6 / 17
最初で最後の夜 2
しおりを挟む「えっ? ひぁっ!?」
下着を下にずらされたかと思えば、熱くて、ぬるぬるしたものがアデルの秘部をやさしくやさしく往復しはじめた。
「あっ、うそ、それっ舐め……っ」
フェイロンの舌。くすぐるように、からかうように、ちろちろと動く。
すでにじゅうぶんすぎるほど敏感になってしまっているところに、とてつもない快感が走る。
「ひうっ……! やめ……っ」
じゅぶじゅぶと音をたてて舐められ、舌で突かれ。
腿を両手でしっかりつかまれているので、脚を閉じて刺激から逃げることもできない。
「うぁ……っ、フェイロンってば……っ、それ、いっかい、やめてぇ……っ」
舌でなだめられ続けているところがじんじん熱をもってつらく、アデルはシーツを握りしめて耐えた。
(舌、ながい……どこまで届くの……! こんなの、ずっとされてたら、あたま、おかしくなっちゃう……!)
あまりの快感に、顎ががくがく震えた。息が整わない。意味のない音ばかりが口からもれる。
そのあいだも彼の舌先は何かを探すように溝を往復している。まるで蛇のような舌の動きに翻弄される。うつ伏せているせいで、胸の先がシーツにこすれて、そっちは自分で前後にゆすってしまって、それもずっと気持ちいい。
「あっ!? そ、そこ」
蜜のあふれる穴を、フェイロンの舌が探し当てた。すぼめた舌先で、やわらかくとじているところをこじあけようとしている。
「やだ、やだっ、フェイロン、それはだめえっ」
ぬるりと、なかにやわらかなものがねじこまれる。
「や、うぅっ……」
入ってきたのだとわかる。けれど、それはさっきまで花芽をなぐさめられていた刺激とは違って、快感なのかどうかはっきりしない。
自分のからだなのに、知らないところ。
「う、ぁ……や、そこ、だめ……いやだ……」
舌は、入り口の浅いところを出たり入ったりしている。
はじめは違和感ばかりだった行為から、徐々に快感の端っこをつかみかけている。
それに集中していたせいで、アデルはあまりに無防備だった。
「はうっ!? やっ……! んん~~~~っ」
舌での愛撫といっしょに、彼の指が股の溝を撫でる。
びくんびくんと身体が跳ね、目じりから涙がこぼれて、一瞬視界がまっしろになった気がした。
「は……っ、はぁ……っ……も、むり……いき、できない……」
「…………あご、疲れた」
身を起こしたフェイロンが、手で顎のあたりをもみほぐしながら言う。
「ば、馬鹿ぁッ……! 言わないでよ、そんなこと……! 嫌なことは、しなくていいのに」
「嫌? 嫌だなんて、言ってないでしょうに」
ころんと身体を転がされ、今度はまた彼の身体の下に組み敷かれる体勢になる。
フェイロンはアデルの膝を持って、左右に広げた。
「や、ねえ、そんなところ、見ないで……!」
「入口あたりしかほぐせていませんので、きっと痛むと思いますが」
そして押し当てられる、かたいもの。それが彼の欲情のあらわれだとわかると、アデルは抵抗をやめ、素直に脚を開いた。
「いい。痛くてもいい。して……きて、フェイロン」
背中に腕を回して、彼を抱き寄せる。股をぐりぐりと押し合って、アデルからキスをした。
そのうち自然に、彼のものが入口をこじあけはじめた。
「いっ……」
「……っ、やっぱり、せまい、か……」
「いやっそのままでいいっ。抜かないで」
「……息を、吐いて」
「で、きない……っ」
「この、へたくそめ」
汗ばむ額を合わせ、フェイロンの漆黒の瞳が覗き込んでくる。目を閉じたかと思えば、とろりと口づけられる。
「ん、ふぅ……っ」
アデルがやさしいキスの甘さに夢中になっているうちに、彼の熱はゆっくりゆっくり、隘路をひらいていった。
挿入の痛みを感じたのは、ほんの最初だけだ。
フェイロンは自分のかたちを覚え込ませるみたいに、長く、ゆっくりと、アデルのなかにとどまり続けた。
「んっ……フェイロン……っ、もう、うごいて、よ……」
「はは、勇敢だな。動きたいなら、ご自分でどうぞ」
「いじ、わる……、フェイロンも……動きたい、くせに」
「……そう、ですね」
ぐずぐずに濡れた中をえぐるように、フェイロンは大きく腰を動かした。
「う、あ……っ!?」
ゆっくりと奥まで押し込められる。そこにいきどまりがあって、彼のかたくて長いものがぐっと腹のなかを押し上げてくるのがわかる。
「ああ……やっと、僕のかたちになじみました」
──彼のかたちに。
ずっとそのまま彼が自分の中にのこればいいと、アデルはひとつ、希望を持った。
(……彼の、子を……)
もともと、そのための行為だ。
「ほしい……フェイロン、もっと……して」
彼は返事のかわりに、ゆっくりと楔を引き抜き、ふたたび奥を目指して内壁をえぐった。
──二度、三度。それ以上。
絶頂にいたった回数を数えるのを忘れるほど、二人はお互いの身体をむさぼることに没頭した。
「は、……っしん、じゃう……っ」
何度目かの絶頂のあと。
アデルはフェイロンに突き上げられながら、首を絞められた。
酸素の足りない頭では、行為の感覚が限界ぎりぎりまで研ぎ澄まされる。胎のなかに男の欲がゆっくりと押し込まれるだけのことが、何百倍もの快感になってアデルを襲う。
「っ、ぁあああ~っ……! やうぅ……」
叫んで、のけぞって。突き出した胸の頂を噛まれて、アデルはまたすぐに達した。
「~~~~っ……!」
「は、締まる……すごいな、あなたのなかは……まだ欲しがって、動いている」
「も、やだぁ……っ」
目じりからぼろぼろと涙がこぼれる。苦しくて、きもちよくて、自分がなにを言っているのかもよくわからない。
フェイロンは自分の長い黒髪を煩わしそうに、腰の動きを止めないままかきあげて嗤った。
「はぁ、おっかしい……さっきまで、処女だったんですがね……一晩で、こんなにイけるものなんだ」
「や、フェイロン、まだ、とまっちゃやだぁ……もっと……もっと、してぇ……!」
「フ、フフ……あなたの身体、まるで麻薬だ……僕も、あなたも……少し、おかしくなっているな」
何度も繰り返された射精のせいで、ふたりの結合部は白く汚れきっている。そんなことはとうに気にならなくて、むしろアデルは自分のなかからあふれた精を惜しく思った。
もう、彼の子は孕めただろうか。今夜しかないのだから、もっと、もっと必要だ、と。
「フェイロン、出して……なかに……」
汗ばむ彼の背中に腕をまわしてしがみつき、アデルはもうろうとつぶやいた。
「わたしに、のこしていって……フェイロン……」
彼がそれをどんな表情で聞いていたのか、ほとんど気を失いかけていたアデルは覚えていない。
そしてその日の朝日がのぼらぬうちに。
ぐっすりと眠るアデルをベッドに置き去りにして、フェイロンは異国へと旅立ってしまったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる