21 / 24
<21・神様気取り>
しおりを挟む
『これが、我の忠誠を捨てようとした者の末路というわけよ』
通話の向こう側の音声は、しっかりステイの耳にも聞こえていた。
『南方楓。貴様はどうだ、我に忠誠を誓う気はあるのか、ないのか?今この場で、それを証明してみせるがいい。さもなくば……』
――ふざけんじゃねえよ。
この展開は、十分予想できたものではあった。神子の一番最初の仕事は、先代神子の始末をつけさせられること。加えて、今の時期は試練をつけさせられる新人教員もいない。ならば、次の神子である楓が、新人教員の代わりに裏切り者の処分も任せられることは十分有り得る話だった。断ったらその場で、楓が同じ席に座らさせられることになっていただろう。
楓もそれは、十分覚悟していたことだった。
何故なら彼が“自分が囮になる”と言い出した時には、ステイも通るも同じ可能性に気づいて制止していたのだから。
彼が化け物に慰み者にされるのも耐え難いことだが、同じだけ殺人を強要されるのも許しがたいことである。村松英太はまだ話したことのない相手だが、角松と内田の二人は違う。彼らがいなければ、自分達はこの学園の真実に辿り着くことはできなかった。いわば、皆を救う裏のヒーロー。その相手を、いくら捉えられ虫の息になっていたとしても――楓が殺さなければいけないなんて、そんな馬鹿な話があっていいのだろうか。それがどれほど、楓の心に一生消えない傷を刻むことになるか。
ゆえに、当初はステイも享も反対したのである。彼らが本当に捕まっていて、まだ生きていたら。それを殺すまで待つ必要はない。それがわかった時点で魔法陣の破壊を実行して、悪魔を消滅させてしまえばいい。そうすれば、三人を救うもできるはずだ、と。
けれど。そんな自分達の甘い計算など、思惑など。長年共に過ごした友人はすっかりお見通しであったらしい。
『わかってるだろ。……少しでも、事前に“神様”に気取られたら終わりなんだ。その確率は、少しでも下げなければいけない。今回は俺達三人だけの戦いじゃないんだ。一緒に紋章を破壊してくれるみんなを、危険に晒す気か?』
自分が容赦なく三人を殺せば、“神様”の信用を得るに十分だろう。裏切り者と先代神子を殺害するという儀式を躊躇なくこなすこと、それそのものが忠誠を証明することにほかならない。
そこで信用させた上で、おとなしく身を任せ満足させれば。きっと、怪物は油断してくれる。神殺しの成功率が格段に上がるはずだ、と。
――わかってる、そんなことは!だけど……だけど!
結局、彼の案を呑んだ。ステイは今、一部始終を携帯で聞きながら――こうして寮の中庭でひっそりと待機している。消灯時間を過ぎているため柱の影に隠れてこそいるものの、講義棟ではなく寮であるために移動に制限はない。同じように、享を含めた数名が同じように広場に待機していた。魔法陣を消すのに手間取る可能性があるからと、異変に気づけばすぐ教員達が駆けつけてきて邪魔するのが目に見えているからだ。
まあ、教員達はほとんどが講義棟の方にいるはず。気づいても、此処まで到達するのに多少時間は稼ぐことができるとは思うが。
『意外だな。大抵の神子は躊躇って傷を浅くしてしまい、長く先代を苦しめる結果になるというのに。迷いなく一撃で仕留めた者はお前が初めてだ。何故だ?』
しゃがれた声が、鼓膜を突き刺す。宗像の声は聞き取りづらいのみならず、非常に不快なものとしてステイの頭蓋を揺らした。
たった今、楓は決断し、実行したのだ。
この学園の同じ“被害者”たる三人を殺し、忠誠を示してみせたのである。他ならぬ、みんなを救うために。
――お前のせいで……お前みたいなクズがいなければ、こんなことになってないってのに!
角松達は、紛れもない勇者だった。
彼らはきっと覚悟していたのだろう、最後に自分達がこうなることを。それでも、仲間を救うために立ち向かうことを選んだのだ。楓は最後に、彼らの意思を、正義を汲み取っただけにすぎない。
彼らの想いを、未来に連れていくために。
『だってこの者達は……神様を裏切った、のでしょう?この学園を守ってくださり、支えて下さり……俺達のような孤児を受け入れてくださった神様と先生方を失望させて。そのような者達に、生きている意味や価値があるのでしょうか?』
共有LANEに、ステイは聞こえてきた会話の殆どを流していた。少しでも、楓の意思を――柱の紋章を壊すために協力してくれたクラスメート達に共有してもらうために。
『俺は、この者達とは違います。両親にも否定され、虐げられ、生きる価値を見失っていた俺を受け止めてくださったこの学園に何より感謝している。そしてこの学園が無事に存続しているのが神様のおかげだったとしたら……忠誠を誓わない理由が、何処にあるでしょうか?』
ああ、楓は。一体どんな気持ちでその台詞を紡いでいるのか。
『この身を、貴方様に捧げます。……俺はこれから、何をすれば良いのでしょう?』
――無駄にしねぇぞ、楓。俺は、俺達は絶対に……お前の気持ちを無駄になんかしない。
作戦実行まで、あと――。
***
本当に、こんなところで父親に仕込まれた技術が役に立ってしまおうとは。
どうやら初日ということもあり、“神様”も当初はそこまで派手なことをせず楓を帰すつもりであったらしいが。どうにも、従順な態度を予想以上に気に入ってもらうことができたらしい。
眞鍋に見られているのもおかまいなしに、楓の体を触手で引き寄せた。そして、眼前にひときわ太くで浅黒い触手の一本を突き出してきたのである。
どうやらこの肉は、そのまま“神様”の感覚に直結しているらしい。既にそうは見えない形状の場所が殆どだが、“この”一本の触手は男性器と同じ役割を持っているらしかった。なるほど、松明の光の中でよくよく観察してみれば、なにやらカサがついて見覚えのあるくびれがあり、血管を浮き上がらせてびくびくと脈打っている。吐き気がするおぞましいものを、さらにおぞましく変化させたものであるのは間違いないらしかった。
『奉仕しろ』
笑みを含んだ声で、邪神は告げた。楓は熱に浮かれたような演技をしながら、そっとその幹に指を這わせる。気持ち悪くてたまらない。まだ何もしていないのに、びくびくと震えなが血管を浮き上がらせ、先端の穴からは生臭い液体を垂れこぼしているのである。クソ変態邪神め、どこに神聖な要素があるんだ――そんな言葉を喉の奥で殺しながら、そっと指で握り締めた。
このサイズでは、到底口だけで奉仕できるとも思えない。顎が外れるのも喉を突かれるのも正直ごめんだった。これほどのサイズではないが、過去父親に奉仕を強要されていた頃もなかなかの大きさであったせいで大層困るハメになったのである。最後にそれを強引に後孔にねじ込まれるのもきつかったが、その前段階の奉仕も厳しくてたまたなかったのだ。何度吐いて、そのたびに父親に“汚い!”と殴られたことか。
ゆえに学んだやり方は、手と舌の両方で満足させる方法だった。
男性器というものは、一番敏感なのは先端であるが、先端だけ刺激しても達することが難しいものであるらしい。幹への搾り取られるような刺激と合わさって始めてソレが“射精に値する”ほどの快感に到達するものであるらしいのだ。自分試したことがあるわけでもないので想像の範疇でしかないが、父親の反応を見るにおおよそ間違っているわけでもないはずである。
そっと幹を伝う雫を舌で舐め上げつつ、痛みを感じない力加減でそっと幹を握り締める。カサのついた段差部分に快楽神経が集中していたはずだ。そこを少し強めに握ってやれば、気色悪い老人の顔が紅潮し快感に震えるがが見えた。楓は煽るようにその顔を斜め下から見上げ、ほほ笑みかけてやることにする。
