーカッコせえへんの」

 鶴榮が指し示しているのはミニスカートの女の子。禮は少々恥ずかしそうにはにかんだ。

「えー。だってウチ似合わへんし」

「そんなことあれへん。絶対似合うで。ワシ買うたるさかい着てくれへん?」

 鶴榮がそう言った途端、バァンッと渋撥がテーブルを叩いた。

「何でツルが禮の服買うねん」

ハツが買うたれへんからやろ。ワシは禮ちゃんにカワイイ服似合うと思うし着てほしいし、見たい。ハツはそーゆーこと思わへんのやろ、想像力ピューピューやから。カノジョのこと見たれへんカレシて嫌やなー、禮ちゃん?」

「オマエなァ💢💢」

 渋撥の眉間はピクッピクッと痙攣し、今にも噴火寸前。
 鶴榮は渋撥の反応など無視してまた雑誌に目を落とした。

「お。コレもええやん。コレも着てくれへん? 今度ワシと一緒買いに行こ、ハツ抜きで」

「オマエわざと言うてるやろ💢」

「鶴ちゃんミニスカ好きなん?」

「ミニスカ嫌いな男なんかいてへんで。生足サイコーや✨」

「なにシレッと人のオンナの生足拝もうとしてんねん💢 絶対ツルと一緒に行くなよ禮💢💢」

「イヤイヤイヤ。ワシが禮ちゃんに対してスケベ心出すかいな。禮ちゃん、ワシのことスケベやと思うか? ワシのこと嫌いか?」

「ううん。鶴ちゃん好き」

 渋撥はブンッと煙草の箱を投げつけたが、鶴榮はヒョイと躱してカカカカと高笑い。




「あれー。禮ちゃんやん」

 不意に名前を呼ばれ、禮は驚いた。初めて来る場所で名前を呼ばれるなんて思ってもみなかった。
 声のほうを振り向くと、先日偶然会った備前ビゼン勇炫ユーゲンが入店してきたところで、此方に親しげに手を振っている。

「あ。ユーちゃん」

「……と、あれぇ? 荒菱館コーリヨーカンの近江サンと駿河スルガサン~?」

 禮に手を振りつつも、備前の目線は渋撥と鶴榮に向いていた。
 渋撥と鶴榮の目線も備前に固定されていた。

深淵ミブチの備前と禮ちゃんが知り合い? オマエ知っとったか、ハツ

「いや……」

 狭い世界ではお互い名前が知れた者同士、渋撥・鶴榮と備前は顔見知り程度の既知ではある。しかし、年齢も学校も異なる禮と備前が親しげである理由は皆目見当がつかない。
 備前は笑顔を湛えたまま、禮たちが座す一番奥のテーブルに近づいた。テーブルの前で足を止め、渋撥と鶴榮の顔を交互に見た。

「禮ちゃん。何でこんな人相悪い兄ちゃんらァと一緒におるん?」

 禮がお嬢様学校・石楠セキナン女学院ジヨガクインに通学しているというのは備前も知っている。それは攘之内の愛娘自慢のひとつであり、何度も聞かされた覚えがある。そのような禮と、悪名高き荒菱館高校の生徒である彼らとの接点が見当たらないのは彼も同じだった。

