夜明けのエンジェル

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<最終話>

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「いつかこの日の選択を、後悔する日が来るのかもしれない。
 それでも、あの時思ったの。
 貴方を救う。それさえ出来るのなら、私は。
 世界だって、必要ないと」



 ***



 雲を見てお腹がすく人間は総じて、食いしん坊と相場が決まっている。
 いや、たまたまお腹がすいていた人間もきっと、雲を見て腹の虫が鳴いたりするのだろうが。つぐみの場合は、それが昼食後であっても朝食後であっても変わりないのだから、やっぱり食いしん坊に該当するのだろう。
 抜けるような青空に、白い雲がひとつだけぽつんと浮かんでいる。ここのところの雨が嘘のような良い天気だ。サッカー日和だろう。そういえば、昔の部活仲間からお誘いが来ていたなと思い出す。行こうかどうしようか迷っていたけれど、今日のような日なら外に出るのも悪くはないのかもしれない。
 ただ、その前に腹ごしらえは大事というものだろう。――さっきから、あの一つだけ浮かんでいる雲が、美味しそうな綿菓子に見えて仕方ないのだ。

『お前のその能天気さが、俺は羨ましくて仕方ねーわ』

 電話の向こうで、彼が呆れたような声を出す。

『こっちは明日試合でピリピリしてるってのによー!相変わらずおまえ空気読まねーよな!』
「そんな楽しそうに言わないでくれる!?アタシだってねえ、真剣にいろいろ悩んだりするわけよ!そりゃーもういろいろ!」
『何だよいろいろって』
「いろいろは、いろいろ、なの!」

 全く、自分をからかってそんなに楽しいのだろうか。彼――鳴海涼介の声は、呆れていながらも弾んでいる。試合前でピリピリしているというのも嘘ではないのだろうが、多分それ以上に試合に出れることが嬉しくてならないのだろう。
 つぐみが涼介と再会してから、もうじき三年になる。
 涼介は相変わらずサッカーと距離を置いていて、正直なところ悪い仲間と付き合って荒んだ生活をしていたようだった。彼がどれだけサッカー馬鹿だったのかは、つぐみが一番よく知っている。自分の根幹というものを捨て去って、きっとどう生きればいいかわからなくなっていたのだろう。自分と別れてから何度か彼女もできたようだが、尽く長続きしなかったらしかった。
 まあ、涼介は優しいしイケメンだが。いかんせん、サッカーと料理くらいしか話題がない人物だ。女の子の流行とか、気の使い方だとか、まあそういうところに疎かったというのもあるのだろう。何より、彼自身が言うに、やけっぱちになっていたというのが大きかったらしかった。そのやけっぱちの原因の一つが自分と別れたことである、と聞いた時は――正直嬉しさより驚きが勝るくらいだったけども。

『中継入るんだから、ちゃんとテレビ見ろよな!つーか、今日はうちのチームの特番やるはずなんだし、録画しとけよ!でないとハッ倒すからな?』
「はいはい。わかってますって」

 録画ちゃんとしたっけ。そう思いつつ、つぐみはテレビをつけた。やっていたのはニュース番組で――つぐみは思わず顔をしかめることになる。
 番組のゲストとして出ていたのは、本多雅彦。ホンダネットワークスの社長だ。そういえば、もうすぐ後任に席を譲るらしいという話であったか。雅彦は元々TVの露出が多い人物だ。それだけに、彼を見ると、どうしても思い出してしまうことがある。
 TVの中で、キャスターと雅彦が話しているのが聞こえてきた。

『息子さんの悲劇の事件から、今日でちょうど三年が経過しますね。……本多社長。三年を区切りに、息子さんにはどのような報告を?確か、息子さんが亡くなるまえまでは、次の後任を息子さんに譲るおつもりだったという話も耳にしていますが』

