僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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大波瀾の学園生活

私の入学式は波乱万丈

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 天気は快晴で穏やかな春風がふく日に、壇上で入学者代表の祝辞を読むのは、ダークグリーンのブレザーに黄土色のチェックのズボンを着こなしたコウラン皇子である。

 つらつらと暗記済みの祝辞が述べられているのを遠くから見る私は同色のプリーツスカート姿だ。だけど、ちょっとまだ寒かったから上にカーディガンを羽織らせてもらっている。

 私の周りの女子達はコウラン皇子の姿に目がハートになるのではというほどうっとりと眺めている。
はぁという吐息を何度も吐くので少しだけ辺りの酸素が薄い気がします。



 ここは、私と兄上が5年間通う予定(飛び級制度もあるので確かとは言えない。)の国立アンシャルテ学園。

 魔法や騎士、冒険者などを夢見る子ども達がどんな立場であろうと受け入れる神の国の中でも大きな学校である。

 どんな立場もというのは、他国という意味もあるし貴族と平民と言う意味もある。皇帝陛下様の話によると才能あるものを貧富や国が違うとだけで拒むのは可笑しいだろと言う事らしい。そのため、色々な制度も充実している。
 まあ、それは追々に。


 「‥…これで締めの言葉とさせていただきます。」


 最後の言葉を伸べている兄上と目線があう。小さくお疲れ様と口パクをすると、読唇のスキルもあるコウにぃはふわりといつもの冷徹な表情とは異なる柔らかな笑顔を返してくれた。
 途端に上がる黄色い声。
 
 あはん?なんか男性のも聞こえるけど。

 教師たちの叱咤の声が響くと、収まりを見せるが、ヒソヒソと『目があっちゃった。』なんて囁きあっている。

 これが乙女なゲームならヒロインが顔を真っ赤にさせてゲームの開始みたいになっていたかも知れないが、コウラン皇子に笑みを向けられているのはだからなあ。

 まさに乙女ゲームの世界のような学園なのに見ることはないだろう事に残念である。兄上がヒロインに振り回されるのがちょっと見たかった。



「シシリー、待たせたな。」
「お疲れ様です。とてもかっこよかったですわ。」


 祝辞か終われば壇上を降り立つのは当然で、気がついたらコウにぃが目の前にいた。
 まあ、学園からの処置でコウラン皇子とシシリーは同じクラスになっているので、こちらに戻ってくるのも当然でしたね。

 腕を軽く差し出してきて、期待に膨らませた目で見てくるので、ご要望に答えまして腕を組んで寄り添う。

 会場が別の意味で驚愕の声が上がるが、無視です。


 壇上には学園長が上がってくる。
 それに気付いた生徒が一人、また一人と静かになる。
 学園長は両親と同年代ぐらいかしら、シルバーブロンドの耳の少し尖った目元に仮面をつけた、多分男だ。


 しばらくして生徒のざわめきが消えると、口元に、弧を描く。


「君達はなんのために学園に、入るのかな?」


 あ、これはお怒りですね。


「もちろん、学友を作るのも大事だが、式典は遊びの場ではないぞ。たとえ、同学年に王族とその婚約者がいようともはしゃぐのは式典が終わってからにしなさい。」


 さらりと私の説明も込めましたね。
 令嬢の冷たい視線が突き刺さる。
 ま、まあ、王族に気に入られてあわよくば恋人になんていう甘い夢が今途切れましたものね。
 獣の様な目をしている方は略奪狙いかしら怖い怖い。


「ともあれ入学おめでとう。よく学びよく遊び、研磨しあいながら自分の道を見つけるが良い。なあに、1年では色々と体験してもらう。そこから好きな方に向かいなさい。」


 そう、ここでは1年は専攻は決まっていない。学園長が言うように様々な授業を受けて、2年で専攻クラスに振り分けられるのだ。すでに決まっている者は専攻学科の試験を受けて合格すれば飛び級できる様になっている。

 入ったけどどれが僕、私に合っているのはどこなのって子には良い制度だよね。

 私達?
 悪いけど1年は基礎を見直す大事な授業でもあるから飛び級制度は今回は使わないよ。早く卒業するメリットも今の所無いし。
 何人かはコウラン皇子が飛び級制度を使うと思って飛び級した人はいるみたいだけど。

 ちなみに、3年になると冒険者として兼業も可能だとか。
 

「楽しい学園生活を。」


 学園長の話が終われば、クラスに移動になる。
私達のクラスはS組。わりかし、エリートというか入学試験で上位の者が集められている。教える方も頭の程度が同じぐらいの方が教えやすいものね。

 腕を組んでエスコートしてもらいながらクラスに入り、まず目に飛び込んできたのは、貴族の坊ちゃんの平民への詰りだった。なにこのテンプレ。
 貴族の坊っちゃんはコウラン皇子の姿が目に入ったのか、嫌味ったらしい顔つきで、平民を見下す発言をする。

 私達を巻き込まないでほしいわ。


「ほら、皇子殿下様のいるクラスにお前らは相応しく‥…」
「煩い。」
「え。」
「この学園は色々な人を歓迎している。その理念は学生手帳にも書かれていただろ。勝手に理念を曲げるな。」
「あら、怪我しているの?治療キュアを掛けとくわね。痛くない?」


 兄上は苛ついた声で貴族の坊っちゃんを窘めたあと、窓際の席に向かっていく。それを一緒についていこうとしたら、詰られていた少年の頬が赤くなっていたので軽く治療を施しておく。呆然としている少年に痛くないか聞いて、頷いたのを確認できたら兄上の隣りに腰を降ろす。

 頭をナデナデ。

 暖かな日差しに優しい手付きは眠くなってしまいます。『もう!』と手をどけると、かつりと髪留めに手が当たる。お揃いの髪留めは何人確認してくれたかしらね。




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