「あー……それはえーと……」

 禮がやや頬を赤らめて口籠もっていると、渋撥にガツッと肩を掴まれた。

「禮は俺のオンナや」

「ぶッ!」

 備前は渋撥から顔を逸らして噴き出した。

「何がおもろいねん。ナメとんかコラ」

 渋撥にギロッと睨まれ、備前は「すんまへん」と返したが顔は笑っていた。
 鶴榮はテーブルに頬杖を突き、煙草の煙をぷかーっと吐き出した。

「備前。オマエひとりで何してんねん。いっつも一緒のヤツらはどうした」

「俺かてひとりでコーヒー飲みに来るときくらいあるんでっせ」

 渋撥に面白くなく思われていることに勘づかない備前ではない。渋撥に一睨みされたら常人ならばそそくさと目を逸らすところ、涼しい顔をしているのは流石だ。

「ハッちゃんと鶴ちゃんもユーちゃんの友だち?」

 禮に尋ねられたが渋撥は何も応えなかった。鶴榮も肩を竦めるだけで判然としない。
 禮は備前のほうへ顔を引き戻した。

ユーちゃんもココ座る?」

「俺は向こうで」

 そう言って備前は禮にだけヒラッと手を振り、カウンターのほうへ方向転換した。禮はスッとテーブルから離れ備前の後を追う。

「え~。せやかてせっかくなのに別々でええの?」

「えーの、えーの。一応デート中やろ。割りこんだら禮ちゃんのカレシが恐いよって」

 鶴榮は頬杖をして禮と備前の遣り取りを改めてじっくりと観察した。
 ふたり揃って稀に見る端整な顔立ちをしており、似合いのカップルと言えなくもない。少なくとも強面仏頂面の大男である渋撥よりは数段似合っている。誰が見ても同様の評価であろう。
 渋撥はテーブルの下で軽くコンと臑を蹴り飛ばされ、目だけを動かして鶴榮を見た。

ユーちゃんやと。呼び方にしろ距離感にしろ随分親しげや。どんな知り合いか気になってしゃあないやろ、ハツ

 鶴榮は渋撥にしか届かない程度の声量で言った。それに対して渋撥は何も言わなかったが、ニヤリと笑ってさらに続けた。

「禮ちゃんみたいなカワイイ子、今までにカレシのひとりやふたりおっておかしないもんな。元カレやのォても禮ちゃん狙っとるヤツは常におるやろ。オマエガッコちゃうさかい周りにカレシ認知されてへんやろし、実は敵が多いんかもしれんな」

「…………」

 バキバキッ。――渋撥は無言で景気よく指の骨を鳴らした。
 鶴榮は「うん」と頷いた。

「分かった。ワシが悪かったわ。何でも腕力で解決するのはやめよか」




 結局備前は禮からの誘いを断り、同じテーブルを囲むことはなかった。テーブルに戻ってきた禮は、また鶴榮とファッション誌を眺めながら和気藹々楽しそう。その隙に渋撥はひとりテーブルを離れ、カウンターへと移動した。
 備前は自分以外には誰も客がいないカウンター席に腰かけて紫煙を燻らせていた。
 ゴンッ。――備前は突然、椅子に衝撃を感じた。
 肩越しに背後を振り返ると、無言で見下ろしてくる眉無しの三白眼。渋撥の足は備前が座っているカウンターチェアの足置きにかかっている。成る程、先ほどの衝撃はこの足に蹴り飛ばされたのか。

「オマエ、禮とどういう知り合いや」

 備前は渋撥の三白眼を数秒間見詰め、そのあとクスッと笑みを漏らした。

「少なくとも、近江サンよりは長い付き合いやと思いまっせ」

「あ?」

 渋撥の眉間の皺が途端に深くなり、備前は笑顔のまま両手をスッと挙げた。

「まあまあ。そんなコワイ顔しはらへんと一服どうです?」

 渋撥は備前との間にひとつ空席を挟み、カウンターチェアに座った。促されたとおりにするのは、癪だが得たい回答はまだ得られていないから已むなしだ。
 チェアに腰かけるなりポケットから煙草の箱とライターをカウンターの上に放り投げた。慣れた手付きで煙草を一本取り出し口に咥えて火を付けた。
 渋撥は敢えて一席空けたのに、備前はカウンターに突っ伏すように前のめりになり渋撥のほうへ首を伸ばしてきた。

「いやー、近江サンとあの禮ちゃんが付き合うとるなんて驚きましたわー。禮ちゃん、有名なお嬢様ガッコに通ってますやん? 俺らみたいなんがどうやってあんッなお嬢様ガッコと知り合うんでっか。とーくーに、《荒菱館の近江オーミ》サンみたいな人が」

「やかましい。さっさと訊かれたことに答えろや」

「俺と禮ちゃんの関係、でしたっけ。……何やと思います? まあまあ長い付き合いになるもんで一言では説明しにくいんですけど」

 敵対勢力同士とはいえ、備前はこの場で渋撥たちと争う気はなかった。故にニコニコと友好的なムードを演出しているのに、渋撥はそのようなことはお構いなしだ。敵意を隠すつもりもなくジロリと睨まれてしまった。

「はあ~、も~、おもんな。近江サンは駿河サンと違て冗談通じへん人でしたね」

 備前は深い溜息を吐いてカウンターに頬杖を突いた。

「禮ちゃんの家が道場てことは知ってはりますよね、カレシなら」

 引っかかる言い方だ。軽く挑発された気がするが渋撥はスルーすることにした。備前が底意地の悪い人間だとは分かっている。逐一反応していては話が一向に進まない。

「実は、俺の実家も道場で、禮ちゃんちは俺の実家の分家なんです」

 備前は唇の煙草を指で挟んで灰皿の上に持って行き、親指で弾いて灰を落とした。

「親同士も知り合いで、お互い道場主のガキ同士、年も近いし話しやすいおトモダチ……幼馴染みってヤツですわ。俺と禮ちゃんの関係はただそれだけ。近江サンに睨まれるよなことは何もないですがな」

(ンなモン分かるか。禮はほぼ天使やぞ。いつクラッときてもおかしないやろ)

 渋撥が備前の発言程度で気を緩めるはずがなかった。作り笑いが得意で本音を見せない綺麗な顔をした男が、禮の傍にいるだけで甘受しがたい苛立ちが湧いてくる。

「禮ちゃんにカレシなんて、あの相模師範がよう許しはりましたね」

「相模師範?」

「禮ちゃんのパパでっせ」

 備前はクックッと肩を揺らし、二本の指に挟んでホールドしていた煙草を口に持って行く。

「相模師範は一人娘の禮ちゃんをそりゃあもう溺愛してはるっちゅうのは同門の間じゃあ有名な話で。近江サンに限った話やのォて、誰をカレシに連れてきてもあの師範ならそうそう許しはらへんと思います」

 禮の父親の話題が出ても渋撥は何も反応を見せなかったが、備前は話を続けた。

「あー……。相模師範以外にも問題はあるか。ごっつ強力なライバルがいてますさかいな」

 渋撥は目だけを動かして備前を見た。
 備前は細い顎をやや仰角にし、煙草を挟んだ唇をニヤリと歪めた。
 渋撥が何も言わずとも〝ライバル〟と称された男に興味を持ったことは目を見れば分かる。いつ見ても無表情でマシンのような荒菱館の暴君が、動揺したらどのような反応をするのか、揺さ振ってみたかった。

「近江サン。虎宗クンって知ってはります?」

「タケムネクン?」

 備前は灰皿の横に置かれた渋撥の煙草の箱を拾い上げ、くるっくるっと様々な角度から眺める。吸っている銘柄が違うとはいえ煙草の箱など見飽きるほどに見慣れている。これはただ勿体ぶる為の手遊びだ。

「禮ちゃんの兄貴」

「禮はひとりっ子や」

「戸籍上はひとりっ子でっせ。虎宗クンはガキの頃、相模師範に引き取られて禮ちゃんとは兄妹同然に育った。この〝兄貴〟が相模師範の大のお気に入りで、禮ちゃんもよう懐いてて、俺が見る限りじゃいつも禮ちゃんと一緒にいてます。……これは俺の勘やけど、虎宗クン多分、禮ちゃんに惚れてまっせ」

 備前はカウンターの上に頬杖を突いた体勢で、渋撥の煙草の箱を眺めていた。しかし、備前が真実見据えていたのは青い弓矢のイラストではなく、数年前に見たきりの虎宗の顔。昔からいつ見ても鉄面皮で、冗談のひとつも言えないで、面白いことがあったとしてもクスリともしないくせに、禮にだけは妙に表情を緩める。
 あれほど分かりやすいのに自覚していなかっただなんて稚拙すぎる。それを揶揄うほどにも助言するほどにも距離は近くはなかった。備前にとって虎宗は友だちでも幼馴染みでもない、ただただ自尊心を刺激する相手に過ぎなかった。

「相模師範は虎宗クンに道場継がせはるつもりです。ちゅうことは、虎宗クンを禮ちゃんと結婚さして跡取りにするっちゅうことで。つーまーり、近江サンの恋のライバルっちゅうヤツでんなー♪」

 備前はニッと白い歯を剥き出しにしてあからさまに渋撥を焚きつけた。
 渋撥はこの小賢しい男の思いどおりになるのは癪だが、流石に不機嫌そうに煙草を灰皿に押しつけた。

「そんなモン禮がその気にならんかったら意味ないやろが。親にせえ言われて大人しく結婚するタマちゃうで、禮は」

 渋撥はそう断言して備前の顔を見た。
 備前は渋撥から言い返されても余裕の表情でニッコリと微笑んだ。

「虎宗クンと昨日会うたんですって、禮ちゃん」

「あァ?」

「虎宗クンは高校から寮に入ったさかい、禮ちゃんとは長いこと会うてへんはずです。ちょっと見ん間に禮ちゃんどんどんカワイくなってるし、久々に会うて勢いづいて告白くらいしたかもしれまへんなー?」