――ああ、これが、ステイのものだったら良かったのに。
ステイとの一夜を、奉仕を思い出してしまい、下腹部が重たくなるのを感じた。彼は無理強いさせてしまったと相当反省していたようだが、実際楓の方も楽しんでいたのだからおあいこである。ここまで凶悪なサイズではなかったとはいえ、ステイのイチモツもなかなか立派なもので、気持ちよすすぎて何度も意識が飛んだほどだ。他人の性器なんて気色悪いとしか思えなかったのに、どうしてそれが好きな相手となった途端、可愛らしく愛しいもののように思えてくるのだろう。
彼も自分がテクニックを披露してやったら、本当に気持ちが良さそうにしていた。可愛らしい童貞で遊びたくなる大人の女性の気持ち、というのが少しわかってしまった瞬間である。彼と正式に恋人になることができたらまた――また夢のような一夜を過ごすこともできるのだろうか。
記憶を辿り、幸福を思い出しながら楓は、先端のくぼみをぐりぐりと舌で抉りながら、幹を思い切り摺り上げた。瞬間、雄叫びのような声とともに、口内に放たれる生臭い液体。
「ぐうっ……!」
気持ち悪くてたまらない、が。ここは我慢するしかない。ストローを吸い上げるようにしてねばついたそれを飲み込んだ。胃の腑に落ちていくおぞましい体液。後で絶対吐く、と思いながらも――青ざめた顔を隠すようにして邪神を見上げる。
息を荒げ、紅潮する老人の顔。悦楽に満たされた宗像に微笑みかけながら、楓は尋ねた。
「神様、申し訳ありません、つい飲み込んでしまいました」
どうせそれが望みだったんだろうけどな、とは心の中で。
「どうしましょう。……これで、終わりになってしまうのでしょうか。今夜はまだ、俺は神様に体を捧げられてはいないのですが……」
普通の男性ならば。一回絶頂に到達すると、二度目三度目を続けるのは難しいケースが多い。R指定のゲームならば、抜かずのウン十発!なんてこともあるらしいのだが(友人がそんなアホくさい話をしていたのを覚えているのだ)人間相手にそれは現実的ではないだろう。
ただし、今楓が相手をしているのは、人間ではない。
人間を捨てた悪魔ならば、あるいは。
『……お前のような淫らな少年は初めてだ。なるほど、父親に仕込まれたという情報は本当だったというわけか!』
やや早口で、心底楽しそうに邪神は告げる。楓の体が触手によって持ち上げられ、老人の顔の前に固定された。そのまま、細い触手の数本がするすると白いローブの下から差し込まれ、素肌を這い上がってくる。感じているフリをしながら呻き、気持ち悪さを押し殺す楓。問題ない、ポケットに入れたスマートフォンに彼は気づいていない様子だ。最悪の場合はこのまま落として壊してしってもいいと思っていた。紋章を壊し、魔法陣を壊すタイミングがステイに伝わるまで通信が生きていれば問題ないのである。
細い触手達がそっと尻の狭間を伝い、ぬるぬると粘液を刷り込みはじめる。秘められた蕾の入口をぐりぐりとくじられ、皺の一本一本を伸ばすようにして粘液を塗り込められ始めた。催淫作用があるのかどうかわからないが、次第に頭がぼんやりとし始める。舌を噛んで意識を保つも、ゆっくりと触手が蕾を割り裂いて侵入し始めれば声が漏れ出るのは止められなくなっていた。
「あんっ……!」
少女のように甲高い声に、嫌悪感が募る。触手が蕾の中にぐりぐりと頭をねじ込み、ゆっくりとストロークを始める。まだ、慣らしている段階だとわかっていた。奴の“性器”はこの程度の太さではない。たった今見ていてそれを知っているのだから。
最初から、ステイ達にタイミングは伝えてある。どんな相手でも、一番油断する瞬間はそう――性欲に溺れ、絶頂する寸前まで追い詰められた時だ。その時外部で多少異変が起きても、そうそう対応することなどできまい。つまり、とにかくこいつを自分の体に溺れさせてしまえば、楓達の勝機が見えてくるということ。
――やってやるよ、一世一代の大勝負を……!
ずるる、と尻の中から細い触手が抜けていき、粘液が足を伝うのがわかった。安堵に大きく楓が息を吐いた瞬間、さきほどよりずっと太く、熱く脈打つものが蕾に当たることに気づく。
「は、早くっ……かみ、さま……!」
慣らされ、刻み込まれた快楽を思い出し、ひくひくと震える蕾。早くからっぽの中埋めて欲しい。奥を擦って、潰して、極上の痛みと快楽を。後孔を収縮させながら希求の言葉を口にすれば、宗像の顔がにいい、と悦びに笑みを深くした。
「お望み通り、くれてやろう。南方楓よ……!」
次の瞬間、巨根が小さな蕾を割り開いてねじ込まれ――楓は絶叫していたのだった。
通話の向こう側の音声は、しっかりステイの耳にも聞こえていた。
『南方楓。貴様はどうだ、我に忠誠を誓う気はあるのか、ないのか?今この場で、それを証明してみせるがいい。さもなくば……』
――ふざけんじゃねえよ。
この展開は、十分予想できたものではあった。神子の一番最初の仕事は、先代神子の始末をつけさせられること。加えて、今の時期は試練をつけさせられる新人教員もいない。ならば、次の神子である楓が、新人教員の代わりに裏切り者の処分も任せられることは十分有り得る話だった。断ったらその場で、楓が同じ席に座らさせられることになっていただろう。
楓もそれは、十分覚悟していたことだった。
何故なら彼が“自分が囮になる”と言い出した時には、ステイも通るも同じ可能性に気づいて制止していたのだから。
彼が化け物に慰み者にされるのも耐え難いことだが、同じだけ殺人を強要されるのも許しがたいことである。村松英太はまだ話したことのない相手だが、角松と内田の二人は違う。彼らがいなければ、自分達はこの学園の真実に辿り着くことはできなかった。いわば、皆を救う裏のヒーロー。その相手を、いくら捉えられ虫の息になっていたとしても――楓が殺さなければいけないなんて、そんな馬鹿な話があっていいのだろうか。それがどれほど、楓の心に一生消えない傷を刻むことになるか。
ゆえに、当初はステイも享も反対したのである。彼らが本当に捕まっていて、まだ生きていたら。それを殺すまで待つ必要はない。それがわかった時点で魔法陣の破壊を実行して、悪魔を消滅させてしまえばいい。そうすれば、三人を救うもできるはずだ、と。
けれど。そんな自分達の甘い計算など、思惑など。長年共に過ごした友人はすっかりお見通しであったらしい。
『わかってるだろ。……少しでも、事前に“神様”に気取られたら終わりなんだ。その確率は、少しでも下げなければいけない。今回は俺達三人だけの戦いじゃないんだ。一緒に紋章を破壊してくれるみんなを、危険に晒す気か?』
自分が容赦なく三人を殺せば、“神様”の信用を得るに十分だろう。裏切り者と先代神子を殺害するという儀式を躊躇なくこなすこと、それそのものが忠誠を証明することにほかならない。
そこで信用させた上で、おとなしく身を任せ満足させれば。きっと、怪物は油断してくれる。神殺しの成功率が格段に上がるはずだ、と。
――わかってる、そんなことは!だけど……だけど!
結局、彼の案を呑んだ。ステイは今、一部始終を携帯で聞きながら――こうして寮の中庭でひっそりと待機している。消灯時間を過ぎているため柱の影に隠れてこそいるものの、講義棟ではなく寮であるために移動に制限はない。同じように、享を含めた数名が同じように広場に待機していた。魔法陣を消すのに手間取る可能性があるからと、異変に気づけばすぐ教員達が駆けつけてきて邪魔するのが目に見えているからだ。
まあ、教員達はほとんどが講義棟の方にいるはず。気づいても、此処まで到達するのに多少時間は稼ぐことができるとは思うが。
『意外だな。大抵の神子は躊躇って傷を浅くしてしまい、長く先代を苦しめる結果になるというのに。迷いなく一撃で仕留めた者はお前が初めてだ。何故だ?』
しゃがれた声が、鼓膜を突き刺す。宗像の声は聞き取りづらいのみならず、非常に不快なものとしてステイの頭蓋を揺らした。
たった今、楓は決断し、実行したのだ。
この学園の同じ“被害者”たる三人を殺し、忠誠を示してみせたのである。他ならぬ、みんなを救うために。
――お前のせいで……お前みたいなクズがいなければ、こんなことになってないってのに!
