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大波瀾の学園生活
私と楽しい実地体験 茶番劇?
しおりを挟む私達の前に現れたのは大人である教師達よりでかいミノタウロスでした。
パニックになりそうな生徒を先生たちが誘導して、刺激しないようにその側から離れるが、ミノタウロスは興奮しているようで、辺りをキョロキョロと視線をさまよわせて少しでも逃げようものなら駆け寄って来そうな動作をする。これでは逃げることは叶わなそうだ。
黒光りする角は天を向き、血走る目はまるで獲物を探すかの様にギョロギョロと動いている。
顔はから上半身にかけて牛の様で、下半身は人間ぽく二足歩行をしているが、よく見ると足の形状は蹄になっている。
艶々とした毛並みは焦げ茶色で、涎を垂らす口からは熱く荒い息が漏れ白い煙となって登っている。
自然と暗器に手をかけようとしたとき、コウにぃが首を振って止めるように指示をだしてくる。その後にコウにぃがそっと視線を送ったのは教師達の姿だった。
そうだ、ここには教師が居るのだからわざわざ私が倒さなくて良いのよね。バレずにやろうと思えばやれるけどわざわざ教師の仕事を邪魔することことじゃないか。
暗器からのばしていた手を離す。
「ミノタウロスなら、このリカード家に任せろ!」
そう言ってミノタウロスの目の前に出たのはオレオだった。
そういえば、リカード侯爵家の副収入か何かに、モンスターの素材があったような。それが、このミノタウロスという種族ならなんかきな臭いなぁ。
確かミノタウロスは高位モンスターなので角もモンスターの証も高額で売れるはずよね。だけど、狩りの得意なリカード侯爵家であっても単独討伐だと一苦労だと思うけど。
念の為、巻き込まれないようにミノタウロスとコウにぃの間に立つ。その行動が気に入らなかったのか少し不機嫌そうだがこれは私の趣味でもあるから見逃してほしいな。
まだ、標的を定めていないミノタウロスに攻撃を仕掛けるべくオレオは自信満々に風属性の呪文を唱えている。私が鑑定した限りだと効果はあると思うけど、何故彼が先程まで炎の魔法を使おうとしていたのにミノタウロスを見て風魔法に変えたのか、そして。
ミノタウロス(召喚モンスター)
属性:土・闇
気になるのはモンスター名の隣の召喚モンスターという表示。この表示が示すのはこのモンスターが召喚されたと言うこと。そして、まだ召喚されつづけているのではないかという懸念だ。
「『風を滾らせろ!鎌鼬!』」
オレオは、幾つもの風の鎌を出してミノタウロスに攻撃を放つ。しかし、元々ノーコンであるため、大半の攻撃はミノタウロスを避け、他に飛んでいってしまった。当たった攻撃は数えるぐらいだったが、ミノタウロスを更に怒らせるには十分だ。
ミノタウロスがターゲットをオレオに決めた様だ。ギョロリと睨みつける様に見たあと、攻撃体勢に入る。オレオの近くに居た取り巻き達が枯れた悲鳴をあげて腰を抜かしたように座り込んだ。
流石に自称狩りが得意なオレオは座り込んだりはしないが、冷や汗をかいているようです。
もしかして、今の一撃で倒せると思っていたのかな。流石に、あの一撃じゃ倒せるわけないのに。
早く、次の魔法を用意するなり攻撃しないと後手に回ると辛いよ。こんなはずじゃなかったなんて今更言ってもしょうがないわよね。
「オレオくんは下がって下さい。」
「あ、ば、バルス先生。」
「本来なら教師がどうにかするものです。貴方の勇気は素晴らしかったです。」
冷や汗をかいて動かない、いや、動けなかったオレオの前にバルスさんとシアさんが入り込んだ。オレオの勇気というか、無鉄砲というか。まあ、気付いていての言葉だとは思うけど。
他の教師達もミノタウロスを倒すべくうごきはじめた。
まあ、オレオが何処まで出来るか観察してした節もあるから教師達が動いたならここはもう大丈夫でしょう。
私が仮説の確認のため森に入るなら今しかないな。
「コウ様ちょっと離れます。」
「ほっとけば良いと思うがそっちのほうが面倒か。」
「はい。」
兄上も察している様ですね。
ミノタウロスに集中が集まっているようで、簡単に気配を消して森に入ると、それほど遠くないところで魔力の歪みの様な物を感じた。
この歪み方は召喚獣の時の歪みと似ていて、何体か出てしまっているかは判断できないが、やはりミノタウロスは誰かに召喚されたのだと理解した。
きっと犯人はオレオで間違い無いだろうが、狩りの得意なリカード侯爵家の練習アイテムが暴走したのだと言われたら、事故として処理されるでしょうね。
リカード家が高値の素材をどこから手に入れていたかも判明してしまうが、養殖しているとかのデマよりましね。
取り敢えず、歪みの封印を施して地面に落ちているタリスマンを拾い上げる。複雑な模様のタリスマンの構成を指でなぞりながら解析する。これなら、色々と応用できそう。リカード侯爵家に別のタリスマンがあるなら調べてみたいなぁ。
多分このタリスマンを回収に来るとは思うけど、人のせいにされても困るのよね。
勝手にとって暴走させたんだとかね。
どうするべきか悩んでいたら、元いた所でさらなる悲鳴があがった。何があってもコウにぃは無事だと知っているけど、早く戻るべきよね。
ポケットにタリスマンをしまい込みそして私は、もと来た道を戻っていく。
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