 備前はまるで見てきたように話す。本当にすべて憶測の域なのか、察しがよいで済むレベルなのか、実はその目で見てきたのではないか、そのようなことを疑わせるくらいに饒舌に。

「近江サンっちゅうカレシがいてる禮ちゃんが、虎宗クンに何て答えるか知りまへんケド……昨日から禮ちゃんにどっかおかしいトコとかありまへん?」

 ばんっ。――渋撥は叩き潰すようにして煙草の箱をカウンターテーブルの上から取った。
 潰れかけた箱をシャツの胸ポケットに押しこんで椅子から立ち上がった。

「ヒマ潰しに人んトコ引っ掻き回そうとすな、ラクダマツゲ」

 渋撥は鋭い目付きで威圧的に言い放ったが、備前は意に介さずクスッと笑った。
 この男はその辺の雑兵程度とはまったく別物だ。簡単に縮み上がったりしない。渋撥はチッと舌打ちし、禮と鶴榮がいるテーブルに足を向けた。

 備前は、テーブル席に就いた渋撥の後頭部を見詰め、悪巧みをしている悪女のような顔でクスリと笑みを零した。

(まさか禮ちゃんが《荒菱館の近江》と付き合うとるとはな。まったく想定してへんかったが、俺の予想どおり虎宗くんが《キラー》なんやとしたらええ燃料になりそうや)

「備前君」とこの店のマスターがカウンターの中から声をかけた。常に寡黙なマスターから声をかけるのは実に珍しいことだった。

「何? マスター」

「いま何か意地悪なことを考えていたでしょう。あんまり意地が悪いと、友だちをなくしますよ」

 マスターは皿を拭きながら無表情で言った。

「それは困ったもんや」

 備前はアハハッと笑声が出てしまった。
 胸中が顔に出るほど夢中になっていたとは、自分で思っている以上に現況や今後の展開を楽しんでいるらしい。




  § § §




 相模サガミ道場。
 虎宗タケムネは道場に大の字で寝そべって天井を仰ぎ、胸板を上下させて深く荒い息を繰り返していた。
 汗が額を横切って流れ落ちて床に落ちる。背中も汗だくで、床の冷たさは気持ちよいがすぐにヌルヌルした感触がやってくる。しかし、心はどことなく晴れやかで、がむしゃらにサンドバッグに叩きつけていた鬱憤も軽くなった。

「ハアッ、ハアッ、ハアッ」

「どや、少しはスッキリしたか? トラ」

 攘之内ジヨーノウチは、床に仰向けに寝そべる虎宗の顔を覗きこんだ。

「ありがとうございます、親っさん」

 攘之内と虎宗、たった今まで激烈に打ち合っていた当人同士はスッキリした表情で顔を見合わせる。
 しかしながら、それを観戦していた大志朗タイシローは、緊張した面持ちでゴクッと生唾を嚥下した。

(トラをキレるキレる言うてはるけど師範のキレも半端ない……。ほんまこのふたりは化けモンや)

 Piriririri……Piriririri……――大志朗のズボンの後ろポケットが鳴動した。
 大志朗はポケットからスマートフォンを取り出した。スッスッと指先で操作して受信したメッセージを確認した。
 トラ、と虎宗を呼ぶと、虎宗は何かを悟った面持ちをしてゆっくりと上半身を起こした。

「トラ。準備はええか」

「オウ」

 大志朗が直視した虎宗の顔は、とうに覚悟を決めたそれそのものだった。その精悍な顔付きを見せつけられると、まだ思い悩んでいる自分は何と未練がましくて情けないのだろうと思わされた。
 しかしながら、幼い頃からの自分を思い起こせばいつもそうだ。前を向いて突き進む虎宗の後ろをついて行く。虎宗が心を決めたのならば、如何なる結果になろうとも自分は受け容れようと、そのような他力本願な心構えが身に付いていた。




