僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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陰謀渦巻く他国旅行

私と国政問題

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「この国の倫理観はどうなっている!」


 この国のにきて数日が経ちました。この国の市場や孤児院、色々と観光しまして、国民性がとても良くて楽しかったです。しかし、残念な者がいるのはどこも同じ。

 王城の無駄に豪華な廊下を憤慨した様子で歩く、コウラン皇子に抱かれて連れられる私の服は乱れ、皇子の上着をかけられている。

 その後ろには、無表情でアキさんがボロボロの男を引きずり、ちらちらとコウラン皇子てアキさんを見ては、ガタガタと身体を震わせる青白い吸血鬼の様な男と並んで歩いている。

 彼らは謁見の間でこちらを見ていた男達である。


「お客人、な、何があったのですか。って、宰相殿ぉ!」
「アレキサンド王に会わせろ!」


  王城で働く管理官達が何事かとわらわらと現れては、私の状態やアキさんに引きずられている男を見て悲鳴を上げている。
 あ、この男、宰相だったんだ。
 でも、こんな奴が宰相でよく国が回っていたと思うが、きっと妃達が頑張っていたのでしょうね。


 魔王のお怒りの様子に、わらわら居た管理官の一人が王を呼びに行ったようで、暫くするとあの日と同じ謁見の間に通された。
 あの時と違うのは、お偉方はおらず、王の両隣に妃がいる事だった。
 何も教えていない2色の妃二人の目は見開かれていて、そこから覗く瞳はペリドットの様な黄緑色でそれは本物の二人の印でもある。


 「いったいこの騒ぎはなんなんだ?」


 アレキサンド王様は、特に何が起こっているかも察しがついていない様で、けらけらとした様子で尋ねてくる。だけど、妃様は私の姿を見た瞬間、女性兵士を呼びつけて具合の確認や、着替えの服等を用意してくれました。

 ここで女性兵士を呼んでくれるなど、さすがは王妃に選ばれるだけあるわ。

 おい、王よ。そういうところだぞ。

 私に気を使っている妃達を不思議そうに見るアレキサンド王にイラァと来るが、いまは被害者なのでコウラン皇子に身を預けておく。

 ここまでくれば察する人は分かると思うが、私は宰相に襲われたのです。
 最初の頃に私の身体を舐め回すように見ていたこの男は案の定、私が弱って一人でいると、やらしい顔つきで現れた。


「この男は、弱っていた俺の婚約者を手籠めにしようとしていた!仮にも他国の王族の婚約者だぞ。」
「うぅ。」


 アキさんは無表情で王の前に宰相を投げ捨てる。みっともなく地べたに落ちた宰相はうめき声を上げて、もぞもぞと動いていた。弁明を述べたいのか身体に痛みが走るだろうに王の方に向き直ると、起き上がれないながらも頭を下げる格好をしている。


「そもそも、具合悪くしていた少女を襲うなど。」
「ちが、そっち、誘‥…。」
「黙れ!!」


 きっと私が誘ったと言いたいのでしょうけど、お生憎様。私は前後不覚な状態で、息を切らせながら『胸が苦しい』と言ったまで。
 まあ、顔を赤らめて、涙目でしたがそれは苦しかったので当然でしょう。

 嵌められたなんて縁起でも悪い事言わないでちょうだい。


「10歳のまだ穢れの知らない少女だぞ!」
  

 穢を知りまくっている転生者だけどね。
 そんな事を知らない周囲にトラウマになったらどうするなどと普段の冷静さからかけ離れて憤怒する姿はまさに魔王。

 でも、会場にいる人達が今顔面蒼白にさせたのは10歳と言う年齢じゃないかな。
 もぞもぞとしていた宰相も動きが止まったし、そんな少女達に助けを求めた妃達も汗がだらだら。吸血鬼の様な男はあわあわと口を開けている。


「わ、分かった!その男は処刑しよう!」


 いとも簡単に生死をかけた決断を下すアレキサンド王様にこれまた別の意味であんぐりする皆様。
 だけどね。それだけじゃすまないんだよ。


「それだけじゃ済むわけないだろ。」


 コウラン皇子と以心伝心ですね。
 そう、もうこの宰相だけでは済まなくなってしまっているのです。
 だって、腐ってもまだコウラン皇子は王族、しかも継承権をまだ持つ者の婚約者なんです。

 この数日で皆さん理解していると思いますが、コウラン皇子は私を溺愛している(ただのブラコン)のを目撃している(させた)のです。

 そんな子を襲うなんて、もう宰相が被る罪を越えている。


王族同士国際問題として話し合おうじゃないか。」


 と言う事なんですよ。


「だから、宰相の首を。」
「神の国に喧嘩をふって首だけで済むと?ちなみにだが、こいつの事を皇帝陛下も皇帝王妃も気に入ってる。」
「ひっ。」


 スッと目を細めて獲物を狙う蛇の様に見つめるコウにぃに、アレキサンド王様は悲鳴を漏らす。最初あったときは所作とかはまともだったのに、政治に、関するところはさっぱり。何故双璧で後ろ盾が付いたかわかる気がする。


「王よ。まずは謝罪をするべきですわ。」
「く、クラウディア。」


 右側に座っていた正妃様が立ち上がり、高座からゆっくりと降りると膝をついて私達に向かって土下座した。それに習うように、第一側妃様も高座を降りて頭を地につける。

 王様だけが状況を飲み込めす、わたわたしているが、クラウディア様が静かに王の名を呼ぶと、言い訳をし始め、ルイディア様が呼ぶとしぶしぶ降りてきた。
 その姿にピクリとクラウディアが反応するが気づかなかった事にします。


「シシリー様には大変な目に合わせてしまって申し訳ございません。」
「王妃の謝罪は受けよう。」
「王!」
「な、は関係ないじゃないか!」
「王とは国の代表なのです。下のものの失敗は我々の責任です。」


 そう。下の者達がいる事で生活できているのだから、守るのが役目。

 ただ甘い汁を吸うのが王族じゃないんだよ。 


「こいつらはこの城に三人しか居ないんだから人質に‥…。」
「バカ言わないでください!国を滅ぼす気ですか!」


 今度はこっちが、ピクリと臨戦態勢になろうとしたら、王をバカ呼ばわりして止めた、吸血鬼の様な男。
 
 やるじゃん。







___________


 こんにちは、SHINです。
あともう数話でこの章を終える予定です。

 そしたら学園編でも書いて、シンリくんのお仲間に合わせたいです。

 のんびりとお付き合い下さい。
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