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大波瀾の学園生活
私と楽しい実地体験 茶番劇
しおりを挟む戻ってみるとなんか修羅場でした。
ミノタウロスの数が3体になっていたり、カリナがそのうちの一体を光の鎖で拘束していたり、バルスさんがシアさんの腕の中でぐったりしていたり。
私のいない数分で何があったの。
面白そうに高みの見物をしている兄上を見つけたので、そっと近くによると私に気が付いたコウにぃが起こった事を教えてくれた。
これでも王宮で腕を振るっているバルスさんとシアさんなので、余裕で一体目の最初に出てきたミノタウロス1号を倒そうとしたとき、いきなり2号が現れたそうだ。もしかしたらの想像は、付いていたからそちらには別の教師が向って行ったそうだ。
とどめの一撃を刺す瞬間、もう終わりだと思ったのかオレオが『とどめはオレが』としゃしゃり出てきたらしい。そのせいで隙きが出来て3号が現れたのを気が付かなった。3号はその手に棍棒を持っておりオレオに向って振り下ろされた。バルスさんはそれを庇って負傷。一番弱っていたミノタウロス1号もまた暴れ始めた所をカリナが召喚獣と協力して光の鎖で押さえつけた。
そこに私が戻ってきたということらしい。
「じゃあ、元気な2、3号と弱っていて拘束されている1号に負傷のバルスさんってこと?」
「ああ。」
「ウォルターも戦えるよね。行かないの?」
「一応、あんたらの護衛なんだけど。」
「私が席を外していたのも気が付かないのに?」
「ええ。マジで?」
「マジで。せめて、バルスさん回収してきてください。」
ウォルターは一応騎士団なんだから気付いていて欲しかったわ。父様に言って鍛え直しだね。
せめてシアさんの荷物になってしまっているバルスさんの回収を頼んだ。マジかよとか言っていたが素直に回収してきてくれるようだ。それなら弱っているミノタウロスはシアさんに任せられる。
残りは元気な二匹。
一体は教師が対応中。もう一体3号はバルスさんに怪我をさせたあと、オレオと追いかけっこをしているみたい。戦闘力を潰した原因だしもうすこしほっといてもいいかな。
先にウォルターが抱きかかえてきたバルスさんの怪我の様子を見る。
苦痛の表情のバルスさん。打撲と脳震盪、腕が異常に腫れ上がっているから骨にヒビも入っているかもしれない。鑑定をすると予想通り。
「『治療』」
回復魔法をかけバルスさんの表情が穏やかになる。
これで大丈夫。
「コウ様、私‥…。」
「はあ。まあ、余興には飽きたしな。お前は動くなよ。」
コウにぃは私の肩を抱いて引き寄せる。私が、女の子ならきゃあきゃあ言わずとも頬ぐらいは染めていたかな。まあ、兄上からのスキンシップは僕も大好きなので悪い気はしない。
コウにぃは先程の私の様に指を鳴らす動作をして火花を散らす。
「茶番は終わりだ。『天の光よ。雷を纏い我の前に立ち塞がりし者に等しき裁きを。雷の槍』」
「コウ様!」
兄上の放つ雷の槍はオレオと追いかけっこをしていたミノタウロス3号を跡形もなく消し飛ばした。勿論、その背後にあった森も被害が出て、近くにいたオレオも電気ショックをくらったのか黒煙を上げながら気絶している。
ちょっとやりすぎです。雷の矢で良かったじゃないですか!
「もうすこしコントロールが効く予定だったのだけどな。」
「うわぁ。これ護衛のいらないでしょ。」
「いやいや、毎回これだと大変です! 」
「あ、ああ。強すぎて護衛が必要だと。」
毎回、兄上のチート級の魔法を使ったら世界が滅んでしまうじゃないですか。
周りで戦っていた人達もその威力にドン引きしているし知性が無いと言われているモンスターも固まっています。
唯一事情をしるシアさんだけが黙々とミノタウロスを倒して素材回収に移っていた。
いやね、前世では全く魔法のまの字もなかった世界ですので使いたい気持ちも理解できますが、威力を考えて。
わかりました!今度の長期休みに一緒に練習しましょうね。だからしょんぼりしないでください。
「コウラン様ってお強いのですね。たすかりましたぁ。」
拘束していたミノタウロスが倒され開放されたカリナが話しかけてきた。別に助けたのはシアさんだと思うのだけど、そっちにお礼は良いの?
カリナはコウにぃが私を抱き寄せているのが気に食わないのか私には睨んでいましたが、兄上には上目遣いできゅるんという効果音が似合いそうなポーズでアピールしています。
「シシリー、最後の一体も倒されたみたいだぞ。」
「そうでしょうね。コウ様の攻撃でたじろいでいましたもの。」
「ちょっ、無視しないでください!」
最後ミノタウロスが倒され、教師達がせっかくなので解体の講義を行うと我々を集めている。どうやらミノタウロスは肉も絶品らしい。
怪我をしたのも教師の一人であるバルスさんですので問題なしとなっているようです。
え、オレオ?
あれはモンスターに怪我させられてはいませんので。しばらくしたら起きるでしょう。
「あの!同じ光のドラゴン仲間ですし、仲良くしてください!」
「カリナ様、コウ様のクロイツさんは神竜です。一緒にしないでくださいまし。」
「シシリー様はそうやって虐めるのですか?」
ふぇと瞳に涙を溜めて泣きそうになるカリナ。でも、特に目元が充血している訳でもないし嘘泣きなのはわかる人にはわかる。ここで、嘘泣きとわからない人にぐちぐち言われるのはたまらないので無視して、講義の教師の元に向かう。
その途中にシアさんにバルスさんを治療したことは伝えておく。どこかホッとした表情にこちらもホッとする。
「にしても、カリナ嬢も良くやるよな。」
「護衛ならそちらも盾になって欲しいですけど。」
「あはは、可愛い子なんだけど腹に一物抱えてて嫌。」
ウォルターめ、そのチャラさを発揮しろよ!
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