【完結】逆行騎士は己の意志を貫きたい

琉海

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はじまり(2)

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しかし、メルロ様の側にいて自分がどれだけ色眼鏡で見ていたか思い知らされた。

メルロ様は王族でありながら味方の少ないその場所で自分の居場所、存在意義を見つける為に必死だっただけなのだ。悪い噂も本物じゃなかった。それなのに調べもせずに鵜呑みしていた。

俺の行動、考え方がどれだけ愚かで幼稚だったのか胸に刺さる程に思い知らされた。死んで詫びたい。

そう思った事もあったが、それが自己満足である事に気づいた時、メルロ様に忠誠を誓い命に代えてもお守りすると決意した。


だが、今さら口にするには初めの態度が悪すぎた。

『ディエゴのお人形サマは案外分かりやすいな。ホントの主人以外には従えないってか?』

表情が変わらず、喋りもしない。そんな姿を揶揄してメルロ様からは人形と呼ばれていた。特に何も感じていなかった。何を言われても、されても、俺の中でのメルロ様はその程度の相手だったから。口には出していなかったが、やはり態度で伝わっていたのだろう。

『人形如きが俺を見下してんじゃねえ』

その言葉を最後にメルロ様は俺の事を無いものと捉え、此方を見なくなった。


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