僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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王道?邪道?乙女なアレ

私の婚約者の憂鬱

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「コウラン皇子様にブローチを頂いたのよ。」


 きやあきやあと、嬉しそうに話すのはカリナだった。その胸には光の反射で七色に輝く石が埋め込まれた花をモチーフにしたブローチが輝いている。
 このブローチは陰の気、彼女への妬み等をしてくれるように調整してある。排除でも消去でもなく緩和にしたのは、彼女の行動で妬み等が来てもそれが彼女の学園生活だからだ。完全に消えたら彼女の成長にならないだろうと学園長からの司令だ。他の生徒もそうだ。

 今回はダンジョン消失という急な変化がこの学園であったので特別措置なのだ。他の学校では陰陽のバランスを調整してくれる四方の守りで十分のはずだ。


 話は戻るが、カリナはコウにぃにブローチをプレゼントされた事が嬉しいようで、私の方にマウントの様にニヤニヤしながら確実に聞こえる声で、自慢している。
 忘れないでほしいのはコウにぃが彼女に渡したとき、私も居たはずなんだけどね。しかも、コウにぃは『ちょっとしたモニタリングをお願いしたい。』と渡したはずなんだけど。



「私だけ貰っていいのかしら。」



 チラチラとこちらを見る彼女は私の制服にブローチが無いことに優越感でご機嫌のようだ。そんな彼女を無視して、談笑しながら兄上と腕を組んで教室に向かう。
 今日はこれから長期休みの間に宿題として出された物を提出する日だった。

 まだ一年なので、頑張れば一日で終わるような量だし、教わった事を応用しての発表もある。それは、剣の授業の応用から剣術を見せても良いし、魔法工学から魔道具を披露しても良い、何でもありだ。

 因みに共同でも良い事になっているので私とコウラン皇子は共同でカリナに渡したブローチと同じ様式を応用して置物を作ってある。作用の確認のため陰気の塊であるゴーストさんに協力してもらい成仏してもらう予定である。



 周りの人達が私達に習ってカリナを無視して教室に入り席につく。周りで誰も居なくなった事に気がついたカリナが慌てて席に付くと、タイミングを測ったかの様にバルスが現れた。
 バルス先生は、いつものように優しい雰囲気で挨拶をすると、出欠をとり連絡事項を述べたあとに宿題の回収を始めた。



「では、応用の発表をしましょう。発表はここでは狭い人もいるでしょうから外でやりましょうか。」
「はい。」


 剣術や魔法を見てもらいたい人もいるので場所は外に移動する。バルス先生が防護壁を展開して外部に影響が無いように調節すると、生徒が入学番号順に発表していった。

 剣舞を披露する人や居合斬りをする者、召喚獣と発表する者もいるし魔法を暴発させて保健室に行く子もいる。
 そんな中で、オレオの魔法のコントロールが巧くなっているのには驚いた。まだ傲慢な所があるが何かしら成長しているのだろう。
 


「カリナ・ルードラ。」
「はい。」


 カリナの名前が呼ばれて一気に注目が集まる。いつも自慢げな彼女が何をするのか興味があるのだろう。
 カリナは皆の前に立ち、気分を落ち着かせるためか深呼吸をして両手を前に出す。
 ブツブツと口の中で呪文を唱えながら空気中の水分を急速に抽出していく。あまりの速度での抽出なので辺りの植物がシオシオになり、私も唇が乾いてきた様に感じる。

 これは、ちょっと危険かも。

 俯く事で誰にも気づかれ無いように邪眼を発動すると、近くの水の精霊に辺りに水の気を増やすようにお願いした。

 水の精霊は私に話しかけられて嬉しそうににすぐさま湿度を上げてくれたようだ。ほっとして邪眼を解除してカリナを見ると、目の前には水の睡蓮が浮かんでいた。
 そこに光の召喚獣が彩りを添える様はとても美しい。

 少し危険だったが、彼女にしては良い発表何じゃないかな。



「‥…どうしよう。」
「え、アンナ?」
「私達の演舞がカリナ様と似ているの。」



 なんと。
 タオシャンの水の花にアンナの火魔法で花火の様な物を水中で発生させる。そのままやん。
 たまたま似ていたにしろ、ぱくったにしろカリナの技術は凄いし、二番煎じじゃインパクトも薄い。
 ちらりと見るとニヤついたカリナの足元の草花がまだ元気なくしなっているのが見えた。


「どちらか植物成長グロウプランツ使えますか?」
「わ、私が。母に休み中の花壇の手入れで。」
「なら、この種を‥…」


 ヒソヒソと話すとアンナとタオシャンは顔を見合わせて頷き合う。軽い変更の相談をしている。

 そうしているうちに二人の名が呼ばれた。タオシャンは水の玉を空中に作る。カリナの花様に華美は無いが安定した水の球にアンナが一粒の種を落とす。
 二人の相性は良い様で水の球にアンナが植物成長グロウプランツを唱えるとその魔力は水に拒まれる事なく種に届き、大樹を作り更には淡紫の花がつれづれに咲き始めた。

 カリナの魔法で元気のなかった植物もアンナの魔法で元気を取り戻し花を咲かせる。
 その様はまるで創世の姿を見ているようだ。


「やったのか。」
「え~。精霊にお願いしただけだよ。」
「甘ちゃんめ。」



 コツンとコウにぃに頭を小突かれた。
 すっと邪眼を治めてふと視線を感じてそちらを見ればカリナがこちらを睨んでいる。
 もしかしたら邪眼を見られたかな。

 なるべく俯いていたと思っていたけど、油断は禁物だよな。



「次は俺等だぞ。」
「あ、本当だ。ゴーストさんカモン。」






 

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