 化粧が少し濃い、ベテランの女性キャスターが雅彦に尋ねている。そう、もうあの日から三年。つぐみは、時折いたたまれない気持ちになるのだ。どんな人間であろうと、政紀が雅彦にとって息子であったことには変わりない。つぐみは、裏で手を貸しただけとはいえ――彼から息子を奪った共犯者であることに、変わりはないのだ。
 政紀のしたことは、許しがたいことだった。だが、父親の雅彦に罪はない。政紀の愚行を止められなかった親の責任はあるとしても、それは罪とは少し違うだろう。

『ええ。……ですが、今となっては。後任を息子ではなく、成島さんに譲ることにして本当に良かったと思っているんです』
『そうなんですか?』
『はい。……私は本当に親バカな人間でした。息子を愛するばかりに、肝心なことが何も見えていなかった。息子の望むもの全てを与えるのが愛だとばかり思っていたんです。でも、そうではなかった。愛するのなら、時としてその望みを叶えないことも、叱ることも、同じだけ必要だったんです。……息子を奪った犯人達のことを許せるかというと、そんなことはありません。ただ、こうも思うのです。もしかしたら私と息子は、自分達の愚かさへの当然の報いを受けた、そういうことだったのかもしれない、と』

 三年前の、あの夜。ミリーとシェルは屋敷を脱出して逃亡し――そのまま、今に至るまで行方をくらましている。この国のどこかに潜伏しているとも、どこかの舟に密航して海外に逃げたとも、新たなパトロンを得て生活しているとも言われている。彼等がやったことは、事実上殺人未遂及び殺人罪。ホープ・コードとしては、主人への反逆という罪も含まれる。捕まれば破棄されるのは間違いないことだろう。だが、少くともこの三年、彼等の足取りをつかめるような情報は殆ど出てきてはいない。
 そして、つぐみと雄大は。暴走したホープ・コードに脅迫されたかわいそうな被害者として扱われ、殆ど罪には問われなかった。現実などそのようなものだ。皮肉なほどに、ミリーが計算した通りになったのである。つぐみと雄大が口を揃えて、自分達は脅されたのだと証言したことも大きい。
 本当は、同じものを背負いたかった。少しでも、それが自己満足だとしても、自分は自分の意思で彼等に従ったのだと言ってしまいたかったけれど。
 ここにきてミリー達の願いが何なのかわからないほど、つぐみも愚かではないつもりだった。彼等はやっと、二人だけの世界に飛び立つことができたのだ。自分はその足枷になってはならない。彼等を想うならできることはただひとつ。彼等のせいで不幸になった人間などいないのだと――少くとも自分は幸せなのだと。二人に誇れるような、生き方をすることだけだ。

『犯人達に捕まって欲しい反面。……今のホープ・コードに関する法律が少しでも改正されればと願うのも事実です。今の彼等に人権はない。心を与えられたにも関わらず、奴隷のように扱われ虐げられても、主人に反抗することはできない。したら最後、無条件で廃棄される未来が待っている。……そんな状況がなくなるのなら。きっと、息子のような悲劇は繰り返されずに済むのだと思います』

 ニュースでは、雅彦が沈痛な面持ちでそう語っている。――なんて出来た人間なのかと、思わずにはいられなかった。彼からすれば、ミリーとシェルの二人に残酷な刑罰を与えよと願ってもおかしくはないはずなのに。この事件がどうして起きたのか、その背景をここまで分析して、消化してこようとは。
 きっとその答えに至るまで、たくさんの葛藤があったのだろう。誰かを許すことは、憎むことよりも遥かに難しいことなのだから。

『おーい、どうしたよつぐみ?急に黙っちゃって』

 電話の向こうで、雄大が戸惑ったような声を上げる。その声に、つぐみは心の底から想うのだ。

「……ん。何でもないよ」

 幸せは、いつだって自分の傍にある。離れてしまった時初めて、そこにあった大切なものに気づくのだ。けれど、何もかも間に合わないなんてことはきっとない。失われた時間は戻らないとしても、新たに得られるものだってきっとあるはずで。
 つぐみは今、手の中にある宝物を。輝く日々を握りしめて、考えるのだ。

「愛する人と、自由に生きれるのって。この世界で一番の幸せだなって思って」



 ***



「悠!研究室で走り回っちゃ駄目だと何度言ったら分かるんですか!!」

 今日も今日とて、シオンは怒っている。クリスは麻里子と顔を見合わせ、思わず吹き出していた。シオンと同じ水色の髪の小さな少年が、好き勝手に走り回ってはシオンに追いかけられていた。
 二年前にシオンと、ご主人様である時枝瞬との間に生まれた子供である。名前は時枝悠。主人であり旦那でもある瞬が漢字一文字の名前であることもあって、子供の名前も漢字一文字にしたかったのだとシオンは言っていた。研究に忙しいというから、彼等の間に子供が生まれるのはだいぶ後になるかと思っていたのに、やることはしっかりやっていたらしい。
 というか、完全にラブラブだったと知って正直クリスは苦い顔になったものである。自分と麻里子は三年前からまるで進展していないというのに。なんていうかあれだ、リア充爆発しろというやつだ。膨らんできたお腹を撫でるシオンの隣で、瞬がツンデレかましながらデレデレしてたのもだいぶうざかったし。

「元気ですわね、悠くん。男の子はこうでないと、ね」
「麻里子さんほのぼのしてないで助けてください!ほらクリスも!」

 シオンが真っ赤になって叫んでいる。悠ときたらまだ二歳のくせに、悪知恵が働くというかなんというか。どこに隠れてどういう逃げ方をすれば母親から逃げられるのか熟知しているから面倒なのだ。研究所の人間達はまるで助けになってなどくれない。むしろ、可愛い子供が増えたとお菓子をやって餌付けしてくれる始末なのだという。

「男の子ってどうしてこんなに面倒くさいんですかね!一秒目を離したらもういないんだから!」

 おいそこ、どうして自分を見るんだ。クリスは思わずげんなりした。どうにも、シオンの中ではすっかりクリスは“面倒な男の子”にカテゴライズされているらしい。自分も一応ホープ・コードだし両性具有のはずなのだが。まったくもって解せない。

「いいじゃないですか、シオンさん。馬鹿な子供に手を焼くのも、大切な人の愚痴を漏らすのも、幸せの証ですわ」

 麻里子はクスクス笑う。彼女は知っている。三年前に、自分達の同胞が何をしたのかを。シオンとクリスがその彼等にどんな協力をしたのかも。
 だからこそ、きっと。笑うのだろうと思う。幸せがなんたるかを、噛み締めているからこそ。

――なあ、ミリー、シェル。お前らは今、どうしてる?……簡単に捕まったりなんかしたら、オレぁハッ倒すからな?

 クリスは窓の外を見て思う。三年。この三年でたくさんの事が変わって、同じくらい何も変わらずに世界は動いている。
 空は相変わらず青く澄み切っている。
 彼等も同じ空を、世界のどこかで見つめているのだろうか。



 ***



『三年前、当時二十四歳だったホンダネットワークス社長の長男、本多政紀さんを殺害したホープ・コードは未だに行方をくらましたまま見つかっていません』

 そのニュースは、休憩時間中の雄大もテレビで見ていた。神妙な顔つきのキャスターが情報提供を呼びかけている。ミリーとシェルの写真がアップで映し出される。

『二体のホープ・コードのうち、こちらの金髪の、ミリーという名前の個体は、自分の主人である鈴岡つぐみさんと、製造者である高橋雄大さんを脅迫して、本多政紀さんの別荘に侵入しました。その方法は単純かつ大胆なもので……』

 三年がちょうど経過するがゆえに、組まれた特集。同時に、ホンダネットワークスの社長の息子だったがゆえに、扱われ方も大きかったのだと言える。三年前の事件発生時。惨殺された青年に同情する者もいた反面、政紀の悪行がネット上で次々暴露され、父親はかなり肩身の狭い思いをしたはずだった。ホンダネットワークスの株価も暴落し、立て直すまでに三年を費やした。本来なら、三年前の時点で引退を考えていたはずの雅彦が、今にいたるまで社長の椅子に座ることになった最大の理由はそこにある。多くの一般人達が、ホープ・コードに恐怖心を抱く一方、世論の一部として口にしたのだった。あのドラ息子に天罰が下ったんだろう、仕方ない、と。
 どんなに馬鹿な息子でも、息子は息子だ。雅彦は相当辛い思いをしたに違いない。それでも心折れることなく会社を守り続けた彼は、息子とは違って大層立派な人物だったと言えるだろう。親馬鹿だったことだけが、玉に瑕だったと言うべきか。

――俺は結局罪に問われることも何もなかったけど。……忘れちゃいけないんだ。犯罪の片棒担いだのは、事実なんだから。

 同時に、雄大は思うのである。自分は、ミリー達の望んだとおりとはいえ、彼等に罪を全ておっかぶせて今もなおのうのうと生き続けている。誰が知らずともその罪は、一生自分自身で背負っていくべきものなのだろう、と。
 そして、弱くて愚かな人間である自分にもできることを、自分にしかできないことを。未来永劫探し続けていかなければならないのだ。それがミリー達の運命を縛り付けて苦しめ、彼等が人を殺すことを許容した自分にできる唯一の贖いなのだから。

「うわあああん!リオンのばか!もう知らないいいい!」

 がしゃん、と部屋の向こうで大きな音がした。この展開どっかで見たことあるぞ、と思いつつ雄大は腰を上げる。最近よく喧嘩している問題児のホープ・コード達がいるのだ。リオンはそのひとり。今の甲高い声は、リオンと日々殴りあいの喧嘩を繰り広げているアニアだろう。

――お前達に心を与え、役目を与えたのは人間だ。でもそれは、けして。お前達を苦しめ、奴隷にする為じゃないはずなんだ。

 アンドロイドと人間。自分達はきっと、共存できる未来があるはずだ。どちらが上でも下でもなく。等しく互いを愛し、手を取り合って生きていく未来が。
 その礎を築けるまで、高橋雄大は歩き続ける。いつか鳥籠を飛び出した彼等にも、胸を張って誇ることができるように。



 ***



 遠い遠いどこかの地。
 雲ひとつない快晴の空の下、浜辺を小さな子供がはしゃぐように駆けていく。人間には珍しい銀髪が、太陽の下でキラキラと輝いている。

「ままー!」

 子供はきゃっきゃと笑いながら、木陰に立っていた長身の人影に抱きついていた。中性的な美貌ながら、一見青年にも見えるその人物は、困った顔で子供の頭を撫でる。

「今度は何を見つけたんだ、太陽。って砂だらけで俺に抱きつくなと何回言えば分かるんだ……」
「汚れても洗えばいいってミリーがゆってたもん!」
「あのなあ……」

 悪びれもせず言う子供に、青年はため息をつく。そして、顔を上げて言った。

「あんまり太陽を甘やかすな、ミリー。こいつますます悪ガキになってくんだが。俺の言うことなんざ聞きゃしない」

 その声に、ひょこり、とワンピース姿の少女が木陰から顔を出して言うのである。金髪に青い目のその少女は、片方の腕が無い。
 それでも、そんな障害などまるで気にすることのないというように、少女は笑う。心から幸せそうに、笑うのだ。

「いいじゃない、子供は風の子、だよ!多少汚れてもいいじゃない。わたし、お外で元気に遊びまわる太陽くん、すごくいいと思うよ。ていうか、わたしも一緒に遊んじゃおうかな!」

 太陽の下を歩く彼等を、遮るものはもはや無い。



「シェルも一緒に遊ぼうよ!わたしたちには、いくらでも時間があるんだから!」



 日の光は今、人あらざる者であっても、平等に降り注いでいる。


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