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<8・マサユキのスローライフ>
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「うんうん、今日もいい天気だ!ハーブがよく育つ!」
額に浮いた汗を拭って、マサユキはうーん、と伸びをした。今熱心に育てているミナギハーブは、他のハーブ種と違ってとにかく日照時間の長さが重要になってくる。水をこまめにあげつつ、一定時間日光に当ててあげなければきちんと育ってはくれない。大きくなればハーブとして香料になるだけではなく、薬としても有用なのだと本には書いてあった。収入源にもなるし、これは是非とも栽培を成功させねばなるまい。
異世界転生、万々歳だ。そう言ったらあのマーテルとかいう女神は少し驚いた顔をしていた。ひょっとしたら、特に選別して自分を“勇者”にしたわけではなかったのだろうか。てっきり、現代日本にあきあきしていたり、愛想を尽かしている人間からその対象を選んだとばかり思っていたというのに。あの様子だと、そういう“選別”を行う手間さえ惜しんで、本当に適当に選んだだけのように見えてならない。普通ならば、とんだ迷惑だと激怒しても仕方ないことだろう。実際自分も、普通に道を歩いていたら信号無視のトラックにぶつかってドッカン!というお約束を踏んだわけなのだから。
まあ、結果として“自分だったから”良かったわけだけれど。元々、日本で年下の上司にコキ使われ、部下には嫌われ、家に帰っても誰もいない――という淋しい独り身生活だったのである。田舎の両親からはもう完全に見捨てられたのか、近年は“いい人はいないの?”なんて声をかけられることさえなかった。仕事はしているものの、社会の歯車として必死についていくだけで精一杯、息をしているだけの人間に成り果てていたのだ。イケメンでもなければスキルがあるわけでもない、何か得意と言えることも殆どない――そんな自分がどうして、現世に未練なんてものを持つことができるというのだろう。
だから。この異世界転生が完全に一方通行で、現世の自分はトラックに撥ねられて死んだという話を聴いても。特になんの感慨もなかったし、“だから?”というのが正直な感想だった。痛い思いをしたことだけは頂けないが、あんな夢も希望もない世界で朽ちていくだけなら、剣と魔法の夢のようなこの世界に転生した方が百倍面白そうというものである。しかも勇者になれば、好きなチート能力をもらえるという話ではないか。女神はどうやら“世界を平和にするための力を選んで”くれれば何でもいいという口ぶりだったので、マサユキは“ライトノベルでよく見かけるような、平和なスローライフ生活ができる農業のチートっぽい力をください”とお願いしてみたのだった。
実は、マサユキは元々は農業系の大学の出身であったりする。人間関係で揉めた結果何もかも嫌になってしまい、結果高い授業料を払ったにも関わらず中退してしまったけれど。あくまで嫌なのは面倒くさい人間関係だけであって、土いじりや植物を育ててまったり暮らし、は大好きなのだ。
――うざい命令してくる奴もいなければ、面倒に巻き込まれることもない!自分だけの農園で、死ぬまでまったりスローライフ……!これこそ俺が長年望んでいた本当の人生ってやつだよな!
ゆえに今、リア・ユートピアの大陸の西の地域――女神マーテルの支配区域にて、マサユキは自分の農園を貰ってまったり生活をエンジョイしているというわけである。この世界ではモンスターが出たり天災が起きたりと色々あるようではあったが、マサユキが“スローライフをエンジョイしたいんだから邪魔するな”と念ずれば全て簡単に断ることができた。勇者だからモンスター退治をて伝えとか、それができなくても育てた薬草を使って後方支援を手伝って欲しいとか。そんなもの、どうして自分がやらなくてはいけないのか。そんな馬鹿らしいことに時間を使う暇があるなら、ずっと土いじりをしていた方が有用であるに決まっているのである。
そもそも、望んで勇者になると言ったわけでもない。チート能力をくれるというから承諾はしたものの、だから“世界を守るために戦います”なんて約束は一切していないのだ。そもそも、スローライフ能力でどうやって敵と戦えというのか。それを承諾したのだって女神その人である、文句があるなら女神に言えと言いたいところ。こちとら、チートなのは己の農地を広げて円滑なスローライフを実現することだけで、戦闘能力なんぞは普通の一般人となんら変わらないのだから尚更だ。
「モンスター退治だの、戦争だの。そんなのこの世界の連中だけで勝手にやっててくれって話だよなあ。俺には関係ないない、そう思わないかジーン?」
「え、ええ……」
そんなマサユキの傍で、麦わら帽子を被って佇んでいるのは。色白で尖った耳を持つ美しいエルフの少女――ユージーンである。
自分には、他人を奴隷にして従わせる能力なんてものはない。だから、彼女が何もかも望んで此処にいるわけではないということはわかっている。泳ぐ視線が、全てを物語っていることだろう。
それでも、彼女が此処にいるしかないのはひとえに、マサユキの“どんな事情があろうと状況であろうとスローライフを実現させる力”ゆえのことである。
彼女は元々は、西の地域にあるエルフたちが住む村の農家の娘であった。そこが、マサユキが“ハーブ農園を増やしたい”と願って能力を発動させた結果、彼女の家の農地がそのままこちらに転移してきたのである。どうやらマサユキが望めば、現在の土地に隣接して“必要な農地”がどこかの土地と交換する形で供給される仕組みであったらしい。確かに、そこに本来あったのは殆ど荒地にも近い場所だった。イチから開拓するのは非常に手間で、そもそも開拓できるかも怪しい地質である。ならば能力を発動して、既に開墾済みの土地を入手した方が遥かにたやすいというものだ。
マサユキの能力で、強制的に自分の土地と荒地を交換させられたユージーンの一家は困り果てて、土地を返してくれるようにマサユキのところまでやって来たのである。何度か能力を発動させるうち、マサユキが土地を求めると別の土地と交換になるということには気づいていたので、そういうクレームが来ることは想定内と言えば想定内であった。今までにも同様の現象が起きて、土地の本来の持ち主が場所を返して欲しいと言い出してきたから尚更である。きっと彼らのあいだでも“不自然な土地の転移が発生したら基本的に勇者のせい”であるという話が広まってはいたのだろう。
しかし、だから“じゃあ返すわ”というわけにもいかないのがこちらの事情である。なんせ、あんな石ころだらけの乾いた土地をイチから一人で開墾などできるはずがない。ただでさえ農園を大きくしすぎて、そろそろ人手が足らなくて困っていたところだ。そして、彼らが育てたハーブ農園なかなかいい出来栄えで、自分のまったり幸せ生活のためには絶対に手放したくないような場所である。ゆえに。
『だから、俺はただスローライフを実現させたいだけなんだよなあ。邪魔しないでくれよ、あんたらの土地だったのは気の毒だけどさ、文句なら俺にこんな能力を渡した女神に言ってくんねぇかなあ?』
能力を、使った。“スローライフを送りたい勇者の邪魔をしようとしている”と見なされた彼らは、マサユキの土地に踏み入れた途端不自然な事故に見舞われることになるのである。突然地盤沈下が起きて大きな穴に落下したり、木が倒れてきて下敷きになったり、だ。
そして同時に、“スローライフ生活に人手が必要”だし“可愛い女の子もやっぱり必要”と判断して、一家でもっとも可愛らしい見た目であったユージーンを強制的に労働力として起用することにしたのである。能力を使って労働力として使われることになった彼女は、一日のうち食事や睡眠といった時間以外の全てをマサユキの農園の手伝いで過ごさなければいけない枷が与えられる。つまり、家に帰る時間はなく方法はない。拘束されていない睡眠時間などに逃げ出そうとしても、同じ睡眠時間のうちに体が勝手に動き、マサユキのところまで戻ってきてしまう魔法がかけられているのだから。
彼女は此処にいるしかないし、マサユキが望めば“農園の手伝い”以外も奉仕しなければいけない。なんて気分がいいのだろう。可愛らしい見目の、現代日本で言えば高校生くらいの少女を自分が思うようにすることができるなんて。
「どうしたよ、ジーン。まさか納得してないとでも?」
不満があるのは知っている。だからこそわざと、マサユキは彼女の顔を覗き込んで尋ねるのだ。
意思は強制できない。それでも体は強制される。だからこそ、その心をゆっくりと折っていくのは実に支配欲を満たされるのだ。派手な暴力など必要ない。起きている時間の殆どを、好きでもなんでもない男のために奉仕することに使われるのだ。ただそれだけに見えることが、実際彼女にとってどれほどのストレスになっていることか。
現代日本にいた時にちょいちょいとお世話になっていたエロゲーを、自分で実践している気分だ。あの時はただ、眺めているだけだった。しかし今、自分はこの異世界で、己が本当の主人公という形で好きな相手を好きなように動かすことができるのである。
――世界のために戦うとか、そんなのクソくらえだ。俺は俺のやりたいようにやるんだ。どうせ、こんなゲームの中みたいな世界がどうなったって俺には知ったこっちゃないんだからよ!
カタカタと震えだす少女の肩に手を置いて、どうしたあ?と再び問いかける。ユージーンはぶんぶんと首を振って告げた。
「そんなことありません、ありません……!た、正しいのは、マサユキ様です……!」
言葉で反抗することは、許されている。けれどそれをしたら最後、彼女はいつもよりも酷い罰が課せられることを身をもって知っているのだ。この間は下剤を盛って排泄を散々我慢させた後で、そのまま外に追い出したてて一晩放置したのである。結果どうなったかなど、語るまでもないだろう。相当な心の傷になっていることは想像に難くない。
「だろ?そうだろ?……だからこれからもよろしくな……一生」
彼女が馬車馬のように働いてくれても、そろそろまた手が足りなくなってきた頃だ。奴隷をまた増やしてもいいだろうか、と男は笑いながら思う。
自分こそ、この世界の王なのだ。自分は永遠に、自分のためだけのこの場所で生きていくのだと、そう思いながら。
額に浮いた汗を拭って、マサユキはうーん、と伸びをした。今熱心に育てているミナギハーブは、他のハーブ種と違ってとにかく日照時間の長さが重要になってくる。水をこまめにあげつつ、一定時間日光に当ててあげなければきちんと育ってはくれない。大きくなればハーブとして香料になるだけではなく、薬としても有用なのだと本には書いてあった。収入源にもなるし、これは是非とも栽培を成功させねばなるまい。
異世界転生、万々歳だ。そう言ったらあのマーテルとかいう女神は少し驚いた顔をしていた。ひょっとしたら、特に選別して自分を“勇者”にしたわけではなかったのだろうか。てっきり、現代日本にあきあきしていたり、愛想を尽かしている人間からその対象を選んだとばかり思っていたというのに。あの様子だと、そういう“選別”を行う手間さえ惜しんで、本当に適当に選んだだけのように見えてならない。普通ならば、とんだ迷惑だと激怒しても仕方ないことだろう。実際自分も、普通に道を歩いていたら信号無視のトラックにぶつかってドッカン!というお約束を踏んだわけなのだから。
まあ、結果として“自分だったから”良かったわけだけれど。元々、日本で年下の上司にコキ使われ、部下には嫌われ、家に帰っても誰もいない――という淋しい独り身生活だったのである。田舎の両親からはもう完全に見捨てられたのか、近年は“いい人はいないの?”なんて声をかけられることさえなかった。仕事はしているものの、社会の歯車として必死についていくだけで精一杯、息をしているだけの人間に成り果てていたのだ。イケメンでもなければスキルがあるわけでもない、何か得意と言えることも殆どない――そんな自分がどうして、現世に未練なんてものを持つことができるというのだろう。
だから。この異世界転生が完全に一方通行で、現世の自分はトラックに撥ねられて死んだという話を聴いても。特になんの感慨もなかったし、“だから?”というのが正直な感想だった。痛い思いをしたことだけは頂けないが、あんな夢も希望もない世界で朽ちていくだけなら、剣と魔法の夢のようなこの世界に転生した方が百倍面白そうというものである。しかも勇者になれば、好きなチート能力をもらえるという話ではないか。女神はどうやら“世界を平和にするための力を選んで”くれれば何でもいいという口ぶりだったので、マサユキは“ライトノベルでよく見かけるような、平和なスローライフ生活ができる農業のチートっぽい力をください”とお願いしてみたのだった。
実は、マサユキは元々は農業系の大学の出身であったりする。人間関係で揉めた結果何もかも嫌になってしまい、結果高い授業料を払ったにも関わらず中退してしまったけれど。あくまで嫌なのは面倒くさい人間関係だけであって、土いじりや植物を育ててまったり暮らし、は大好きなのだ。
――うざい命令してくる奴もいなければ、面倒に巻き込まれることもない!自分だけの農園で、死ぬまでまったりスローライフ……!これこそ俺が長年望んでいた本当の人生ってやつだよな!
ゆえに今、リア・ユートピアの大陸の西の地域――女神マーテルの支配区域にて、マサユキは自分の農園を貰ってまったり生活をエンジョイしているというわけである。この世界ではモンスターが出たり天災が起きたりと色々あるようではあったが、マサユキが“スローライフをエンジョイしたいんだから邪魔するな”と念ずれば全て簡単に断ることができた。勇者だからモンスター退治をて伝えとか、それができなくても育てた薬草を使って後方支援を手伝って欲しいとか。そんなもの、どうして自分がやらなくてはいけないのか。そんな馬鹿らしいことに時間を使う暇があるなら、ずっと土いじりをしていた方が有用であるに決まっているのである。
そもそも、望んで勇者になると言ったわけでもない。チート能力をくれるというから承諾はしたものの、だから“世界を守るために戦います”なんて約束は一切していないのだ。そもそも、スローライフ能力でどうやって敵と戦えというのか。それを承諾したのだって女神その人である、文句があるなら女神に言えと言いたいところ。こちとら、チートなのは己の農地を広げて円滑なスローライフを実現することだけで、戦闘能力なんぞは普通の一般人となんら変わらないのだから尚更だ。
「モンスター退治だの、戦争だの。そんなのこの世界の連中だけで勝手にやっててくれって話だよなあ。俺には関係ないない、そう思わないかジーン?」
「え、ええ……」
そんなマサユキの傍で、麦わら帽子を被って佇んでいるのは。色白で尖った耳を持つ美しいエルフの少女――ユージーンである。
自分には、他人を奴隷にして従わせる能力なんてものはない。だから、彼女が何もかも望んで此処にいるわけではないということはわかっている。泳ぐ視線が、全てを物語っていることだろう。
それでも、彼女が此処にいるしかないのはひとえに、マサユキの“どんな事情があろうと状況であろうとスローライフを実現させる力”ゆえのことである。
彼女は元々は、西の地域にあるエルフたちが住む村の農家の娘であった。そこが、マサユキが“ハーブ農園を増やしたい”と願って能力を発動させた結果、彼女の家の農地がそのままこちらに転移してきたのである。どうやらマサユキが望めば、現在の土地に隣接して“必要な農地”がどこかの土地と交換する形で供給される仕組みであったらしい。確かに、そこに本来あったのは殆ど荒地にも近い場所だった。イチから開拓するのは非常に手間で、そもそも開拓できるかも怪しい地質である。ならば能力を発動して、既に開墾済みの土地を入手した方が遥かにたやすいというものだ。
マサユキの能力で、強制的に自分の土地と荒地を交換させられたユージーンの一家は困り果てて、土地を返してくれるようにマサユキのところまでやって来たのである。何度か能力を発動させるうち、マサユキが土地を求めると別の土地と交換になるということには気づいていたので、そういうクレームが来ることは想定内と言えば想定内であった。今までにも同様の現象が起きて、土地の本来の持ち主が場所を返して欲しいと言い出してきたから尚更である。きっと彼らのあいだでも“不自然な土地の転移が発生したら基本的に勇者のせい”であるという話が広まってはいたのだろう。
しかし、だから“じゃあ返すわ”というわけにもいかないのがこちらの事情である。なんせ、あんな石ころだらけの乾いた土地をイチから一人で開墾などできるはずがない。ただでさえ農園を大きくしすぎて、そろそろ人手が足らなくて困っていたところだ。そして、彼らが育てたハーブ農園なかなかいい出来栄えで、自分のまったり幸せ生活のためには絶対に手放したくないような場所である。ゆえに。
『だから、俺はただスローライフを実現させたいだけなんだよなあ。邪魔しないでくれよ、あんたらの土地だったのは気の毒だけどさ、文句なら俺にこんな能力を渡した女神に言ってくんねぇかなあ?』
能力を、使った。“スローライフを送りたい勇者の邪魔をしようとしている”と見なされた彼らは、マサユキの土地に踏み入れた途端不自然な事故に見舞われることになるのである。突然地盤沈下が起きて大きな穴に落下したり、木が倒れてきて下敷きになったり、だ。
そして同時に、“スローライフ生活に人手が必要”だし“可愛い女の子もやっぱり必要”と判断して、一家でもっとも可愛らしい見た目であったユージーンを強制的に労働力として起用することにしたのである。能力を使って労働力として使われることになった彼女は、一日のうち食事や睡眠といった時間以外の全てをマサユキの農園の手伝いで過ごさなければいけない枷が与えられる。つまり、家に帰る時間はなく方法はない。拘束されていない睡眠時間などに逃げ出そうとしても、同じ睡眠時間のうちに体が勝手に動き、マサユキのところまで戻ってきてしまう魔法がかけられているのだから。
彼女は此処にいるしかないし、マサユキが望めば“農園の手伝い”以外も奉仕しなければいけない。なんて気分がいいのだろう。可愛らしい見目の、現代日本で言えば高校生くらいの少女を自分が思うようにすることができるなんて。
「どうしたよ、ジーン。まさか納得してないとでも?」
不満があるのは知っている。だからこそわざと、マサユキは彼女の顔を覗き込んで尋ねるのだ。
意思は強制できない。それでも体は強制される。だからこそ、その心をゆっくりと折っていくのは実に支配欲を満たされるのだ。派手な暴力など必要ない。起きている時間の殆どを、好きでもなんでもない男のために奉仕することに使われるのだ。ただそれだけに見えることが、実際彼女にとってどれほどのストレスになっていることか。
現代日本にいた時にちょいちょいとお世話になっていたエロゲーを、自分で実践している気分だ。あの時はただ、眺めているだけだった。しかし今、自分はこの異世界で、己が本当の主人公という形で好きな相手を好きなように動かすことができるのである。
――世界のために戦うとか、そんなのクソくらえだ。俺は俺のやりたいようにやるんだ。どうせ、こんなゲームの中みたいな世界がどうなったって俺には知ったこっちゃないんだからよ!
カタカタと震えだす少女の肩に手を置いて、どうしたあ?と再び問いかける。ユージーンはぶんぶんと首を振って告げた。
「そんなことありません、ありません……!た、正しいのは、マサユキ様です……!」
言葉で反抗することは、許されている。けれどそれをしたら最後、彼女はいつもよりも酷い罰が課せられることを身をもって知っているのだ。この間は下剤を盛って排泄を散々我慢させた後で、そのまま外に追い出したてて一晩放置したのである。結果どうなったかなど、語るまでもないだろう。相当な心の傷になっていることは想像に難くない。
「だろ?そうだろ?……だからこれからもよろしくな……一生」
彼女が馬車馬のように働いてくれても、そろそろまた手が足りなくなってきた頃だ。奴隷をまた増やしてもいいだろうか、と男は笑いながら思う。
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