辺境の侯爵家に嫁いだ引きこもり令嬢は愛される

狭山雪菜

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結婚式2

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「まぁ…美しいわ、ソフィア」
私の側に寄り手を取るお母様の瞳が潤み、泣きそうだ。
「…お母様」
「貴方が結婚なんて…夢のようだわ」
母の溢れた涙が零れ、頬を伝う。私が身体が弱いばかりに、いろいろな苦労を掛けたのを思い出し私も涙が零れる。
「…お母様、今まで本当にありがとうございます、私の身体が…」
過去の出来事を思い出して苦い思いが込み上げる。
「ソフィア、いいのよ…私も元気な身体に産めなくてごめんなさいね」
私の肩に手を置き、否定してくれる優しい母。
「そんなっ…良くしてくださりましたわっ」
なおも、口を開く私に、微笑む母は、
「ソフィア、お化粧が崩れてしまうわ…一生に一度なのよ」
母は私の目元にハンカチで優しく拭い、ショウに視線を向けた。ショウは、一礼すると
「お嬢様、こちらへ」
と泣いてしまったために崩れた、目元を軽くお化粧なおしをした。

父と母と談笑しているキースの横に戻ると、キースは私の腰に腕を回し引き寄せる。私も抵抗する事なく彼の胸に肩が触れる。
そんな私達の様子に母は、まぁ、と喜び、父は口をわなわなと震わせた。
「…ソフィア…まさか」
父はだんだんと青ざめると、キースが
「私達はなれて幸せです」
私の腰から肩に手を置き、私を見つめる視線は優しい。
「…はい、私も…キース様と結婚する事が出来て幸せです」
2人で視線を絡め見つめ合う姿に、父はがっくりと落ち込んだ。

「…あなた」
「………言うな」
母の咎める声に父が涙を流していた事など、キースを見つめていた私は気がつかなかった。



*******************



2人が見つめ合う中で誓いのキスが行われ、2人は正式な夫婦になった。
少数の親族と領民しかいない式は、美しい花嫁に見惚れ、新郎も終始目を細め幸せを噛み締めていた。







控室に戻ると涙を流すショウを宥めていると、着替えてもいないキースがやってきて攫うように教会から連れ出す。

「キース様…まだ披露宴が」
「夜に屋敷でだろう、それまでは…」
彼の膝の上で馬車に乗り、やっと自分の置かれている状況を理解したソフィアが、キースに告げるも早く帰りたいと返され、腰を支える手が強く押さえつけられた。
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