僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

文字の大きさ
37 / 245
陰謀渦巻く他国旅行

私と眠っていた妃様

しおりを挟む



「クラウディア、目覚めたのだな。」 


 クラウディア、それが正妃様のお名前らしい。あの夜の出会いの後、部屋に戻った私を出迎えたコウラン皇子は、話を聞いた後に直ぐに行動してくれた。皇帝妃様の手紙を盾に、面会の約束を即座に取り付けたのです。

『天下にその名を轟かせた烈火の鬼人が絶対渡せと言ってちゃあ、聞くしかないだろ。』


 とんだ後ろ盾だよな。

と軽口を叩いていたが、ちょっと待て何か恐ろしい物が、聞こえてきたんだけど。何なのその烈火の鬼人って皇帝妃様の通り名なの?

 まだ会ったことないけど聞いた限り優しそうで穏やかなイメージなんだけど、何をしたらそう言われるのか、しかも、他国まで怯えさせるって。
 皇帝妃様からの手紙らしき物ををふりふりしながらお話し合いをすれば、不満げな大臣と苦笑いの王は文句らしき言葉を飲み込み渋々と許可をくれた。
 謁見の間で皆がどよめいたのは、正妃様の状態を知られる不安だけでなく、この手紙も理由かもしれない。


 ま、まあ、お陰ですんなり面会まで進められたし良しとしましょうか。



 こうして、我々は城のてっぺんにある部屋に通される事になったのだが、様子を見に行ったらしい侍女が正妃、クラウディア様が意識を取り戻したことに気が付いたらしく慌てて知らせに来た。

 クラウディア様を狙う人がいたら目覚めた事をしったら人知れずに襲われる可能性が合ったから、眠ったフリをしてもらっていたが、これだけの人がいる中で目覚めたのなら手出しもし難いはずだよね。


 そして、喜んだ王と共に正妃様の元に辿り着き、今に至る。

 長い期間声を発してい無かったからか声がカサカサとしているが、昨日よりはマシになっているようで安心しました。

 アレキサンド王に抱き締められながら兄上の背後からちらりと顔を覗かせた私を見た、クラウディア様は目を見開いたあと、微かに微笑んだ。

 昨日はどうも。



「それにしてもこんな変なところに王妃の部屋を造るとは。」
「はは。ここなら空を飛ぶ者でもいない限り安全だし、もし有翼人がいてもあの窓からは入れないだろう?下を固めれば護衛も少なくて済むからな。」



 空を飛ばないけど侵入した人はここに居ますけどね。

 見えないところでコウにぃが私をせっつく。そっと私は目線を外してから笑いをするとクラウディア様も困った様な表情をこちらに向けていた。ごめんなさいね。王の自信満々らしいな対策を突破してしまって。
 



「王様、喉に良い飲み物を与えても良いですか?」
「別に良いが、何も持ってないように見えるが。」
「私、空間魔法が使えますの。」


 なにもない空間に亀裂が入りその中からキンキンに冷えたレモネードが入ったグラスを出す。

 以前に人形の国に行ったときにバルスさんが使っていた技。この数年で魔法の基礎をバルスさんにきっちり教わって学んだ魔法の一つ。

 家族も教えてくれると言っていたが、あの家族はどうも僕や私に甘すぎる。

 なのでバルスさんに頼んだのだが彼の知識はとても素晴らしく、頼んで本当に良かったです。

 というわけで今回の旅では荷物を私の空間魔法に仕舞っています。兄上も相変わらずのチートを持って空間魔法は取得しましたが、完全なる自己趣味の危険な色々を保管しているのではっきり言って普通には使えないのです。まあ、私が側に居るので問題はないですけど。


 渡す前に毒の件があるので皆の前で一口目を私が飲み、残りを正妃様にお渡しする。
 レモンと蜂蜜、隠し味にちょっとだけジンジャーを加えている。蜂蜜の消炎効果がよく効くように精霊さんにお願いもした。

 特別な目を持っているアキさん曰くとんでもないらしい物をそっと近寄せると、王の包容から逃れて飲み物に口をつけた。
 一口口にすれば、一気に飲み干すクラウディア様。空になったグラスを物欲しそうに眺めている。それにクスリと笑い、空間魔法からレモネードの入ったピッチャーを取り出りだした。

 コポコポとゆっくりと注いだら一気に飲み干さ内容にストローをつけてあげる。


「ゆっくりで大丈夫ですからね。」
「ありがとう。とても美味しくて一気に飲んでしまったわ。」
「声もだいぶ戻って良かったです。」


カサカサだった声質も戻り、表情もだいぶ柔らかくなってきた。
 軽く視線をコウラン皇子に向け、頷くのを確認したら、寄り添うようにベットに腰掛けて身体を気遣い、優しく擦る。


「アレキサンド王よ。母から第一側妃への手紙も預かっているのだが。」
「‥…ご案内しよう。」
「私はクラウディア様の元に居ますわ。よろしいかしら?」


 クラウディア様を気遣う健気な少女の様に、僕を知る人以外はそうおもっているでしょう。だけど、本当はクラウディア様に事情を確認するために残りたいだけなのです。

 案の定、私がどうこう正妃に何かすることは無いと判断して一人の兵士と、一人の侍女を残して皆出て行ってしまった。

 計画どおり(にゃり)


「クラウディア様、こちらが皇帝妃様お義母様からのお手紙です。も持って帰りたいですわ。」



 そう言って手紙を渡すついでに色をつけた魔力でクラウディア様しか見えないようにメッセージを送る。


『内緒話をする魔法を使います。』
「!‥…ありがとう。是非ともね。」



 認識阻害魔法と幻影術

 2つの技を密かに発動すれば、残った兵士と侍女には手紙を読みながら私と談笑をするクラウディア様が映る。

 私が唯一無二の節約のようにいわゆるMP消費が少ないお陰で、魔力の波が微かにしか感じない様なので、隠密としては利点でした。


「もう、大丈夫ですよ。」
「ありがとう。そうね。何から話そうかしら。」


 まずは毒を盛ったのは私自身だと教えておくわね。










しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

処理中です...