僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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陰謀渦巻く他国旅行

私と2つの毒

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 孤児院へ慰問して、家族へのお土産も決まったのでホクホクしながら城に帰ってきた。
 途中、アキさんと合流して、今日あった事をお互い話し合いながら歩いていたら、ムラキの所で、『斬り捨ててやりたい。』と殺気を、こめながらボソっと呟いていたが、その後にコウにぃの素晴らしい対応を説明していたら、苦笑いで頭を撫で撫でしてくれた。

 護衛の者としては失格?

 いえいえ、我々はアキさんをお兄ちゃんの様に慕っているのですから問題有りませんわ。

 馴れ馴れしい護衛の姿に城の者が不敬だなんだか言っているので、言い返しておいた。
 コウにぃも肩を震わせて『そうだな』と言ってくれて逆にアキさんがあわあわ。

 そういえば、今回の慰問でもう一つの毒の存在が分かったのよね。
 フグ毒とハシリドコロ。
 どちらも前の世界で物語に出てきて、仮死になる。片方は恋のため死んだことに偽装して。片方は黄泉に知り合いを迎えに行くため。

 鑑定ではフグ毒が出てたけど、あの正妃の煌めく様な瞳はハシリドコロの効果の様にも。


「ねぇ、あの瓶を持ってきている?」
「ああ。空間の中でコレクションしている。」


 兄上の空間魔法が使えない理由の一つがこれ。前世からオカルトマニアだったけど、魔法なんて使える世界にきたら曰く付きの物を集めて空間に保管し始めた。
 コウにぃが危険そうな物はが封印を施してはいるけど。そんな物が入っている中に旅道具をいれたらなんか気分的に嫌でしょ?


「あとで、見せて。」


 想像通り、空間にコレクションしていた神の国にいた時にみた瓶。協力者が送りつけてきたみたいだけど、あの時は鑑定しなかったからな。先に皇帝陛下様が『毒』と教えてくれたし、症状から兄上が種類を当てたし。でも、本当に合っていたかは調べていないんだよね。

 正妃を治療していた時は紛れもなくフグ毒だったから瓶の中身も同じだとは思いますけど、念には念を入れないと。


 

 と部屋に戻ってから再度確認すると、瓶の中身はフグ毒8割ハシリドコロ2割の混合の毒でした。私がクラウディア様を鑑定したときと少し毒が異なっていた。ということはなんかきな臭くなってきましたね。


 まずは事柄を整理しようかしら。

 始まりはアレキサンド様が王になってから始まった。権力に溺れて押しつぶされ狂気に蝕まれ精神が不安定になった。

 第一側妃様は王様が好きで正妃様が邪魔で排除しようとした。そこで仮死になる薬で王様を仮死にさせて正妃様が犯人に仕立てる筈が、正妃様が毒を飲んじゃって逆に疑われることになった。

 正妃様は第一側妃様が演技した王から暴力を振られている事を信じで逃がすために、王様を仮死にして城が混沌とした騒ぎになるように仕向けたが、第一側妃様が飲みそうになったので自分が飲んだ。


 そもそも、何故に第一側妃様は愛する王様に、毒という危険な物を飲ませようとしたの?
 正妃様は何故、騒ぎを起こそうとしたの?そっと逃せば良かったのに。

 毒も自分で飲まないで受け取ったあとそのままにしておけば良かったのに。


 あと、侵入者の話し。
 クラウディア様とそっくりの顔。自前だと判明しているけどあんなにそっくりな顔の人がいるのがビックリ。そして第一側妃様の協力者らしいけど、私達は直接第一側妃様に話しは、聞いていないのよね。兄上はあっているけど、王様がいたから詳しい話は聞けてないだろうから、真意があの女が正しいとは限らないわ。


「そんな難しい顔をするな。」
「だって。」
「いちいち気にしてたらきりがない。自分にかかる火の粉だけ避けろ。」
「そうなんだけどね。あのムラキという男が気になってしまって。」


 そう言えば、コウにぃの眉間にシワが寄る。少しだけ不機嫌になってしまったらしい。

 私はコウにぃに近寄ると、人差し指で眉間をグリグリ。
 その途端にきょとん顔になる兄上、可愛いです。
 
 そんな事を思っていたら私の中のイマジナリーバルスさんが『そんな訳あるかぁ!』と叫んでますが、本当に可愛いんですよ?

 グリグリしていた手を握られ、ソファーに移動して膝の上に抱っこされた。
 なんとまぁ、珍しい。なんか不安な事でもあるのかな?


「シンはもし辛い思い出を忘れていたら思い出したいか?」
「もし?」
「もしもだ。」


 それはきっと兄上が伝えていないが思い出せていない記憶の断片の事だろう。

 辛い思い出かぁ。

 記憶の中では兄上と出会えて本当に嬉しかった。それが辛い思い出も込でそう思うなら‥…。


「思い出した時は辛いかも知れないけど、その辛い記憶もを創っている一部でしょ?じゃあ、思い出さなきゃ。」
「‥…そうか。」


 私の言葉にどこか、スッキリとした表情になった兄上は、抱き上げたままの私の耳元でヒソヒソ。
 

「お前が侵入者に教えたアドバイスどうなったんだろうな。」
「!」
「あと、母上曰くクラウディア様はは珍しい肌の色らしいぞ。」


 兄上、知っていて黙っていましたね。そうですよね。あんたはそういう人ですよね。
 では事実確認の為にも今宵は第一側妃様の元に一緒に行きましょうか。今夜が最後になることを願うよ。

 ムラキの存在はあまり良いものではないことは分かった。孤児院のハシリドコロは始末したし、私の事を探られても記憶を封じさせてもらったので尋ねられても答えられないだろう。

 もし、暴力を振るようなら、反射の魔法も掛けて来たので跳ね返るだろう。
 お土産を取りにいったら聞いてみよう。



 
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