僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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大波瀾の学園生活

私の感じる不穏な空気

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 皆さんこんにちは。シシリーです。


 今日は皆に楽しみにしていた実地体験だよ。木々の緑が夏の日差しを遮り、涼やかな風が汗ばむ肌を冷ましてくれて気持ちがいいです。
 普段のスカートとは異なるパンツスタイルの冒険者姿にはなんか安心感を感じれていいですね。私の班は荷物も簡潔で動きやすいからまだまだ疲れてません。

 まあ、目の前の血にまみれたモンスターとそれに対して耐性がなく嘔吐する生徒を見なければですが。


 初めての殺しって対象が何であれその時の事がトラウマになる人も多く居るでしょう。そこは魔法で命を奪う時も同じ事。魔法は目などでその位置などの調整が必要だったりします。だから視界での映像が鮮明に残り何度も夢見るのは魔法使いであったりする。

 オレオの様に魔法調整を適当に感覚で行っているような人は、魔法が明後日の方に飛んでいっちゃいますけど。
 感覚でやれるなんて熟練の方か、それこそ超絶天才か。


 事のはじまりが、実地体験のための場所に向かう途中でしたので、先生があらかた片付けてくれたのです。何がってモンスターに襲われたんですよ。結構な大群で。
 実地現場にまだついていないとはいえ、ここはもう既にモンスターの縄張り。教師たちも慣れたように対処してくれていたのですが、何も指示がなくどうすればいいか困惑してまとまって待っていた我々の方にモンスターが来ないわけがなく。

 モンスターの恐ろしさを体感させるためもあったのでしょうかね、ワザとかはしりませんが隙きのある先生方の所から打ち漏れた二匹の角ウサギさんが向かって来ました。

 そのギリギリで倒す予定だったと思われるモンスターは、先生方が打ち取る前にオレオのパニックで放たれた魔法に当たり飛散。血肉の雨を降らせたのでした。おいおい、最初の『オレは狩りをしたことがあるから』なんて言っていたのにダメダメじゃないですか。
 きっと、教師もその言葉を聞いていたのかもしれません。


「アンナ、大丈夫?」
「は、はい。」


 血の気が引いた青白い肌で、しゃがみ込んでしまっていたアンナに声をかければ震えた声で返事が返ってきた。まあ、この年齢でここまで耐えているのだけでもすごいよ。
 先生方ももうちょっとスマートにやれなかったのか。いや、出来たはずよね。今年が初めてって訳じゃないもの。


「ワザとだろあれ。」
「あ、やっぱり。」
「二匹だけ逃がす訳ないだろ。しかも対処がギリギリで、生徒のパニックも予想してなかったなんてないだろ。」
「あの隙きのあった教師ってオレオに散々貶されていた人ですよ。今もにやにやしています。」


 タオシャンの言葉に、ちらっとそちらを見ると確かににやにやと青ざめている生徒達を眺めている。他の先生方がフォローに走っているのに何もしていないのは少しだけムカつきます。
 オレオの予想外の出来の無さにいつもの威張られていたムカついていた腹いせも兼ねてかもしれないけど、これで関係ない子もトラウマ確定じゃないですか。

 吐く生徒も居なくなったようですし、早く実地現場にいる先生方とも合流したいのでさっさと片付けましょうね。


「『浄化クリーン』」


 魔法を唱えれば、辺りの血や嘔吐物がすべて消える。おまけながら、返り血を浴びていた先生や防具が汚れてしまっていた人達も綺麗に浄化される。

 モンスターをどうするかは教えてもらっていないのでそのままにしていますが、消し去ることも可能ですよ。

 そして、辺りを綺麗にした私に視線が集まったところで無視をして荷物から気付け薬を取り出した。それを、アンナ様に嗅がせて気分を落ち着かせると、何人かがそれに習って友達を落ち着かせてます。そして、いま視線に気が付いたというふうに顔を上げ令嬢スマイル。


「すみません勝手に浄化してしまいましまわ。」
「いや、助かった。」
「モンスターはどうするのですか?」
「魔力を取り込み変質したモンスターの素材は防具に肉は一応食えマス。」
「あら、そうなんですね。教えて頂き有難うございます。」


 たしか、冒険者から教師になったという方に腰を折って丁寧にお礼を伝えると、目を見開かれた。まあ、バルスさんからの態度や、オレオの姿から想像はついていたけど、上から目線の野郎共のせいで私達に偏見が出来るのよ。

 教えて貰った様に飛散していないモンスターを解体しようと、ナイフを取り出すべくホルダーに手を伸ばしたところでコウにぃが一言「『解体』」と唱えて手を翳す。
 なんと次の瞬間にはモンスターは綺麗に解体されているではありませんか。


「まあ、コウ様いつの間に無詠唱を習得したのですか。」
「簡単なやつだけな。」


 それをみていた先程までニヤニヤしていた教師達はあんぐり。我に帰ったように舌打ちをして他の教師に紛れ込みました。顔は覚えたから後で覚えていろよ。解体したモンスターは先程教えてくれた教師にお渡しする。とても良い笑顔で受け取ってくれて、私と兄上の頭をガシガシ撫でてお礼を言ってくれた。

 遠くで聞き慣れた声が人誑し共めと言っていた気もするが気にしなーい。

 厄介な始末も終えた私達は向かうはさらなる奥地なのですが、今からこれではこれからがとても良い不安ですね。なんか、嫌な予感がします。

 早く、現地のバルスさんに会いたいわ。









 

 
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