僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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はじまりと記憶

皇子様は魔王様

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皇子様は魔王様



 謁見の間で皇帝陛下の隣に立つ、造り物めいた冷たい印象の少年の姿を見た瞬間に僕は背筋に電撃が走った様な衝撃を受けた。
 そして、頭にズキリと鈍い痛みを感じたかと思うと、足から力が抜ける。倒れると思ったとき、空をさ迷う手を取ったのは……。










 二つ目の記憶を取り戻したのは目が覚めて数日後の事である。



皆様、前回ぶりですね。シンリ・ディーレクトゥスです。

 懐かしい様な感じのした二人と別れて夢から覚めてびっくり。
 なんと朝を通り過ぎて丸1日寝ていたらしい。
 おそらくあの不思議な部屋と現実は時間の経過が異なっているのだろう。
 まったく起きなかった僕を心配した母様やメイドらしき女性が涙ぐみながら起きたばかりの僕を抱き締めてくれた。
 新しくなった僕はその行動はなんかこそばゆかったです。

ちなみに父様は、僕の兄様達を連れて王都に出張中だったみたい。

 夢から覚めて数日の間ベットに休まされた。その間に少しずつ周りの状況把握をする事にする。まずは記憶を取り戻す前のことは覚えてるか。
バッチリ、記憶は残ってた。なんと子供らしく無邪気でした。そのお陰で母様を間違えることにならなかったのは行幸です。
 それから、転生前の記憶が混ざった為か今までの記憶で恥ずかしくて悶えそうになった。
 今更ながらに昔のような行動がとれるとは思えない。
 行動が変わるのもおかしいかなともおもったが、この年頃は大人の真似とかよくするから多少大人じみても大丈夫のはず。

 次に世界観を説明しよう。
どうやら、よく転生小説であるパターンの前世で言うヨーロッパ中世チックな世界。
 
 此処には神々と魔のもの達がいて、異人がいて人間達がいて王政がある。
 記憶を取り戻す旅が今から楽しみになってきた。

 そしてなによりも魔法があるんだ。
わぁ、ファンタジー!

 魔法は、適性さえあれば誰でも使える。それこそ貴族から平民、異人だって。
 魔法なんて憧れだよね。某眼鏡少年の様に僕も早くつかってみたい。

 最後に僕の家のこと。
 いろんな人種がいて様々な国がある世界でなか、僕達家族が属しているのはフェーリス国、神の国と呼ばれている所だ。

 僕の家は、フェーリス国の王都から少し離れた一帯であるラングドシャ領地にある。
 ラングドシャはまだまだ開拓途中の領地で、これからが期待できる場所。僕の父様が、現国王と友人らしく爵位と共に貰ったものらしい。

 開拓の言葉で凄い大変なイメージがあるけど現実にはそうでもない。
もともと、自然豊かで作物はよく育ち水源も豊富。
それに伴い魔のもの達もいるけど、父様はすべてを受け入れて開拓している。

そうそう、魔のもの達ってよくゲームで有るように世界征服とか人間を絶滅させてやるとかしている訳じゃない。確かに魔のものは悪者ってイメージしている人もいるけど悪いことをしているのはごく一部だけ。人間だってそうだろ?

 今の魔王様も魔のものが多く住む国で人間のお嫁さんと仲良く暮らしていると聞いた。

とにかく、のんびりした領地にいます。


 家族は僕を含めて五人家族+使用人達数名。
 皆さんそれぞれ美形で眼福デス。



 
「シンリ、カーディスが帰ってきたの。出迎えましょ。」



 紙に色々と現在の状況のことをまとめているときに部屋をノックされ、鈴を転がす様な声が発せられる。
 声の主は僕の母親、アイリス・ディーレクトゥス。
 三人の息子を持つけどそのプロポーションは完璧。ボンキュッボンで目が覚めて抱き締められたとき色々と苦しかったです。

淡い紫色の髪と緋色の瞳ののほほんとした可愛らしい人です。
今は、休んでいるけど王都お抱えの超絶魔術師らしいです。メイドさんから聞いたところによると、母様が怒り通った道は生き物どころか草木一本無い荒野になるのだとか。
 わぉ、チート。
 
 

 僕は、直ぐ様返事をかえして記入していた紙を片付け、扉を開き母様とおててを繋いで玄関ホールに向かう。
 背後からぐふぅといった声が上がり振りかえるも口元を押さえた綺麗めの侍女が居るだけだった。


 首をかしげながら入った玄関ホールには、執事や侍女に囲まれ一段上の美形が三人居る。
 一人は先ほど母様が名を言っていたカーディス・レオン・ディーレクトゥス。僕の父親だ。
 漆黒の髪に、冷徹にも見える澄みきった水色の瞳。細身でありながら筋肉がついている(羨ましい)。

 このラングドシャの領地を開拓しながら、時たまフェーリスに行っては騎士長を始め様々な方々に渇(物理)を入れているらしい。

 残りの二人は兄様達です。12歳のヴァン・カーディス・ディーレクトゥスと10歳のエリシス・ディーレクトゥス。

 ここで皆さんお気づきかと思いますが、父様と長男の名前がやたら長いですよね。
 それは、ディーレクトゥスの跡取りという意味合いがあるそうです。
 まあ、父親の名前が入るだけですけど。
 
 二人は、顔立ちが父様に似ていて、色は母様を受け継いでいる。

 そして、その能力も幼いながらに大人顔負け。チートすぎて、転生者の立場がありません。

 あっ、三人がこちらに気が付いた。
 そういえば、僕の姿ですが……。


「ただいま、アイリス、シンリ。」
「お帰りなさい、貴方。」
「いつもながら、二人は姉妹の様だな。」


 そう、僕は母様に似た顔立ちに父様の色を受け継いでいるのです。=おにゃのこみたい。

  いつも可愛いと言われて甘やかされています。
  いいもんね、使えるものは何でも使ってやんよ!
  たとえ、侍女が女の子の洋服を着せようとしても負けないから。

 内心でうちひしがれていると、母様は僕の手を引き三人の元に移動してました。



「貴方、あと数日間は王都にいるはずではなかったの?」
「ああ、その筈だったのだが魔王様がシンリに会いたがっていてな。」
「あらあら、魔王様が。」


 えっ、魔王様ってあの魔物の王様の魔王様?
 ちょっ、王都にいらっしゃるの?魔界じゃなくて?
 確かに人間のお嫁さんと暮らしてるって聞いたけどさ。

 僕の髪をわきゃわきゃさせながら、問題発言をしてくれた父様は僕が目をしろくろしているのに気付くと体を屈め、目線を会わせてにこりと微笑んでくれた。冷たい表情がやわらぎ記憶の父様になった。



「シンリは魔王様は始めてか?」
「はい。」
「安心しなさい。魔王様は愛称だ。」
「へぇっ?」


 思わずすっとんきょうな声をあげてしまった僕は悪くない。そんな僕の反応に気を良くしたのか、父様はさらに言葉を続ける。



「現王、この国では皇帝陛下と言うのだがその第二皇子が魔王と呼ばれているんだ。」
「皇子は現魔王陛下より魔王らしいのよ。」


 母様!それってどうなの?
 もしかしたら次期皇帝陛下様かもしれないんでしょ。


「本人も魔王という愛称が気に入っているみたいだしな。」


ツキンッ……

その言葉を聞いたとき、僕の頭に微かな痛みと共に悪魔と呼ばれてどや顔をしていた男の懐かしい想いが浮かぶ。しかし、すぐに思い出せなくなったため首を傾げてしまった。
 それをどうとらえたのか、家族は面白い方だろうとおおらかに笑っている。








 
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