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記憶を求めて奥底に
僕と宵月のダンジョンウォーク
しおりを挟むギギィときしむ音がして隠し部屋の扉が開いた。
扉があるのに隠し部屋とは何ぞよ。
と感じだが、見つけられないものだけが隠し部屋というのはなんか違うと思っている。開けられずに中に何があるのかわからない状態も隠し部屋の一種だと。
どんな状態でも隠し部屋だよね。わからない部屋って想像をかき立てられるし。
開けるのに協力してくれた天使ちゃんはまた使う日まで空間魔法にしまい込んで、これからはソロ活じゃなく、宵月と二人でダンジョンを巡る事にした。
開いた扉の先には宝箱の様なものが1つあるだけだった。
階段では無かったので、ちょっと残念。階段だったら扉が開いてないのなら兄上達は通ってないのはわかり易かったのに。
唯一部屋にある宝箱は動いているようには一見ではわからないので恐らく普通の宝箱だと思うが、もしかしたらモンスターかもしれない。こういうのってどうやって確かめれば良いのかな。ウォルターなら知っていたのだろうけど。
取り敢えず、宵月に相談してみる。
「どうすれば良いと思う?斬りつけて良いかな?」
「『鑑定はどうだ?』」
「うん。鑑定してみたけど宝箱?って表示されてる。」
「『本物の周りも素材になる可能性も有るなら、小石を投げつけて反応を見たらどうだ。』」
「その方法採用。というか宵月は知らないんだね。」
「『俺は異世界から召喚されたからな。』」
なんと!
宵月も異世界出身者でしたか。
いや、魔神よ。ちょっと見境無いでしょう。まさかの召喚獣さえ異世界産。
「『ちょっと事情は違うがな。』」
「えっ?」
「『何でもない。』」
「なんか、宵月ってコウにぃみたいだね。」
と言ったら嬉しくないような懐かしむような不思議な顔をした。どんな感情なのそれ。
でも、安心感とか雰囲気とか似ている気がする。自由奔放な所はコウにぃの方があるけど。宵月ももうちょい真面目なところを緩めても良いと思うよ。
よっ!兄貴!と呼びたいところを抑えてそこらに散らばるビー玉位の石を手に取ると距離をおいた宝箱に投げつける。カツンといい音がして宝箱の角に当たった。
当たった石が地面に転がり落ちたようだ、宝箱に近寄らず様子を見ておく。しばらくして宝箱はブルブルと震えてその蓋を開き鋭い牙を持つ真っ黒なマッチョが現れた。
「‥…。」
下半身が宝箱、上半身がマッチョ、鑑定にはミミック。
なんか想像とちがう。
ミミックって宝箱のモンスターだよね。いや、宝箱のモンスターだったけども。何でマッチョの人間みたいのがはえてるの?
こういうモンスターってどうやって出来ているのか気になる。そこらへんは魔神様に聞いたら答えてくれるかな。
「『どうかしたか?』」
「いや。」
「『なんか変なポーズを始めたぞ。』」
「あんにゃろ。」
あまりの想像と違う姿に額に手を宛てて項垂れて居たら宵月がミミックを指差す。
指の先にはボディビルダーの様なポージングをしているミミック。鋭い牙の口をニンマリさせて、よく見るとジリジリと近づいてきている。
「なんか移動が鳥肌立つ。」
「『俺が倒そうか?』」
「お願い出来る?」
「『許可を頂ければ。』」
「じゃあ、お願い。」
「『御意。』」
先程、式を作るときに護衛を任せちゃったけど、宵月が戦闘する姿を見るのは初めてだ。ステータスでも見せて貰おうかな。
***
宵月 (召喚獣)
性別 不明
種族 ✕✕✕
✕力 ✕✕✕✕✕✕
Level ✕✕✕
称号 異世界の✕✕ ✕✕の守護者
魔法属性 風 ✕✕ ✕✕
***
え~、ほとんど読めないじゃん。
何かが邪魔しているのか、僕の鑑定のレベルが低いのか。そうだ。兄上のレベルが見えなかったのもそういう理由かも知れない。
ミミックと対峙する宵月。
その手には偃月刀が握られている。くるりと一回転させて構えた。ミミックが腹筋の力を使って大きく飛び上がり、襲い掛かる。それを縦に一閃。
まるで豆腐を斬るように力を込めてなさそうなのに綺麗な断面図を作り出した。
凄い、達人技じゃないですか。
そのままモンスターが空中でぼふんとその姿の形で素材へと変わる。
バラバラと形が崩れるように落ちた。
落ちた素材はなにかの宝石の様だ。
赤色や青色、緑色など色々な色の宝石が落ちる。どうやらこれを防具に組み込むと属性が付くみたいだ。
「これまた珍しい素材だね。」
「『喜んで貰えたようで良かった。』」
「この階は珍しい素材のモンスターが多いのか。たまたまか。」
ここの部屋はこれで終わり。
また、散策を続けないといけないのか。
素材を回収しながら、索敵を行うとノッカーらしき反応が近くに2箇所、別のモンスターの反応が3箇所ある。
二叉の道や多数の分かれ道の場所などもあるようなので現地に言ったらまた索敵をしないと駄目のようだ。今回の索敵では階段の様なものはなかっしね。
「ノッカーらしきモンスターをなるべく倒しながら行きたいのだけど、協力してくれる?」
「『承知した。』」
「有難う。」
ノッカーらしきモンスターの鑑定してなかったな。次にあったらしてみよう。名前が判明するだろうし。もう一体の正体不明のモンスターも何かな。この階のダンジョンはこれだけ良い素材がでるし、このモンスターも出るかな。
はあ。早く兄上と合流したいな。
_____
いつも閲覧有難うございます。
SHINです。
明日は更新をお休みさせていただきます。
次の更新は月曜日に。
SHINより
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