僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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王道?邪道?乙女なアレ

私と聖女の集い レッツ パーリー

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木でできたそのテーブルはとても大きく広いのに、三人はその机の一面一つにギュウギュウに固まっていました。「満員、満員!」と一人の少女、アリスがきたのを見て、みんな叫びました。あまりにも満員だと叫ぶものだから「どこが満員よ、いっぱいあいてるじゃない!」とアリスは怒って、そしてテーブルの端にあるおっきなフカフカの椅子に腰を降ろしました。

フカフカな椅子にご満悦なアリスに「ワインはいかが」と三月うさぎが親切そうに言います。

両親が美味しそうに呑んでいたワインに興味があったアリスはテーブル中をみまわしましたが、そこにはお茶しかのってません。「ワインなんかみあたらないけど」とアリス。

「だってないもん」とおちゃらけた様に言う三月うさぎ。

「じゃあ、それをすすめるなんて失礼じゃないのよ」とアリスははらをたてました。




        [  不思議の国のアリス 気違いのお茶会より抜粋]









  白い雲が青いそらに映えてとても綺麗な日。今日は『聖女の集い』の第一日目。内容は礼儀作法。

 庭に広げられたテーブルには白いクロスがかけられていてその上にはケーキスタンドにスコーンの皿、スープやジャムなどが置かれている。
 ケーキスタンドにはサンドイッチやケーキ、氷菓子などが盛られている。

 そして私の目の前の湯気が微かにあがるカップをソーサーの上に


「何でアンタがそっちなのよ!」
「カリナ様、こちら本日の紅茶の茶葉はフラワリーオレンジペコーです。」


 私はカリナの目の前に置いたカップに紅茶を注いだ。


 よくよく考えられている勝負だと思います。今回の礼儀作法のテーマはお茶会。ランダムで組まされた二人組がもてなし側ともてなされ側になりそれぞれの礼儀作法を試されるという。

 学園長に受付した際に渡されたカードにはそのもてなし側ともてなされ側を識別する暗号が組み込まれていた。

 例えば私にはアリスの絵柄で「ワインはいかが?」の文字が。カリナには同じくアリスの絵柄でで「失礼じゃないの!」と文字が刻まれている。

 茶会を開くことがあれば問題なく出来そうだが、今回はカジュアルなお茶会ではない。ナプキンを膝に被せその向きさえ決まっている、背もたれに背を預けるような事がない伝統的なお茶会だ。

 そのお茶会の姿は動作一つ一つがまさに芸術的。

 カリナにはちょっとだけ荷が重いだろうか。取り敢えずウェルカムティーを注いだあと、さりげなく小声でヒントを出していく。早々にリタイアされて裏で色々と動かれては困るからね。


 カップは摘むように手に取り、ティースプーンは裏側に置いておく、ケーキスタンドは一番下のサンドイッチから自分の分だけ取り王冠を模しているスコーンは手で裂きます。


「ナイフで切ったら駄目よ。」
「!」


 今まさにナイフを突き立てようとしていたカリナに忠告をする。丁度カリナの背後には今回の審判である礼儀作法の先生が迫ってきていた。その気配を彼女も感じたのだろう。そっとナイフを置いて手でスコーンを割る。
 それを見た先生はウンウンと頷いて別の生徒の元に行ってしまう。


「助けたつもり?」
「いえ。ただ私は何も知らない哀れな娘を憐れんだだけですわ。」
「ちょっと間違えただけよ。」
「そのちょっとが落選の一つになるのでは。」


 私の言葉にぐぬぬと悔しそうにしている。

 私はジャムをつけたスコーンを口に入れてもぐもぐ。サクサクほろほろのいい感じのスコーン。ジャムとの相性も良くて口の中が幸せだ。
  ケーキスタンドの中間の氷菓子は瑞々しく、一番上のケーキはふわふわでとても美味しい。因みにこのお菓子も出迎える側が用意する。配られたカードに出迎える側にお菓子と書かれているのだが、本来の意味を測りかねていると失敗する。
 えっ、おやつと思って早々に失格になり相手側は急遽先生と何て事も。

 この礼儀作法は毎年項目は異なり、ある程度のルールはあるが本当の正解というものもない勝負だ。だからこそ理解力と応用力が試されるのだ。相手が生きているからこそ突拍子もない事が起こる。

 既に失格になっている者たちもイレギュラーな事があってそれに対応できなかった人達が多い。例えばこんな風に


「カリナ嬢、ナプキンを丁寧に畳み過ぎではないですか?」


 礼儀作法の先生はお茶会の最後にカリナが綺麗に畳んだナプキンに付いて話しかける。話しかけられた選手以外は解答出来ないが、カリナの焦っている様子からどう返答すべきか悩んでいるといったところか。

 こんな風に、いきなり先生が質問してきて変な返答やプレッシャーでヘマをしてしまい失格になる。
 実際のお茶会ではこんな風に争うものじゃないから軽く失敗しても笑い話。まあ、派閥争いのギラギラしたお茶会は揚げ足を取ってくるけどね。


「‥…ご不快でしたら申し訳ございません。ですがとても丁寧で美しいお茶会でしたので感謝の意を込めまして丁寧に畳ませていただきました。」
「シシリー嬢はどう思いですか。」
「カリナ様のその想いしかと感じましたわ。」



 流石にそこまで馬鹿ではないですよね。
 どうにか絞り出した言葉は正解。こういうお茶会の退室じナプキンはテーブルに戻しますが、あまりにも綺麗に畳むと『私のほうがもっとうまく出来るわ』となるらしい。だけど逆に綺麗に畳む事で『とても丁寧なお茶会有難うございます。』となる。どちらの意味で取るかは受けて次第だけど、相手の態度が結局は物語っているのよね。


「よろしい。ここに残った14名を合格とします。」


 
 

 

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