  § § §




 喫茶ブラジレイロ。
 喫煙と珈琲を楽しんでいる間に陽は傾き、夕方の時分となった。
 渋撥シブハツレイを送って帰る為にふたりで先に店を出た。

 店に残ったのは鶴榮ツルエ備前ビゼン。一番奥のテーブル席に対面して座った。
 コーヒーカップを傾けて煙を呑んで、沈黙している時間のほうが遙かに長い。顔見知りには違いないが、手放しに仲良しこよしの間柄ではなかった。
 カララランッ。――鈍い鈴の音は、入店の合図。
 タイトなジージャンを着た長身の男が入店してきた。
 その男は奥のテーブル席に鶴榮を見つけ、長い足を活かして大股でズカズカと歩いてきた。

 澤木 曜至[サワキ ヨージ]――――
 女性に好まれる甘さもありながら精悍さも兼ね備えた、荒菱館コーリヨーカン高校全校生徒のなかでも一、二を争う男前と自他ともに認めている。顔立ちの良さも然る事ながら、長身で腰の位置が高く均整の取れたスタイルであり、彼に声をかけられて嫌な顔をする女性はまずはいないであろう。
 荒菱館高校の最上級生にして、№2の座こそ鶴榮に譲っているが他校にもその存在を知らしめている実力者でもある。




「なに備前なんかと仲よくコーヒー飲んでんだ、鶴榮」

 曜至はとても歓迎しているとは言えない表情で備前を見下ろす。
 鶴榮は「成り行きや」と冗談っぽく返した。
 備前はコーヒーカップ片手にニコッと微笑みかけ、曜至は苦虫を噛み潰したような表情で応酬した。

「見てんじゃねェよ。女みてぇなツラしやがって」

 曜至は鶴榮を奥へ押しやって自分も同じテーブルについた。

「俺のこと嫌いなのにそこに座るんや。荒菱館の澤木サワキ曜至ヨージクン」

「ヤローなんかみんな嫌ェだよ」

 曜至はカウンターのなかにいるマスターのほうへ顔を向けて「ブレンド」と声をかけた。マスターは小さくコクンと頷いてくれた。

「つれへんな。俺はアンタらのことけっこー心配したってんのに」

 独り言だとしても聞き捨てならない言葉だった。曜至は備前のほうへ顔を引き戻し、片眉を引き上げた。

「あァ? 心配だァ? ワケ分かんねェこと言ってんじゃねェぞ」

 備前は曜至の刺すほどに威嚇する視線を意に介さず、ゆったりと緩慢な動作でテーブルに頬杖を突いた。

「まあ、まったく知らん仲っちゅうワケでもないやんか。顔見知りが今日明日にでもどうなるか分からん情況になっとる思たら、心配くらいするがな。俺、こー見えて心配性やねん」

「分かった、ケンカ売ってんだろ。買ってやる、表出ろ」

 曜至の眉尻はピクッピクッと痙攣した。
 備前の端正な顔からニコニコと微笑まれると不思議と神経を逆撫でされる。きっとこれには曜至が同性など好まないという以上の理由があるはずだ。例えば、備前自身に悪意があるとか。否、あるのだろう。この魔女のように狡猾な男が敵対勢力という間柄で微笑みかけるなど。
 カチン、と音を立てて鶴榮はコーヒーカップをソーサーの上に置いた。

「そらまたえらいな話や。何か心当たりでもあるんか」

「またまた~。駿河スルガサンが知らんワケないですやん」

 備前はやはり緩慢な動作にて、灰皿の上に置いておいた吸いかけの煙草に手を伸ばす。

「最近おたくら荒菱館、的にかけられてるやろ?」

 内心、鶴榮も曜至も備前の耳の早さに感心した。それはかなり直近の話であり、敢えて広めてもいない話が他校の生徒である備前にまで届くには早すぎる。

「実際何人かヤられてもーてるやろ。まだそこまでオオゴトになってへんみたいやし、そーやなァ……一、二年の何人かくらい? イヤ、もしかしたら三年もなんぼかはヤられたんちゃう」

「うちのモンが何人かやられたから何だってんだ。こちとらケンカ売られるのなんざしょっちゅうなんだよ。勝つのも負けるのもな」

 曜至は直ぐさま言い返した。
 備前はテーブルに両肘を突いて手と手を重ね、その上に顎を置いた。曜至に向かって嫣然と微笑んだ。

「そんなよくある気楽な話ちゃうんやなー、今回は」

 曜至はハンッと鼻先で笑い飛ばした。

「何人かヤられた程度で俺たち荒菱館がコケるとでも思ってんのか。夢見てんじゃねェぞ」

「コケるも何も先頭走っとるつもりかいな。深淵ミブチはアンタらのケツに付いてっとるつもりはないで」

「オーケイ。今からテメーを殺す」

 ガバッと立ち上がろうとした曜至を、鶴榮がその肩を掴んで制止させた。鶴榮は曜至とは対照的に実に落ち着いており、備前の挑発的な口調に乗せられないくらいには冷静であった。

