11 / 41
変化2
しおりを挟む
しばらくただ指を絡めたままくっついていた
「………そろそろ行くか」
との渡辺の声に頷き、手を解きトレーにあった残りのハンバーガーとジュースに手を取る
ーー手が離れちゃった
手を離さないと食べられないって分かっているけど寂ししいな、などと思い
チラッと渡辺を見るけど、同じようにハンバーガーを食べていた
トレーをサッと片付けて、2人でお店を出た
外はまだ夕暮れで
店を出てすぐ掴まれる手に自分から握り返すが、いつもとは違い指が絡む恋人繋ぎにされる
先程のお店での中のキスを思い出してしまい、恥ずかしくて、渡辺の腕に頬を押し付け抱きついた
そのままお互い何も喋らず歩き出した2人の足音だけが聞こえる
もうすぐ家に着く手前のいつもの歩道に差し掛かり
立ち止まる渡辺と隣が立ち止まったために止まった私
「…公園行く?」
「…うん」
まだ別れたくなくて渡辺の提案が嬉しい
ーー恥ずかしくてまだ顔見れていないけど。
歩き出した渡辺に手を引かれ来た道を戻り近くの公園へ
着いた先は児童公園2号と彫られている石碑が置かれている滑り台とブランコ、ベンチと木が生い茂っている見渡せる小さな公園だった
手を引かれるままについて行き、ブランコの前にある柵に腰掛けた渡辺が私の手を引いて
彼の前に立ち止まった私は視線が下の渡辺が足を開いたので間に向かい合って立った
「…なんで目が合わないの?」
「………それは……恥ずかしいのですよ」
「…なんで敬語?」
「……わかりません…………ふふっ」
淡々としたやり取りに可笑しくて笑ってしまい、そんな私を見て渡辺もふっと笑う
「ふふっ……わっ」
いきなり軽く右手を引かれバランスを崩し渡辺の肩に手を置き寄掛かろうとするが、引き寄せられる力は強く、腰に回った手は私を支えてくれ渡辺の片方の太ももに座ってしまう
私の右手を握ったまま、片方の手は腰に…抱きしめられるように背中は彼の腕が支えた
いつもの別れる前の軽いハグではなく抱きしめられていると強く感じた
びっくりして一瞬固まるが、嗅ぎ慣れた匂いが私を包み安心して肩を渡辺の身体につける
「…重くない?」
と聞くも、重いって言われたら嫌だなぁとしょんぼりしていると
「別に」
といつものように簡潔に言われる
……渡辺らしいな、と気にせず渡辺の胸に頬をつけた
握られた右手は甲を撫でられて擽ったい
「明日からテストで多分俺は午前中で終わるけど…明日はどうする?」
低い声が頭上から聞こえ、ドキドキする
「明日…は…まだ5限だから、今日みたいな時間になると思う」
明日の予定を思い出しながら告げる
「……なら明日は今日と同じ時間にホームで待ってるよ…それとも改札前の方がいい?」
「えっ!でも…そうしたらすごく待ってもらうことになっちゃうよ!」
驚いて、彼の胸から顔を上げたら私を見ていた渡辺と視線が合う
「どこか…で…勉強でもして時間を潰すよ」
「えっ…でもでも!」
流石に悪いなと思って断ろうと口を開くが
「先週から…ずっと一緒に居たし…変なヤツに声掛けられたら嫌だから」
ときっぱり真剣な顔で言われたので
「…迷惑じゃなければ…お願い」
とこちらからもお願いした
ーー明日も会える…嬉しい
また彼の胸に頬を寄せたら渡辺は握っていた手に力を入れたので、握り返して彼の鼓動を聞いて帰るまでの僅かな時間を満喫していた
「………そろそろ行くか」
との渡辺の声に頷き、手を解きトレーにあった残りのハンバーガーとジュースに手を取る
ーー手が離れちゃった
手を離さないと食べられないって分かっているけど寂ししいな、などと思い
チラッと渡辺を見るけど、同じようにハンバーガーを食べていた
トレーをサッと片付けて、2人でお店を出た
外はまだ夕暮れで
店を出てすぐ掴まれる手に自分から握り返すが、いつもとは違い指が絡む恋人繋ぎにされる
先程のお店での中のキスを思い出してしまい、恥ずかしくて、渡辺の腕に頬を押し付け抱きついた
そのままお互い何も喋らず歩き出した2人の足音だけが聞こえる
もうすぐ家に着く手前のいつもの歩道に差し掛かり
立ち止まる渡辺と隣が立ち止まったために止まった私
「…公園行く?」
「…うん」
まだ別れたくなくて渡辺の提案が嬉しい
ーー恥ずかしくてまだ顔見れていないけど。
歩き出した渡辺に手を引かれ来た道を戻り近くの公園へ
着いた先は児童公園2号と彫られている石碑が置かれている滑り台とブランコ、ベンチと木が生い茂っている見渡せる小さな公園だった
手を引かれるままについて行き、ブランコの前にある柵に腰掛けた渡辺が私の手を引いて
彼の前に立ち止まった私は視線が下の渡辺が足を開いたので間に向かい合って立った
「…なんで目が合わないの?」
「………それは……恥ずかしいのですよ」
「…なんで敬語?」
「……わかりません…………ふふっ」
淡々としたやり取りに可笑しくて笑ってしまい、そんな私を見て渡辺もふっと笑う
「ふふっ……わっ」
いきなり軽く右手を引かれバランスを崩し渡辺の肩に手を置き寄掛かろうとするが、引き寄せられる力は強く、腰に回った手は私を支えてくれ渡辺の片方の太ももに座ってしまう
私の右手を握ったまま、片方の手は腰に…抱きしめられるように背中は彼の腕が支えた
いつもの別れる前の軽いハグではなく抱きしめられていると強く感じた
びっくりして一瞬固まるが、嗅ぎ慣れた匂いが私を包み安心して肩を渡辺の身体につける
「…重くない?」
と聞くも、重いって言われたら嫌だなぁとしょんぼりしていると
「別に」
といつものように簡潔に言われる
……渡辺らしいな、と気にせず渡辺の胸に頬をつけた
握られた右手は甲を撫でられて擽ったい
「明日からテストで多分俺は午前中で終わるけど…明日はどうする?」
低い声が頭上から聞こえ、ドキドキする
「明日…は…まだ5限だから、今日みたいな時間になると思う」
明日の予定を思い出しながら告げる
「……なら明日は今日と同じ時間にホームで待ってるよ…それとも改札前の方がいい?」
「えっ!でも…そうしたらすごく待ってもらうことになっちゃうよ!」
驚いて、彼の胸から顔を上げたら私を見ていた渡辺と視線が合う
「どこか…で…勉強でもして時間を潰すよ」
「えっ…でもでも!」
流石に悪いなと思って断ろうと口を開くが
「先週から…ずっと一緒に居たし…変なヤツに声掛けられたら嫌だから」
ときっぱり真剣な顔で言われたので
「…迷惑じゃなければ…お願い」
とこちらからもお願いした
ーー明日も会える…嬉しい
また彼の胸に頬を寄せたら渡辺は握っていた手に力を入れたので、握り返して彼の鼓動を聞いて帰るまでの僅かな時間を満喫していた
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
117
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる