僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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陰謀渦巻く他国旅行

私と協力者の暗躍

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 彼女が現れたのはその日の夜。

 普通なら寝静まっている時間帯、神の国の訪問者達に宛てがわれた部屋に黒い衣装に見を包んだ方が音もなく現れた。

 一歩進んだ所で周りからの魔力の乱れを感じた侵入者は一瞬動きを止めた。しかし、その隙きを逃す程甘い者は居ないのがこの部屋の住人である。
 部屋の四隅から鎖が召喚され侵入者へ向かって拘束をかけた。それを後ろに下がることで避けた侵入者に次に襲いかかったのは影から伸びる闇の手。

 足元まで見ていなかった侵入者は闇の手に足を取られて体制を崩し、床に手を付けた。手が床についた瞬間に手の付いた所に魔法陣が浮かび上がる。


「!」



 全ては計算通りで思わず笑みが浮かんでしまう。
 電気を付け、辺りを見回すと床に縫い付けられているまるで土下座をしているかの様な侵入者の姿。

 床に縫い付けられる侵入者を眺めるのはとても良い気持ちだね。


「こんばんわ、侵入者さん。」


 異変に他の者が気が付かないように防壁をはり、この侵入者を差し向けた人が何かしないよう結界も張る。

 念の為、兄上やアキさん、自分には防護結界も張ってあったりもする。
 悔しそうにこちらを睨みつけている 侵入者の顔を隠している黒い仮面を無理やり外す。侵入者は抵抗をするも縫い付けられている状態ではどうにも出来ずにそのまま仮面を奪われる事となった。

 仮面の下には肌の色は異なっていたが、キラキラと輝く瞳の正妃様がいた。
 正妃様の顔なのだがその目つきは鋭くこちらを睨んでいて似ているのだが違うのです。


 兄上が覗いて見ているが、どうやら第一側妃様とも異なるらしい。
 だけども顔付きが似ているのだから血筋は同じ所の者。



「まさか、双子?」
「!」
「この国で双子?」


 国によっては双子は災いを呼び込むと産まれたと同時に二人目として産まれた方を殺してしまう。
どうにか産まれ成長することが出来ても差別や村八分にされて生き残ることが難しいときもある。

 リオール国はまさにそれであり、この侵入者の顔を見る限り、クラウディア様の双子の姉妹ではないかと思える。


「影武者という可能性も。」


 確かに影武者の可能性も捨てきれないか。
 顔を作り変えるなんてこの世界にとっては簡単な事だろうし。
 まあ、どちらにしろわざわざ正妃様の関係者が何のようかしら。


「ここは護衛のオレがやりましょうか?」
「いや、俺がやろう。」



  コウにぃはどことなく愉しそうに微笑を浮かべ、侵入者の髪を根本から掴み、顔を上げさせた。床に縫い付けられている状態ではされるがままに上体そらしの様な格好になっている。苦しい態勢であるのに関わらず、声一つ漏らさずに耐えているところを見る限り、一通りの訓練は受けていそうだ。

 瞳を合わせて、コウにぃが静かに質問を始めた。


「その顔は自前か作り物か?正妃と親類か否か?大丈夫答えは勝手に読み解くから口は使わないさ。」
「!」
「差し金は王か?正妃か?第一側妃か?」
「‥…。」
「母に手紙を出したのはお前か?」
「‥…。」
「毒を仕入れたのはお前だな?」



 一通り質問をしたあと、髪から手を話して頭を床に落とす。反らされていた身体は重力に合わせて床にそのまま落ちてゆく。
 ああ、ゴツンと音がして痛そうです。


「顔は自前だが親類では無い、差し金は第一側妃。手紙を出したのも毒を仕入れたのもこいつで間違いない。」


 と、言うことは最初の頃に考えていた様に、第一側妃には協力者がいたと言うこと。 
 顔が自前と言うが親類では無いと言うことは他人の空似って事?
 すごく似ているわ。

 それにしても、瞳で質問の回答を読み取るのはコウにぃのチート技だけど、何か磨きかかっていて怖いわ。
 兄上の瞳を見ながら嘘はつけないって事だからね。嘘を付く気はないけど。



「ば‥…けもの‥…。」
「ん?」
「化け物‥…。」


 クラウディア様よりも少し低めのアルト系の声の侵入者は、を見てそう呟きました。
 心外だなぁ。
 兄上ほど化け物チックな方はそうそう居ないんだよ?私なんてまだまだ。

え?
床に縛り付けていい気持ち発言は無いって?
あんなの兄上ならもっと凄いの考えつくからね。 


「実行は出来ないがな。」
「ほえ?」
「大丈夫、二人共化け物ですよ。」


 ええ、何が大丈夫なのさ。


 化け物と言われても起こるどころか、談笑している私達を畏怖を滲ませた表情でこちらをみる侵入者。
 ごめんね。何か可笑しいかも知れないけど、これが私達の日常なんだよ。なんたってチート達がいっぱいいる神の国だからね。

と、そうだ聞きたいことがあったんだっけ。



「ねぇ、毒って誰から買ったの?」
「!」


 フグ毒がこの世界にも有ったなんて初めて知った。それは、兄上も神の国一毒に詳しい男も言っていました。
 と言うことは転生者、異世界者の知識の可能性がある。しかも仮死量をすら知っている。それはとても危険な事だ。その人物とあってなぜ売ったのか、詳しく聞いた方がいいでしょう。


「ねぇ、誰?」
「‥…東の国から来た商人軍団の男です。シルバーの眼鏡が特徴の胡散臭い笑みの男です。」
「名前は?」
「ムラ‥…。思い出せません。から来たと言っていました。」


 観念したようにポソポソと話す侵入者。
 まあ、話さなくても無理やり話したくしちゃってたけどね。

 それにしても『ニホン』か。どうやら同郷の人らしいね。じゃあ、も楽そうですね。

 じゃあ、次は‥…。


「どうして今夜は来たのかな?」


 お国のお家そうどうなんて他国を交えるのを嫌がるものだと思ってたのだけど。クラウディア様もペラペラ話してたし。

どうなっているのかな?










ーーーーーーーーーーーーーーーー



皆様あけましておめでとうございます。

暫くこの話の続きを書こうと思っています。
半身のリハビリも兼ねてますのでゆっくり見てください。
今年も平穏でありますように。

 
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