僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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大波瀾の学園生活

私は華麗に喧嘩を買いますわ。

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「貴女、何者なのですか。」


 入学式の翌日、教室でやはりというか兄上と少し離れた瞬間に令嬢に囲まれた。
 兄上は今学園長に呼ばれています。

 先頭に立つのはあの気になっていたアンナ嬢である。少しきつめの目は緊張しているからかな?
 その気の強そうな感じのせいで私に質問をする人にされちゃったのでしょう。
 手が微かに震えています。


「何者とは?」
「コウラン様の婚約者なんて昨日まで聞いたことないわ。それにその家名、ディーレクトゥス家には年頃の娘は居ないそうよ。」
「では、コウ様が嘘をついているとでも?」
「そ、それは。」


 父親にでも聞いたのか、確かに今まで婚約者のこの字もなかったし、ディーレクトゥスは3人息子なのは貴族ならわかっているだろう。
 だが、先手は打ってあります。

 婚約者の話しはコウラン皇子が興味を持たなかったからそもそもいなかった。先日初めて私に遭ってコウラン皇子が私を気に入り、共に過ごすことになった。そこを皇帝陛下様が見かけて喜々として婚約者にした事になっている。
 お披露目会はコウラン皇子のの時となっている。

 家名の件は、養女と言うことになっているので問題ないのです。

 母様、アイリスが娘が欲しかったのと、人形の国の被害孤児がわりかし多く、国さえ出たのは世界で話題になった、シシリーはそこの被害孤児。どことなくアイリスと顔立ちが似ているので遠い親類ではないかと養子になってます。


「私のお父様育ては、アイリス母様の4頭親先の方らしいですわ。まあ、あの事件で亡くなりましたから詳しくはわかりませんが。婚約者になったのはたまたまアイリス母様と城に行って気に入られただけですの」
「そう。亡くなってしまったの。ってそうじゃないわ。」


 私の設定上の父が亡くなっていることを知って、自分の事のの様に悲痛そうな顔をしてくれるアンナ様。
 やっぱり良い子じゃないですかぁ。

 そんな、アンナ様を取り巻きのお友達がツンツンと促すと、ハッとしたように首を振った。


「事情はわかりました。私はお二人を応援しますわ。」
「アンナ様?」
「皇帝陛下様が決めた事に異を唱える事など出来ません。それに、そんなに私達はコウラン様と近い存在ではありません。」


 おお。ちゃんと理解している。

 ご両親の教育のかたまりか。
 他のご令嬢は、コウラン皇子と運が良ければ仲良くなってこいとか言われていて、もしかしたらなんて考えているのかもしれないけど、よく考えてみよ。
 何よりもこの詰めよりは良くないぞ。

 アンナ様の様に事情を知りたかったと言い訳るならまだ良いけど、王族の伴侶をこんな風に囲うなんて本来やっちゃいけないでしょ。
 
 せっかく、理由をアンナ様が付けてくれたので、そのまま解散してくれると助かるのだけど、何人かの令嬢が『使えませんわ』なんて舌打ち。


「退いてください!アンナ様は聞き分けが良すぎます。」
「!」


  アンナ様を押しやって、一人の少女が出てくるアンナ様がバランスを崩してこちらに倒れて来たので身体を支える。ふんわり花の香りがします。

 小さな声で有難うなんて言葉をもらいました。それにしても、先程まで先頭に立たせていた娘をこんなふうに突き飛ばすなんて、令嬢というより人としてどうなのかしら。

 喧嘩を売るなら買いますよ。


「私達は認めてませんからね。」 
「何故に認められないといけないのです?付き合うのに貴女達の許可が必要なんですか?」
「そ、それは。ですが周りに祝福されない結婚など。」


 結婚まで話が飛んでいる。
 妄想というか欲望がすごいですね。
 そもそも、アンナ様が言っていたように、この婚約は皇帝陛下様が絡んでいるのです。私達が何を言おうと、皇帝陛下様が納得しないとだめなんですよ。あの方なら、嫌々な婚約ならすぐに解除してくれそうですけど。


「皇帝陛下様に直訴しますか?」
「そ、それは。」
「そもそも、私がコウ様の友人に戻ったとしても、貴女方の誰かが婚約になるなんてありえませんけど。」
「なっ。」
「こんな一人を数人で取り囲むなんて人としてどうかと思いますし。」


 ふふん、と鼻で笑うと顔を真っ赤にするご令嬢達。『生意気よ』と手を振りかざす娘もいて、アンナ様がそれを見て私を庇おうと動きますが、そっと背後に移動させて振りかざされた手を掴みます。


「あと、コウ様の婚約者は自己防衛も出来なくてはならないのですよ。」
「そうだな。」


 『私みたいに』と言おうとしたらコウラン皇子様が戻ってきてくれたみたいです。私を取り囲んでいた令嬢達はわたわたして言葉にならないごまかしをし、愛想笑いののちにお辞儀をするとちりちりに散ってゆきます。手を掴んでいた令嬢もバッと手を払うとその後を追ってゆきました。

 残ったのはアンナ様と私とコウにぃの3人。


「アンナ様には庇って貰いました。」
「ほう。それはそれは。」
「い、いいいぃえ。べ、別にか庇ってなど。」
「有難うございました。」
「おおぉれいなんて。」


 なんか、パニックになっちゃって可哀想に思えてきた。
 ほら、コウにぃはちょっと離れて。

 私はアンナ様の手をキュムッと握ると安心させる様に目を見つめます。ぐるぐる回っていた目が私を見つめて恥ずかしそうにしています。でも、目がグット力強い。

 やっぱりこの娘、緊張すると眉間に力が入ってしまうのね。


少しだけ私のほうが目線が高いのでかがんで、にっこり。


「お友達になってください。」



 こんな子が、友達になってくれたら楽しいだろうと思った言葉はアンナ様のキャパオーバーを引き起こしてしまったようです。
 アンナ様は顔を真っ赤にさせて、倒れてしまいました。
 あれぇ?




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