僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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はじまりと記憶

僕は転生者!

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 皆さんこんにちは。僕は可憐な美少女シシリーことシンリ・ディーレクトゥスといいます。

 シンリが名前ね。
 
 因みに、勘違いしてるかもしれないけど本当は男だから。美少女シシリーは仮の姿だからね!

 年齢は12歳。
 えっ、12歳にしては大人びてるって?



 突然ですが、皆様は転生と言うものを信じますか?

 僕は信じます。
 だって、僕がそうなんですよ。だから、大人びてるって云われても、当然なんだよね。
 僕は前世では、地球という世界で天堂神無という日本人だった。そこで僕は、至ってな生活を送っていたし、重度のゲーマーでもあったかな。


 僕が初めて前世の記憶を取り戻したのは、ひとり寝の寂しさに慣れ始めた5歳の頃。
  きっかけはなんだったのか、それは何時もと変わらぬ日常の夢の中でだった。

 ベットに潜り、去年までは共にあった母様の温もりがないことに涙が出そうだったが目尻に滲んだそれを掛け布団で拭い、独りでいる暗闇に胸のなかで不安を抱きながら眠りに入った。




 この日見た夢はとても現実的で暖かい物。
 どこまでも続く真っ白な世界、そこにポツンと不釣り合いな豪華絢爛な椅子が
 2つは大人が座る大きめで、残りはそれよりも小振りな形をしている。

 その場所を脳が認識した時、頭にはまるで映画を見ているような映像が流れた。他人事の様なその映像が何故か懐かしく思ったとき、ストンと自分の中に入り込んできた。

 それは、かつての僕だった者の記憶。

 かつての記憶は今の僕の記憶と馴染み、反発しあう事もなくいとも簡単に馴染んだ。


 記憶が戻り改めてここは何処だ。何でこんなところに居るんだろう等と思いながら周りを見回すと、霞がかかった記憶の中で誰かとここに来た様な懐かしい感じがするのがわかった。

 はっきりと思い出せない記憶にイラついていたが、いつの間にか椅子の1つには誰かが座っていたのに気が付いた。
座っていたのは、銀糸の様な金糸の様な光の色合いの髪をしたテライケメンさん(爆発しろ!)。


 その人物に手招きをされて、近寄るとそのイケメンさん具合がさらにはっきりする。
透き通った肌に、彫りの深い顔立ち。髪と同じ色の睫毛は長く、そこから覗くロゼ色の瞳が嵌まった切れ長の目。
 けして幻想でないキラキラオーラがこの者がただ者ではないのを教えてくれた。

うん、マブシイナァ、メガツブレチャウヨ。

なんて思っているとイケメンさんは近寄った僕にまさに光り輝くような、神々しいまでの満足げな笑顔を送ってくれた。

 あっ、イケメンさんの髪はさらっさらで長いよ。ブチャイクさんがやったらキモいけど、やっぱりイケメン。お似合いです。

 神々しさにやられどこか遠い目をしていたら、イケメンさんが話しかけてきた。


「やあ、神無…いや、今はシンリだね。久しぶりぃ☆」


…女子高生のノリかよ。

 きゃぴっとでも聞こえてきそうなイケメンのテンションに思わず心のなかで突っ込みをいれてしまった。
 黙ってればイケメンなのだが、この感じでは残念なイケメンさんなのだとおもう。
 僕が軽く引いていると残念なイケメンさんは、あれっといった風に首をかしげた。
どうやら、僕の反応が想像と違っていたらしい。


「シンリ、いつもなら苦笑いを浮かべながらも久しぶりって返してくれるよね?」
「申し訳ないですが、この部屋に入って思い出したのは、以前が天堂神無だったことだけです。貴方の事は覚えがありません。」
「えっ」


 ちょっと警戒を示し冷たい声色でそうはっきりと答えてやれば、残念なイケメンさんは目を見開き、固まった。
 
そのうちに、宝石の様な瞳が潤みだしたかと思うと頬に筋が走り雫が落ちた。
雫が床に落ちるとそれは吸い込まれるように消える。

雫はだんだんと増え始め、僕は罪悪感を感じおろおろと所在なさげに手を動かして慌ててしまった。


「なっ、何で泣いてんの?!なんか僕やった?ええっと、すみません!」
「ひっくっ、いや、こちらこそゴメンね。涙が止まらなくて。どうやら、この世界に来たときに記憶の一部を落としたみたいだね。」
「えええ、き、記憶を落とした?」
「……まずはお互い落ち着けっ。」
「ぐふっ!」


 二人でわたわたしていたら、第三者が現れました。
 
 第三者さんは残念なイケメンさんの脇腹を思い切り蹴りつけた後、その強烈な光景に身動きが取れなかった僕の頭を優しく撫でてくれました。スッゴク気持ちよくってどことなく懐かしかったです。
 お陰で、泣かれたり蹴り飛ばされるイケメンさんをみて強ばった身体がゆっくりとリラックスしてきました。

 あれ、第三者さん何時何処から現れたんだろう?


 ちなみに第三者さんもイケメンです。
 光の当たりかたで深い藍色に輝く長い漆黒の髪に瞳はアメジストの様な紫色。
 鼻筋が通り、残虐性のある切れ長の目は一見冷たそうだけどよく見ると僕を愛しげに見つめてくれている。

 何よりも落ち着いた雰囲気を持っており、これぞ大人の色気とわかるような空気も纏っている。
 うん、こんな大人になりたい。


「俺の名は紫暗。この残念な奴が六花だ。」


 落ち着きを取り戻した僕に、第三者さんは名前を教えてくれた。
 あっ、やっぱり残念なイケメンさんは他の人からでも残念さんだったようです。
 紫暗さんは僕が分かりやすい様にゆったりとした口調で語りかけてくれる。

 実際、記憶を取り戻したばかりだからその行動は助かった。


「シンリ、お前の記憶は今の転生した世界に眠っている。」
「そうみたいだね、集めて早く私の事も思い出してね☆」
「俺達だ。」


 どうやら、この二人は僕の知り合いの様だ。
 そして僕の記憶はおそらくこの世界に散らばっているのだろう。この部屋が懐かしいのに記憶に靄がかかっている理由がなんとなくわかった。

 二人のイケメンさんに優しげに言われ、思わずコクンと頷く。
まあ、無いのも気持ち悪いし記憶が気になるから当然集めるけどね。

 
では長くはここにはいられないな。」
「あっ、あの子にも教えておかないと叱られちゃう。」
「あの子?」
「その記憶も無いんだね。大丈夫。すぐに会えるから☆」


 あの子とは誰なのか気になったが、会えると言うなら必ず会えるのだろう。
 覚えのない人のはずなのに、すんなりと信じることができるのはきっと転生前で近しい者だったのだと今更ながらに理解して、思わずクスリと笑い声が漏れてしまった。
 その時の僕の表情を見ていた二人は、目を見開いたあとその綺麗な顔に喜びの情を浮かべて抱き締めてくれる。
 そんな行動に彼らを忘れた事の後悔が生まれてきた。
  だから改めて心の底で記憶を見つけることを誓うことにする。


「その方に会えるのを楽しみにしておきます。」
「うん!」
「あいつも喜ぶと思う。」


 もっと色々と話したい思いを裏切りどうやら、そろそろ戻る時間が来ているようだ。意識が現実に戻ろうとしているのを感じていた。
 せめてもと最後に彼らを思い出せたらいっぱい話そうと指切りまでして、僕は二人に挨拶をし夢から覚めることにした。
二人は僕の意識が途切れる最後まで、僕を見送ってくれた。とても暖かい目で。


 そんな事がありまして、天堂神無の記憶をもつシンリ・ディーレクトゥスになったのです。
 
 そうそう、最初の記憶はすぐに見つかりました。

 王様との謁見で。
 そこには、僕の大切な人がいました。









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