角松達は、紛れもない勇者だった。
彼らはきっと覚悟していたのだろう、最後に自分達がこうなることを。それでも、仲間を救うために立ち向かうことを選んだのだ。楓は最後に、彼らの意思を、正義を汲み取っただけにすぎない。
彼らの想いを、未来に連れていくために。
『だってこの者達は……神様を裏切った、のでしょう?この学園を守ってくださり、支えて下さり……俺達のような孤児を受け入れてくださった神様と先生方を失望させて。そのような者達に、生きている意味や価値があるのでしょうか?』
共有LANEに、ステイは聞こえてきた会話の殆どを流していた。少しでも、楓の意思を――柱の紋章を壊すために協力してくれたクラスメート達に共有してもらうために。
『俺は、この者達とは違います。両親にも否定され、虐げられ、生きる価値を見失っていた俺を受け止めてくださったこの学園に何より感謝している。そしてこの学園が無事に存続しているのが神様のおかげだったとしたら……忠誠を誓わない理由が、何処にあるでしょうか?』
ああ、楓は。一体どんな気持ちでその台詞を紡いでいるのか。
『この身を、貴方様に捧げます。……俺はこれから、何をすれば良いのでしょう?』
――無駄にしねぇぞ、楓。俺は、俺達は絶対に……お前の気持ちを無駄になんかしない。
作戦実行まで、あと――。
***
本当に、こんなところで父親に仕込まれた技術が役に立ってしまおうとは。
どうやら初日ということもあり、“神様”も当初はそこまで派手なことをせず楓を帰すつもりであったらしいが。どうにも、従順な態度を予想以上に気に入ってもらうことができたらしい。
眞鍋に見られているのもおかまいなしに、楓の体を触手で引き寄せた。そして、眼前にひときわ太くで浅黒い触手の一本を突き出してきたのである。
どうやらこの肉は、そのまま“神様”の感覚に直結しているらしい。既にそうは見えない形状の場所が殆どだが、“この”一本の触手は男性器と同じ役割を持っているらしかった。なるほど、松明の光の中でよくよく観察してみれば、なにやらカサがついて見覚えのあるくびれがあり、血管を浮き上がらせてびくびくと脈打っている。吐き気がするおぞましいものを、さらにおぞましく変化させたものであるのは間違いないらしかった。
『奉仕しろ』
笑みを含んだ声で、邪神は告げた。楓は熱に浮かれたような演技をしながら、そっとその幹に指を這わせる。気持ち悪くてたまらない。まだ何もしていないのに、びくびくと震えなが血管を浮き上がらせ、先端の穴からは生臭い液体を垂れこぼしているのである。クソ変態邪神め、どこに神聖な要素があるんだ――そんな言葉を喉の奥で殺しながら、そっと指で握り締めた。
このサイズでは、到底口だけで奉仕できるとも思えない。顎が外れるのも喉を突かれるのも正直ごめんだった。これほどのサイズではないが、過去父親に奉仕を強要されていた頃もなかなかの大きさであったせいで大層困るハメになったのである。最後にそれを強引に後孔にねじ込まれるのもきつかったが、その前段階の奉仕も厳しくてたまたなかったのだ。何度吐いて、そのたびに父親に“汚い!”と殴られたことか。
ゆえに学んだやり方は、手と舌の両方で満足させる方法だった。
男性器というものは、一番敏感なのは先端であるが、先端だけ刺激しても達することが難しいものであるらしい。幹への搾り取られるような刺激と合わさって始めてソレが“射精に値する”ほどの快感に到達するものであるらしいのだ。自分試したことがあるわけでもないので想像の範疇でしかないが、父親の反応を見るにおおよそ間違っているわけでもないはずである。
そっと幹を伝う雫を舌で舐め上げつつ、痛みを感じない力加減でそっと幹を握り締める。カサのついた段差部分に快楽神経が集中していたはずだ。そこを少し強めに握ってやれば、気色悪い老人の顔が紅潮し快感に震えるがが見えた。楓は煽るようにその顔を斜め下から見上げ、ほほ笑みかけてやることにする。
――ああ、これが、ステイのものだったら良かったのに。
ステイとの一夜を、奉仕を思い出してしまい、下腹部が重たくなるのを感じた。彼は無理強いさせてしまったと相当反省していたようだが、実際楓の方も楽しんでいたのだからおあいこである。ここまで凶悪なサイズではなかったとはいえ、ステイのイチモツもなかなか立派なもので、気持ちよすすぎて何度も意識が飛んだほどだ。他人の性器なんて気色悪いとしか思えなかったのに、どうしてそれが好きな相手となった途端、可愛らしく愛しいもののように思えてくるのだろう。
