僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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大波瀾の学園生活

私と楽しい実地体験 二日目

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 実地体験が二日目になりました。
 昨日、一体だけモンスターが侵入していたためか、昨夜は教師が交代で見張りをしてくれたようです。
 そして、我が班はよく眠れました。ウォルターの提案でテントの下に狩り取った草でクッションを作っておいたお陰か身体が痛いということはありませんでした。旅では痕跡を残すため使えないかもしれませんが、他の人達が身体をバキバキ解すのを見るか限り、今回はやっておいて正解だと思います。

 二日目の今日はモンスターを倒すのが目的です。
 初心者として推薦されるモンスターはこの角ウサギさんですが、甘く見ていると怪我をするどころか死ぬ事もあります。
 角は鋭く突発力もある。魔法で遠くからなんて考えていたら、避けられてグサッとなる事も。
 意外と手強い角ウサギさん、初心者向きではありますが、別名は初心者殺し。本来は、ここで殺しの恐怖を覚えるのです。

 前日の飛散トラウマ事件も尾を引いているようで皆の動きは硬い。これは慣れるしか無いのでどうしようもない。慣れるわけがないだろうと言われるかもしれないが、生きる為には意地でも慣れないといけないのだ。

 冒険者や野営の時は常に町に泊まれることは少ないですので、動物やモンスターを殺すし解体もする、そしてその肉を食べないといけない時もあるでしょう。

 その手で命を奪うのは、その命をその身で受け止めること。

 とまあ、そんな難しいことは次の機会にでも学んで貰えば良いですけど、取り敢えずは倒せなくてはいけません。

 先ずは魔法を使わず、ナイフで角ウサギさんを観察しながら。
 ナイフをただ振り回すだけでは斬ることもままならない。確実に刃に当てて、いたぶることにならない様になるべく確実に一撃で葬ってあげる。
 でも、この角ウサギさんはすばしっこいのです。


「もし、何処に来るのか分からないときは目を見ていれば行き先を判断できますよ。」
「何でそんなに平然とやれるのですか。」
「何ででしょうね。」


 こちらに向かってきた角ウサギさんの喉を掻っ切り、コツを教えていれば血に酔ってきたのか息の荒いアンナが聞いてきた。
 平然とやれているのは慣れているから。身体が、魂が憶えているからでしょう。
 まあ、私のやる気の大元にあるのはあの方を守るための意思でしょうかね。
 ちらっとコウラン皇子の姿を見る。私と同じようにナイフを手に持ち一撃で角ウサギさんを倒していく。

 一つの班の目標は25匹。想像し難いでしょうが結構な数のモンスターが森で繁殖してしまったらしい。

 何処かの国が実験したらしいが、モンスター同士で繁殖した場合、その子はモンスターとして産まれるとの事。
 オークがモンスター化して人間を犯して子を産ませると8割がモンスターの性質を持つ子が産まれることも分かっている。

 この森では今回は、角ウサギさんが大量に発生しているようです。


「たまに大物もくるけどねっ!」


 ナイフを投げた先には、角の生えた狼が額を貫かれて絶命していた。
 これはホーンウルフ。角ウサギさんの捕食者でもある。蛇足だが、動物とモンスターの区別で分かりやすいのは売買で高くつく皮膚が変質して宝石の様に見える物体が身体のどこかしらに付いていると言うことだ。
 それだけは動物にはない特徴である。

 一説には取り込んだ魔力が、そこに蓄えられているのではなんて言う人もいる。確かに、強いモンスターほど、その物体は美しい。


「皆さんが十分な量を倒せた様なので今度は、魔法を使ってみましょう。勿論、森なので炎系は無しですよ。」


 魔法の先生の言葉に皆の召喚獣が変化した付属品が輝き出す。魔力のコントロールの補助に力を貸しているのだろう。

 森の中だと、炎は駄目なのは当然。氷もできれば避けたい魔法だ。
 もし、冒険者になるのであれば売れる素材は出来ればボロボロな状態にはしたくない。なら、何が妥当かしらね。風、水も良いけどどうせなら。


「電気なんてどうかしら!」


 指をパチンと鳴らすと、指先から火花が散る。
 

「『落雷サンダー・ボルト』」


 モンスターに向って空から雷が落ちてくる。
 狙いのモンスターち丁度当たり、黒煙をあげて倒れる一見する限り、毛皮には傷はなさそうだしほぼ一撃でいける。

 欠点としてはあまりに近くで攻撃するとこちらにも痺れが来る。仲間の近くで強めのを打ったら最悪、味方撃ちになっちゃうから気をつけないと。

 応用するとしたらその欠点を利用して近くにいる敵にも攻撃させる事かな。いわゆる広範囲攻撃ってね。


 あちらこちらで魔法が放たれている中、教師たちはフォローをすべく注意をしていた。生徒に危険が迫れば防護をかけ、緊張ゆえに魔法がおかしな事になろうならそれを止める。

 そんな事をしていたからこそ異変に最初に気がついたのも教師の一人であった。

 モンスターが次々と現れるのは毎年のこと。
 敢えて引き寄せるためのお香を使って集めるときもある。


 だけど、その教師は角ウサギがナニかから逃げているのではないかと思っていた。
 そしてその予想は的中してしまったのだ。


 草むらがガサガサとざわめき、何人かの生徒が角ウサギを退治する為に身構えた。
 森を焼かないため、氷柱アイス・ニードルにしようと呪文を唱えていると、予想に反して大量のモンスターが現れた。驚いて尻餅をつくと、教師が生徒を守るため対処しようとする前にモンスターは一目散に通り過ぎた。

 残らされた生徒がぽかんとしていると、また、草がザワザワし始めた。急いで体制を整えようとしたとき、草むらから現れたのは。



「きゃあぁ!!」




 つづく
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