僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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大波瀾の学園生活

私と楽しい実地体験 終了

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 ミノタウロスの解体授業を終えて、気分が沈んでいた生徒達が気晴らしのためにミノタウロスの肉をバーベキューの様に頂いている時に、教師達の間でちょっとした会議が行われた。
 うん。私はとても美味しかったけど、解体の後にバーベキューって辛い人はつらいよ。

 その会議の結果、予想外のミノタウロスというモンスターが出た事もあって実地体験は早めに帰る事になった。
 残りの日程と言っても一年だからか、2年からの一人で森にこもる演習とは違い、談笑会の様なフォークダンス会の様なものをやるらしいだけだとか。

 カリナだけがぶうぶう言っていたが、流石にミノタウロスという自分達より強い相手に、予想外の死への恐怖に生徒の疲労は十分だった。

 教師の一人バルスさんも念の為、身体の調子を専門家に見てもらう事にし、さらには今回の突然のミノタウロスの襲来の原因も分からずじまいだったので帰ることは決定的で皆が賛同したのだ。


 事情を聞いた学園長は、皆の無事を確認し感動の涙をおいおい流していた。そして、出てきたモンスターがミノタウロスだと聞くとピクリと反応して視線だけでオレオを見たことから、やはり、彼の家の副収入にミノタウロスが関わっていて、今回の原因も彼だと察しをつけたのだろう。

 だが、証拠は私が持っているので何も言えないと。まさかタリスマンのようなもので召喚できるとは思ってないだろうしね。

 タリスマンという小さな召喚陣であれだけの大物が呼べるというのはこれの製作者が、とてつもない技能を持っているのが分かる。それが、初代リカード侯爵なら彼はとてつもない人物だったはず。もしかしたら異界から呼ばれた人かもしれないなぁ。


「そのとてつもない技能とは今お前がやっているやつか?」
「はい!」


 無事に帰ってきて僕は兄上の部屋でお揃いの髪留めに仕掛けをしていた。召喚の紋様をあれほど簡略するには、その知識も必要だし、間違えないように刻む技術も必要だ。だって線の一本だけでもはみ出したり短かったりしても別物になってしまうからね。
 僕はこの簡略化するコツをあのタリスマンから学んだだけだ。最初に考えたこの作成者には脱帽するよ。


「そういうところが無自覚チートなんだよ。」
「何か言いました?」
「いや、因みにタリスマンはどうした。」
「返しましたよ。お手紙と共に。しばらく静かじゃないですかね。」


 そう、タリスマンは返した。
 実地体験から帰宅した夜にリカード家に侵入させてもらって父親から怒られたぽいオレオの枕元にそっと置いておいた。
 手紙を父親に見せたかは知らないが、取り敢えず今回の騒動の証拠が手元に戻ってホッとしていることであろう。

 ついでに他のタリスマンが無いか探したが、無駄に屋敷が広すぎて見つける前に疲れてしまった。
 見つかればもうちょい研究したかったんだけどね。

 父様に確認したら、リカード家が売りに出しているのは、ミノタウロスの他にジュエルキャットとストーンゴーレムがいるらしい。
 リカード家の裏手に森がありそこで捕まえていると言っているらしいが、他の誰もが入っても見つからないとのことなので、多分すべて今回の様に召喚だろう。


「刻んでいるのは何の陣だ?」
「これはですね、防護の陣です。これでもし身近で魔法をぶっ放しても付けている人は無事ですよ。」


 あの、雷の槍を見てしまったからにはこれだけは最低限、組み込みたかった。この、兄上の至宝の顔を傷つくなんてことは僕が許さない。

 完成した髪留めを渡したら、今度はペンダントに取り掛かる。こっちには何を刻もうか。重複するのは渡したくないし。

 ん~。なら、あれだよね。

 頭で術式を考えて、ペンダントに刻み込む。本当なら色々と準備しないといけないけど、兄上の前でそれをやると不機嫌になるので仕上げは見えないところでやらないと。


「そういえば、もうすぐ夏休みだな。」
「夏休みかあ。」
「夏休みになったらお前の記憶を取りにいくぞ。」
「場所は分かっているんですね。」


 元々、学園に入って長期休暇に入ったら探しに行くことになっていたが、いよいよ仲間とやらの記憶が蘇るらしい。仲間と言っても前世の仲間なので実際に会えないとは思うけど。
 でも、兄上がわざわざ調べたと言うことは僕にとって必要なものなのだろう。

 腕に絡まっている宵月がしゅるりと何か言いたそうに鎌首を上げていたのでナデナデと指の腹で撫でてあげる。
 大丈夫。記憶がもどったとしても宵月も僕の仲間だよ。


「因みに何処まで行くの。」 
「ん?」
「旅の準備が必要でしょ?」
「いや‥…いらない?いや、そうだ。いる。」


 珍しく返答に困っている兄上。
 ペンダントに刻み込むのも終わったのでコウにぃが悩んでいるうちに仕上げを施して首をかしげながら渡すと、コウにぃはペンダントを受け取りながら何かを考え込む。


「あいつ等は入れるのか?最悪ウォルターか。二人でも良いが‥…。」
「そんなに大変な場所なの?」
「いや、場所は学園の地下だ。」
「へぁ?」
「学園の関係者しか入れない地下の奥底にシンリの記憶の欠片がある。」



 マジか。
 灯台下暗しとは良く言うけどまさかの足元にあったのか。地下ってよくわかって無いけど、ゲームみたいに引き寄せられたら良かったのに。 





_________


皆様こんにちは。

今回で一旦学園編は中断します。次回から夏休みもとい記憶さがしです。
次回更新は2/10にさせていただきます。

 学園編の続きは記憶探しその後でつづきます。

 よろしかったら見ていってください。


SHIN

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