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記憶を求めて奥底に
僕と彼等の再会
しおりを挟む僕と彼等はとある業界では名家の屋敷で出逢った。
前の彼等の持ち主は亡くなる前に彼等の身を案じながら、好きに生きれば良いと彼等を縛っていた理から開放した筈だった。
しかし、欲望にまみれたものはいつの世にも居るのが通り。彼等と主人の絆を家系を絡ませた者がいた。そのせいで彼等は別の理で縛られ本来居るべき所へもどる事が出来なくなる。
幸いなことに絶対隷属な理ではなかったので、自らの火の粉を払うほかで、気に入らないものの言うことなどを聞くことはなかった。元の場所に戻れないが、彼等にとって人の命などほんの僅かな時。この家系が途絶える事をゆっくりと待つことにしたようだ。
そこに現れたのが、兄上と出逢って間もない僕だった。彼等の気にも怖じけず、何処となく前の主人と似た面影を持つ僕と僅かながら共に過ごすうちに、それ以降も共に支え合う事になるのは時間の問題だった。
それに慌てたのは彼等を新たな理を作り縛った者達だった。
なぜなら僕はその者達の敵対していた者達の血筋も入っていたからだ。
『なぜ、あの家の者が。』
『取られたらとてつもない痛手だぞ。』
『なぜあの方たちもあの者の言うことを聞くのだ。』
『良くやったこれで我が家系は安泰だ。』
『あの自らの力でも無いのに天狗になっていた奴の鼻が折れたな。』
影でそんな話をよくしていたが僕が物心付いたとき彼等を反対を押しのけ解放した。
僕にとって彼等は先生であり、友人であり相棒であったから縛りつけるのが嫌だったのだ。
だけど彼等は解放後も僕の足元にひざまついた。
僕が彼等と出会えたのは僕の中の2つの異なる血筋のお陰であった。ただの偶然で幸運だっただけなのだ。ただのそれだけのことだったから、解放して元いた所にもどって欲しかった。利用されないで欲しかった。
僕も彼らと同じように膝をついて抱き合う。
「‥…何でまた封印されているのさ。」
「『記憶が戻ったのか。』」
「僕が死んだら戻れば良かったのに。」
「『生は輪廻する。もう一度だけ会いたかった。』」
まさか別世界で逢うことになるとは思わなかったとそう苦笑いで話す宵月の目は以前と同じ優しい目だった。
記憶が戻って改めて、宵月のチートな存在であることも思い出した。宵月を含めて彼等はそれぞれ木、水、火、土、金の五行を司る存在で、場所によっては神と同等に崇められる存在だ。なので僕らは式神と呼んでいた。
「青龍王と呼んだほうがいいかな?」
「『俺は宵月だ。』」
前のときに他の皆が敬称として呼んでいた名前で意地悪くそう尋ねれば、嫌そうな顔で返されてしまった。
「他の子にも名前をつけないとね。」
「『そうしてやってくれ。ほら、着いたぞ。』」
「ダンジョンはどうなったかな。」
ボス前のセーフティルームの転移装置の行き先は学園のダンジョン入口だった。皆がウロウロとせわしなく動いている。僕の姿が見えたとたんに無事の姿にホッとした表情を浮かべて笑顔で迎えてくれた。
「ダンジョンは?」
「無事に消えたさ。門があったところは倉庫の部屋になっている。」
ちら、と見ると確かに異質な門があった所がただの扉へと変わっていた。奥の方では僕達の帰りを待っていてくれたらしい学園長が無事に帰ってきた喜びなのか、学園から開放された嬉しさなのかおいおい、泣いている。
「記憶の方は?」
「バッチリ!」
「『主様?』」
「主様じゃないよ。ここではシンリと呼んでよ。」
ね。と大人のお姉さんに答えれば、きつめに見える目尻がうるんだが、頭を振ってそれを誤魔化した。
お姉さんの目は綺麗な朱色で髪と相まって、彼女の火の属性が際立っている。
「君は朱冥と呼んでも良いかな?」
「『!‥…有難きお言葉。』」
大人のお姉さんの名前が付いたことで、この世界での彼女の存在が確定された。今後元の場所に戻りたいときは戻れるように後日教会で父上に願っておこう。
次に目が合ったのは、少年。
水の気を濃厚にもつこの少年は以外と頑固で真面目な男だ。その大樹のようにしっかりした彼にふさわしい名は
「玄樹なんてどうだろうか。」
「『玄樹‥…良い名前だとおもう。』」
「『ずるい!私も欲しい。』」
じんわりと名を復唱する玄樹が満足気に頷いていると少女が割り込んできた。
元気で優しいムードメーカーな彼女はさの榛色の瞳をキラキラさせてこちらをワクワクとした目で見てくる。金の属性の気を持ち小柄ながら大剣も扱える彼女にふさわしいのは何かな。
「白夜にしよう。」
「『白夜?それが私の名前ね。どうしよう。とても格好いいわ。』」
「気に入ってくれて嬉しいよ。」
これであと一人なんだが、まあ、そのうちに彼等の気を追ってくるだろう。それに彼の名前はもう決まっているしね。
僕は、新たな記憶を得て、新しい大切でかけがえのない仲間を得ました。
「皆、ただいま。」
「『おかえりなさい。主殿。』」
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