僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

文字の大きさ
98 / 245
王道?邪道?乙女なアレ

私の聖女の集い 二日目

しおりを挟む



 料理それは生きているものの糧であり、生命を燃やすために必要な要素である。
 しかし、食事は腹を満たすだけではいけない。
 一口食べれば口に幸せが溢れ、また一口と美味しく思わず次に手を出す事鮮やかな思い出の一つ。
 
 また食べたいそんな気持ちが明日への活力になり、そして生きる志が育まれるのだ。かつて、この学園にはその意味合いをもって当時、環境の劣化が酷かった孤児院で料理を振る舞う女性がいた。その姿はまさに聖女のようだったでしょう。


「と言うことで、『聖女の集い』二日目は料理勝負です。皆さん、昨日一日目の間に色々と考えてくれたでしょう。」


 仰々しい態度の学園の演説。
 その目の前には14人の『聖女の集い』の少女達が料理をするに相応しい格好で集まっている。
 この『聖女の集い』の三日間はそれぞれ間に準備期間が設けられていてそこでテーマに付いて考え対策する。

 学園長の演説でとても野太い声が聞える。女のコらしい可愛らしいエプロンや本格的なコックの姿まで色々な姿の私達の更に背後には、ランダムで選ばれた試食をする方々がいた。
 
 彼らは少女達の料理を味見して点数をつける。その点数が高い順に5名が三日目に進めるのだ。


「本年度のメイン食材は皆さん大好きな豆です。因みに礼儀作法勝負の時に配られたカードは魔力を通すとお題の豆がでる仕掛けなんですよ。面白いでしょう。」



 にっこりと学園長がカードの秘密を伝えれば、2人程『そんなの分かるか!』と叫んでいるが一応解析の授業を真面目に受けていれば一年でも分かるヒントなんだけどね。

 メイン食材が豆だと知った試食人の人達は嫌そうな顔でげっそりしている。
 豆ってお腹で膨れるから14人もの豆料理食べるの大変そうだよね。そう思っていたら学園長はまたもやニコニコ。


「試食人は総勢42人。一人3名をランダムに選んで審査してもらいます。なので、事前の審査は参考にはなりませんので。」


 やたらと審査員に人が多いと思っていたらそういうことか。ということは調理しながら審査員とも会話して好みを聞き出しながらやっていかないとだめってこと?それって運要素多くないかな?



「運も実力の一つです!それに審査員の好みなど最初の人はわからないのですから条件は平等に。」


 全ての人が平等にとは良い考えだと思うけど絶対に今思いついた閃きだろ『はっ、こんなこと言う私ってなんて優しい』なんて思ってただろ。


「では、開始しましょう。」


あ、逃げた。


 開会の言葉がありそれぞれ割り振られた台所にいく。この世界では貴族でも自炊が出来ることは前にも言ったかな。ここでは遠征することもあるのである程度は自炊が出来ないと悲惨なことが起こるので、家庭でも教わるし学園でも作ることがある。

学園では冒険に使える保存食の応用なども行っていたりする。空間魔法を持っていても時間まで停まるなんて空間魔法を使えるのは国でも片手に入るほどしか居ないので、どうしても保存に長けたものが主流になり、美味しくないらしい。

 料理の授業があってからダンジョンでウォルターが泣いてた理由が分かった。



 調理が開始になり、一斉に食材に手をつけ始める。私は事前に水につけといた大豆を取り出し、大豆の6倍位の美味しい魔法の水と合わせてミキサーにかける。

 ドロドロになったら鍋で煮込み汁とカスを布巾で分離させる。私が使うのはこの汁のほう。そう、豆腐を今作ってます。カスは後でクッキーにでもしようかな。

 汁、豆乳を鍋に入れて程よい温度にしたらにがりを入れる。ブツブツと固まってきたらその塊を型に入れて重石を載せたら豆腐の完成。

 だけど豆腐を出すのは面白くないのでさらに調理。ここからは我が家のコックの技を織り交ぜてやらせていただきます。

 出来上がった豆腐を『凍結フリーズ』で凍らせて完全に凍りついたら『解凍デフォスト』。『解呪デスペル』だと元の状態に戻っちゃうので注意。
 お試しでやってて分かったけどもしも相手を凍結しちゃったら解凍するを選ぶと、この豆腐のように組織が壊されてしまうみたい。足を凍結させて逃亡阻止には便利かも。

 解凍した豆腐をきつめに絞り、肉出汁のトレイに千切りながら浸す。
ひたひたしたら軽く絞り、我が家の料理長秘伝の唐揚げ粉を取り出して3種類の衣をつくる。

 何で3種類かって?

 私の所の試食人は男子生徒二人の女子生徒一人。見たところ男子生徒は体付きの良い生徒達で知り合いなのか話しに鼻を咲かせている。女子生徒は大人しめで、だけど貴族の令嬢の様でスラリとした体付きはちゃんと管理されているようだ。

 その様子や話の内容から、ノーマルの衣、ピリ辛の衣、レモン風味の衣を作ってみた。
 
 ここまで来ると私の作っているものが、なにか分かるかと思う。そう、ナゲットを作っている。

 

「どうぞ。ナゲットです。」
「えっ、確か食材は大豆でしたよね。」
「まあ、食べてみてください。」


 3種類を綺麗に盛り付け、彩りにレタスとトマトを盛り付けて試食人の前に出せば驚いた顔をしている。
 百聞は一見にしかずとは良くいうが、まあ食べて見れば分かるだろ。


「あ、美味しい。」
「うん。ピリ辛はオレ好みだし、レモンが香るのはさっぱりしていて良い。」
「でも、豆は何処に。」


 おや。お話に夢中で作っている作業は見てなかったのか。


「魔法に見とれてました。」


 まさかのパフォーマンスになっていたか。
 私はあちゃあと額に手を当ててそのナゲットの作り方を教える。そしたら三人は驚いていた。特に女子生徒はヘルシーなナゲットに興味深々で、レシピをメモしようとしていたので元々配ろうとしていた紙を渡すととても喜んでいた。

 男子生徒にも渡し、大豆にはタンパク質が豊富で筋肉を作るのに良いことを教えておく。


 三人はお互いの顔を見合わせたあと点数を書き始めた。


その点数は‥…


 

 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!

ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。 え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!! それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

処理中です...