彼も自分がテクニックを披露してやったら、本当に気持ちが良さそうにしていた。可愛らしい童貞で遊びたくなる大人の女性の気持ち、というのが少しわかってしまった瞬間である。彼と正式に恋人になることができたらまた――また夢のような一夜を過ごすこともできるのだろうか。
記憶を辿り、幸福を思い出しながら楓は、先端のくぼみをぐりぐりと舌で抉りながら、幹を思い切り摺り上げた。瞬間、雄叫びのような声とともに、口内に放たれる生臭い液体。
「ぐうっ……!」
気持ち悪くてたまらない、が。ここは我慢するしかない。ストローを吸い上げるようにしてねばついたそれを飲み込んだ。胃の腑に落ちていくおぞましい体液。後で絶対吐く、と思いながらも――青ざめた顔を隠すようにして邪神を見上げる。
息を荒げ、紅潮する老人の顔。悦楽に満たされた宗像に微笑みかけながら、楓は尋ねた。
「神様、申し訳ありません、つい飲み込んでしまいました」
どうせそれが望みだったんだろうけどな、とは心の中で。
「どうしましょう。……これで、終わりになってしまうのでしょうか。今夜はまだ、俺は神様に体を捧げられてはいないのですが……」
普通の男性ならば。一回絶頂に到達すると、二度目三度目を続けるのは難しいケースが多い。R指定のゲームならば、抜かずのウン十発!なんてこともあるらしいのだが(友人がそんなアホくさい話をしていたのを覚えているのだ)人間相手にそれは現実的ではないだろう。
ただし、今楓が相手をしているのは、人間ではない。
人間を捨てた悪魔ならば、あるいは。
『……お前のような淫らな少年は初めてだ。なるほど、父親に仕込まれたという情報は本当だったというわけか!』
やや早口で、心底楽しそうに邪神は告げる。楓の体が触手によって持ち上げられ、老人の顔の前に固定された。そのまま、細い触手の数本がするすると白いローブの下から差し込まれ、素肌を這い上がってくる。感じているフリをしながら呻き、気持ち悪さを押し殺す楓。問題ない、ポケットに入れたスマートフォンに彼は気づいていない様子だ。最悪の場合はこのまま落として壊してしってもいいと思っていた。紋章を壊し、魔法陣を壊すタイミングがステイに伝わるまで通信が生きていれば問題ないのである。
細い触手達がそっと尻の狭間を伝い、ぬるぬると粘液を刷り込みはじめる。秘められた蕾の入口をぐりぐりとくじられ、皺の一本一本を伸ばすようにして粘液を塗り込められ始めた。催淫作用があるのかどうかわからないが、次第に頭がぼんやりとし始める。舌を噛んで意識を保つも、ゆっくりと触手が蕾を割り裂いて侵入し始めれば声が漏れ出るのは止められなくなっていた。
「あんっ……!」
少女のように甲高い声に、嫌悪感が募る。触手が蕾の中にぐりぐりと頭をねじ込み、ゆっくりとストロークを始める。まだ、慣らしている段階だとわかっていた。奴の“性器”はこの程度の太さではない。たった今見ていてそれを知っているのだから。
最初から、ステイ達にタイミングは伝えてある。どんな相手でも、一番油断する瞬間はそう――性欲に溺れ、絶頂する寸前まで追い詰められた時だ。その時外部で多少異変が起きても、そうそう対応することなどできまい。つまり、とにかくこいつを自分の体に溺れさせてしまえば、楓達の勝機が見えてくるということ。
――やってやるよ、一世一代の大勝負を……!
ずるる、と尻の中から細い触手が抜けていき、粘液が足を伝うのがわかった。安堵に大きく楓が息を吐いた瞬間、さきほどよりずっと太く、熱く脈打つものが蕾に当たることに気づく。
「は、早くっ……かみ、さま……!」
慣らされ、刻み込まれた快楽を思い出し、ひくひくと震える蕾。早くからっぽの中埋めて欲しい。奥を擦って、潰して、極上の痛みと快楽を。後孔を収縮させながら希求の言葉を口にすれば、宗像の顔がにいい、と悦びに笑みを深くした。
「お望み通り、くれてやろう。南方楓よ……!」
次の瞬間、巨根が小さな蕾を割り開いてねじ込まれ――楓は絶叫していたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
マネージャー~お前を甲子園に連れて行ったら……野球部のエース♥マネージャー
夏目碧央
BL
強豪校の野球部に入った相沢瀬那は、ベンチ入りを目指し、とにかくガッツを認めてもらおうと、グランド整備やボール磨きを頑張った。しかし、その結果は「マネージャーにならないか?」という監督からの言葉。瀬那は葛藤の末、マネージャーに転身する。
一方、才能溢れるピッチャーの戸田遼悠。瀬那は遼悠の才能を羨ましく思っていたが、マネージャーとして関わる内に、遼悠が文字通り血のにじむような努力をしている事を知る。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる