【完結】逆行騎士は己の意志を貫きたい

琉海

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叶えたい願い(2)

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だから途中で考え方を変えた。どうしても起こる出来事なら一つだけ防ぎたい事がある。この時にメルロ様は顔を怪我する。

一生残る傷だ。その傷を鏡で見る度にメルロ様はこの日の事を、その後の日々を思い出しては憂えていたのかもしれない。そう考えると怪我をする事だけは防いであげたかった。

このまま無事に通り過ぎれれば良い。そう思った瞬間、メルロ様に突き飛ばされる。

「メルロ様!?」

たたらを踏んで倒れかけた体に静止する。顔を前を向けばメルロ様の側にフードを被った男が走り寄り袖の中に隠していた短刀を構えた。

「離れろ、レイヴィアス!!!」

初めて名前を呼んでくれた。嬉しいはずなのに、そんな事を気にする余裕はなかった。

「チッ」

振り下ろされた短剣を寸での所でメルロ様が交わす。だが避けるだけで武器は持っていないから反撃が出来なかった。

いつの間にか男がもつ武器が双剣に変わってる。片方は避けたメルロ様だったが、もう片方の剣は避けきれずに顔目掛けて振り上げられた。

記憶が瞬時に流れ込む。顔に傷のあるメルロ様だ。

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