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王道?邪道?乙女なアレ
私の聖女の集い 迷宮の課題 終
しおりを挟む残り2つの祠の証を手に入れるには片方を手に入れたら追手が残りの一つに集中する前にそちらの証も手に入れないといけない。
仮眠も取れたし、彼らの拠点になっている湖の近くから攻め立ててみるか。
ゆっくりと身を隠して木々の影になるところから様子を見る。気を付けないといけないのはこちらが見えると言うことは相手にも見える可能性が高いということだ。
だからなるべく突拍子の無いところに隠れていたり、ここには居ないだろうという盲点を利用したりしている。
3つの祠の内、一つでも水にあったのなら湖で使った技で少しは楽ができたのに。
こちらの祠には二人の男が祠を監視するように草場に隠れて見ていた。夜と言うことで集中力が切れやすいと思っていたけど、さすがはAクラスの冒険者。じっと祠を見つめている。
(連絡役は?)
(今は仮眠中です。あと一時間後に、リーダーと交換予定ですよ。)
(分かった。にしてもエイカウントしないな。)
(そうですね。まさか、逆に監視されていたりして。)
(まさか。たかだか学生の気配に気づかないわけがないだろ。)
そのまさかなんですよね。
こちらもAクラスと鑑定したときに不審感を抱かれてからは魔法も極力少なくひっそりと行っているし、足跡や枝の折れも気にして行動していますよ。
まずは私なら何処を目印にするかなど思いながら対処していますのでエイカウントしているけど気付かないだけですよ。
彼らのヒソヒソ話も真上にいなければ聞こえないほど。読唇術ならわかるだろうけど今は闇に包まれた夜。兄上なら読めるかな。
(明日は最終日。一点集中の方が色々とカバーできるし良いのでは?)
(そうだな。リーダーが来たら聞いて見るか。)
(そしたらこっちですかね。)
水辺が近いですし。
そう言っている声が聞える。
それなら、こっちを早々に印を貰ってしまおうか。いい考えを思いついた。調味料をいれているポシェットから調味料を包むのに使った油紙とペンを取り出す。
これらは武器では無いので没収されなかった物たちだ。そこにカキカキと一見模様の様な絵柄を描く。円が幾つも組み合わさリ、小さな文字が組み込まれている模様だ。
因みにこれは武器としては使えないので武器じゃないよ。
この模様は後で使うので取り敢えずはお二人さんに眠って貰おうかな。
ーギャアギャア!
「びっくりした。学園長の烏ですか。」
「生徒が命の危険に見舞われたんだろ。」
「追手か、モンスターか。」
「良いから配置に付くぞ。」
「そうですね。あれ、いつの間にかもうすぐ交代の時間ですね。」
一瞬学園長の使い魔に気を取られたが、二人は何も変わらない祠を監視する。
(私もびっくりしたよ。そう言えばそんな事も言ってた。私には関係ないだろうから無視しちゃってたけどこんなに響くんだ。)
使い魔の声が響いたと言うことは一人は脱落と考えて良さそう。多分、カリナとユーラシアはまだ生き残っている気がするから残りの二人か。想像するに大荷物の彼女かな。
考え抜いて持ってきた荷物を回収されて動揺していた所に追手だものな。運がなかったね。としか言えない。
暫くして仮眠を取る前にこちらに寄ったらしきリーダーが現れた。そこで先程と同じような話し合いをひとしきりしたあとにどうやらこちらに絞り込んで待機するようだ。
残りの人を呼びにリーダーが動く。
「ここに三人、一人休憩の一人は探索でも良いな。」
「確かに伝説ではこんな祠で待ち伏せなんてなかったでしょうし。」
「明日一日だけなら三人監視に二人が探索にしても体力は持つ。」
作戦がだだ漏れですけど良いのかな。
さて、人がこちらに集まる前に最初の祠に移動を開始しよう。
あの召喚魔に驚かなかったら行動出来たのに。残念だ。
ひょいひょいと木を渡り、時には地で頭上のモンスターをやり過ごす。モンスターを殺したのはあの狼型のモンスター一匹だけだったりする。
追手に痕跡を残さない為もあるし、血の匂いでモンスターが興奮しない為でもある。
もしも追手が探索メインだったのならこの生活感の無さに疑問を持ったことでしょう。だけどこれが学園のイベントだと頭でわかっていたから、下手に動くより効率よく祠を監視したほうが良いと思ったのだろう。
私は、もうすでに誰も居ない最初の祠につくと色の違う魔石を嵌め込んだ。
祠が微かに光り、手には複雑な模様が光りだす。それを確認できればにんまりと口元に笑みを浮かべる。あとは今日を無事に過ごしながら、迷宮を抜け出せば良い。少しずつ三日目の朝日が森を照らし始めた。
抜け出せと言うのだから入り口では無い王宮につながる場所があるのかもしれない。抜け出すための出口が早い者勝ちなら中心が疑わしい。
中心に向かっていこう。
一旦入り口に戻り、そこから真っ直ぐ森を突っ切る。そうすれば中心に行けるはずだ。ずれてしまったら他の生徒の縄張りに行ってしまうので目印は作っておく。そこに向かって一直線に行くと途中で私を探している追手を見つける。どうやらイライラしている人もいるようだが、一度も姿を見せてないものね。
まあ、たまにはそんな事があっても良いでしょう。
そっと躱して先に進むと、ぼろぼろな小屋が見えてきた。あれが出口か。
中に入ると誰かが生活していたような形跡があるものの間違いない様だ。手に浮かぶ印が床の転移紋と反応している。これは日時などの一定の条件が揃わないと発動しないみたい。だから、ここに身を潜ませて居た人物には発動しなかったんだね。
転移紋が私を何処かに移動させる。
そこは見知っている場所。何度もお世話になった謁見の間である。
迷宮を抜け出して無事に城にたどり着いたのだった。
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