「やめとけや曜至。マスターに迷惑かかるやろ」

 マスターには、人相の悪い連中が連日入り浸っても文句のひとつも言わないばかりか、未成年の喫煙を見逃してもらっている恩義もある上に、ついでに言えばコーヒーも美味い。
 向こう見ずな曜至も流石にマスターには仇成したくない。ブスッとして椅子に深く座りこんだ。

「もう犯人は突き止めましたんか?」

東光トーコー高校」

「駿河サンは仕事が早いな~」

 鶴榮の回答は早かった。備前はパチパチと手を叩いた。

「ちょお距離あるガッコやのに目を付けられたのは、サスガは荒菱館っちゅうところでんな」

「昔から悪そうはなんぼかおるみたいやが、評判を聞くよな特別目立つヤツはいてへん。今までウチとモメたこともあれへん。それが、急に噛みついてきた。何人かの単独行動っちゅうことならまだ話は分かる。せやけど、ウチの調べじゃ明らかにアタマが命令してやらしとる。何で急にそんな真似に出たんか、イマイチ納得でける理由が見つけられへんのが正直なところや」

 備前がウンウンと温和しく耳を傾けていると、鶴榮は「で?」と話を振ってきた。

「わざわざ警告してくれるっちゅうことは、オマエは東光について何掴んどる?」

 曜至と異なり鶴榮は極めて冷静だった。少々挑発したところで手玉に取ることはできない。備前は正直少しつまらなく思いながらも口を開いた。

「投稿が急に動き出した理由は、最近になって超絶強力な助っ人くんをゲットしたから。ソイツの御陰でどこのどいつとケンカしても連戦連勝の快進撃中。アンタら荒菱館ともな」

「何者や」

 鶴榮が尋ねると、備前はニヤリと笑った。

「うちじゃあ《荒菱館キラー》って呼ばれてます。ソイツなら《荒菱館の近江オーミ》も潰せるんちゃうかっちゅうて」

「あァッ?」

 曜至は立ち上がってガツッと備前の胸座むなぐらを掴んだ。
 が、その顔面に叩きこんでやろうと思って握った拳は動かなかった。鶴榮が曜至の手首を捕まえていたからだ。

「やっぱコイツ殺すわ。何で近江さんをコケにされて黙っとかなきゃいけねェんだ」

「ん~。痛いのは嫌やなあ。知ってることは全部喋ったる気でおるんやし、手ェ離してくれへんかなー」

「喋りたきゃ勝手に喋ってろ。俺も勝手に殺すからよ」

「アハッ、自己中」

 片や曜至は額に青筋が浮きかけているというのに、片や備前には緊張感がない。どうせ素直に殴られてやる気など毛程も無いのだ。
 鶴榮は、ふう、と息を吐いた。

「あんまり曜至を挑発すんな。その内ワシが停めるのも追っつけへんよになるで」

 曜至はそれから数十秒は備前を睨みつけていたが、鶴榮に免じて収めてやった。




「その助っ人、何者か調べついとるんか」

「確証はあれへん。せやけど、怪しい人物はひとり」

 パンパンッ、と備前は自分の服を叩いて曜至の所為でついてしまった皺を伸ばす。

「東光高校三年の能登ノト虎宗タケムネ

 曜至は無愛想に「知らね」と吐き捨てるように言った。
 鶴榮も腕組みをして考えこんだが、割と記憶力がよいはずの脳味噌にも思い当たる人物はいなかった。

「ああ、知らんでも当然やから安心して。ソイツ、べつに悪ぶってるワケでもツッパってるワケでもないねん。マジメーにガッコに通ってる一般生徒。せやけど、実力はバケモノ並や。それこそ俺の見立てでは近江サンでも危ない思うで」

「近江さんがタイマンでやられたりすっかよ」

 曜至は吐き捨てるようにそう言い、話にならないという風に備前から顔を逸らした。

「何でそんなヤツのことに詳しい? 悪そうちゃうんやろ」

「それは俺独自のニュースソースっちゅうことで」

「ウチより頭数少ないクセにどうやってそんな情報まで仕入れとる」

 鶴榮はおそらく情報の信憑性が欲しいのであろう。しかし、備前はそのようなものに付き合ってやる義理はない。本来、渋撥がどうなろうと荒菱館高校という一大勢力がどうなろうと、どうでもよい。消えてなくなってくれるなら好都合なくらいだ。彼らに情報を渡す理由は、単純に自身の娯楽。要は、他人事だから面白可笑しく成り行きを傍観したいだけなのだ。

「いま一番重要なんはー、俺のヒミツを暴くことちゃいますやろ。その《荒菱館キラー》こと能登ノト虎宗タケムネくんがもう近くまで来とるっちゅうこと♪」

 サラリと放言された言葉に、曜至と鶴榮は一瞬黙った。

「多分、今までみたいな小競り合いやのォてソイツと一緒に東光自体が動き出しとる。《キラー》は連中のたったひとつの切り札や。単身で送り出して《荒菱館の近江オーミ》とぶつける前に囲まれでもしたらチャンス自体が無くなってまう。《キラー》を使うときは確実に《荒菱館の近江オーミ》を狙い撃てるときか、他の兵隊をなんぼ使い潰してでも強引に情況をセッティングしたときや。……つまり戦争やな。ここまで聞いたら少しは危機感出てきた? 駿河サン、曜至クン」

 にわかに曜至の表情が強張り、鶴榮も腕組みをしたまま鼻の頭に皺を寄せた。
 それを見た備前は、内心「ありがとう」と唱えた。そうそう、その顔が見たかったのだ。この為にかなりのリップサービスをしてやった。
 ガッ。――曜至よりも先に鶴榮が備前の胸座を掴んでいた。
 備前は微塵も動じなかった。むしろ、見たいものをようやく見られたと歓喜した。いつ何時も冷静沈着な荒菱館高校の№2、押しも押されもしない不動のブレイン、まるで未来を見透かしているかのように飄々とした男、駿河スルガ鶴榮ツルエが多少なりとも動揺する様を見てみたかった。サングラスで隠された素顔は、少しは焦燥してくれているだろうか。

「何です、この手。俺、せっかく気ィ利かして教えたったのに」

 芙蓉の如く嫣然と微笑む、底意地の悪い魔女のような男。鶴榮が備前の胸座を握り締める力が自然とぐぐぐと強くなった。

「せやったら何でさっきハツがおるときに言えへんねん、こん性悪が」

「話切り上げはったのは近江サンのほうですよって」

 鶴榮は投げ捨てるようにして備前から手を放した。
 この魔女のような男と話していても埒が明かない。おそらくは、情報を齎したこと自体が備前の個人的趣味による独断であり、深淵勢力自体は不介入を決めこんでいるだろう。ならば、これ以上何かをしてくれるわけでもないだろうし、されたくもない。
 鶴榮から「退け」と言われ、曜至は慌てて椅子から立ち上がって進路を空けた。

「ワシはスクーターでハツ探す」

 鶴榮は出入り口のほうへ爪先を向け、肩をやや怒らせてズンズンズンと突き進んだ。
 曜至は慌てて鶴榮のあとを追った。

「待てよ鶴榮。俺バイク家に置いてきてんだよ」

「オマエんちめちゃめちゃ近いやろが。走って取り帰れやダアホ」

「あ、そっか」

 鶴榮と曜至が店から出て行ったあと、ひとり残された備前はテーブル席のソファの背凭れに体重を任せ、天井に向かってハァとひとつ息を漏らした。鶴榮の情況把握が途轍もなく早いように、彼は彼で自分の出番が終わったことを充分に理解している。

「自分が負けるトコなんざ想像したこともないモン同士の潰し合いか……。どっちが悔しいツラ晒してもおもろい。この目で見てみたかったなー……」

 端役の出番はこれにて終了。かくて物語の結末は彼らに託された。それがハッピーエンドでもバッドエンドでも、刻が満ちれば同じように緞帳どんちようは下りてくる。
 最後に緞帳の裏側で立っているのは誰なのか、今はまだ誰も知らない。




熒閂の最新話はクロスフォリオにて先行公開( https://xfolio.jp/portfolio/ke1sen/series/1023833 )
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