僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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王道?邪道?乙女なアレ

私と聖女の集い 幻影

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  私は私の愛しい人のためにに立ち向かう。大丈夫怖くは無いわ。
 隣にいるコウラン様は私の身を案じて抱きしめてくれる。
 この人の為なら私は命をかけれるわ。

 あら、そういえばコウラン様ってどんな顔をしていたかしら。




ブローチが落ちて割れた。
と言うことはカリナの陰の気が限界を迎えた事も示している。まさかここまで酷いとは思わなかったけど、卒業式に爆発されるよりは良いか。

 指輪から出ている黒い靄に囲まれて夢現の状態の彼女は私の前にゆっくりとお化けのように身体に力がない状態で近寄ってくる。

 その不気味な様子に暗器を準備して備えるが、できれば武力での解決はしたくない。

 彼女は夏休み前まではこんなにおかしくはなかった。変わってしまったのはおそらくあの気に食わない指輪のせいだろう。

 とうとう目の前まで来たカリナはぎょろりとこちらを見据えて口をへの字口にして話しかけてくる。



「ねえ、悪役令嬢さん。何で私のジャマをするの?」


 その邪魔というのが今回の『聖女の集い』での事では無い事はわかっている。この学園生活でカリナが起こそうとしていたことを阻止したことだろう。
  カリナは学園で自分を愛する人々を作り上げていた。カリナは確かに可愛らしい容姿を持っていたけどそれにしても学園中に愛されるなんて無理なこと。

 婚約者を泣かせたり、迷惑がっているのにすり寄ったりそんなのが目についたときに注意はしていたけど、カリナの事が本当に大好きな人のときは邪魔なんてしてないのに。

 むしろ婚約者がいてもちょっかいを出していた男達から守っても上げてたのにね。
 婚約者から手を引かずにカリナにちょっかい出していた人達はただの遊び。婚約者もそれがよくわかっているから黙認して、むしろ遊び同然の感覚で見ていた。ちょっとたちが悪いよね。


「邪魔はしていないわ。」
「嘘よ。だってヒロインが悪役令嬢に虐められているのに慰めてくれるのは数人だけ。」
「数人いて良かったじゃない。」
「煩い!私は愛され令嬢なのよ。皆から愛されないと。」


 指輪からでている黒い靄が私の方にまで伸びてくる。コウにぃが動き出そうとしているのを手で制止し、私は黒い靄を身体に自由に這わせさせる。

 この黒い霧はカリナの意思も混ざっている。生霊の性質に似ている。この触媒を用いての干渉の仕方も神無前世の領分だ。こっちではほぼほぼダンジョンとかでしか見ないから皆戸惑っているようだ。


 私がこの黒い靄に身体を触らせているのは彼女の深層にある想いを見るためだ。早く言えばこの霧は指輪を介した彼女のおもいなのである。
 黒い霧の一部を掴み意識をその中に溶け込ませる。その間に身体が無防備にならないように糸で防護を作成しておく。



 

なんでなんで私は愛されないの


 カリナの声が頭に響く。どうやら彼女の意識に触れることができたようだ。


 私は可愛くて頭も良くて皆から愛されているのよ
『そうさ。君は特別ヒロインだ。』


でも、誰も側にいてくれない
『邪魔する奴がいるからさ。』



 彼女の言葉の側に寄り添うように投げつけられる甘い戯言。その気配はあの男ムラキの物だがここには本人とのつながりは無さそうだった。ただカリナの望む言葉を発する影武者。そんな感じである。


 一人きりの彼女の魂の叫びを歪める戯言には退出を願いたいところだ。このままだとカリナが壊れてしまうからね。



「カリナ様?」

 だ、れ
『気にしないでさあ、邪魔なやつを排除しよう。』

「カリナ様はお強い方ですね。」

 強い?いえ、か弱いわ
『そう、とても儚げで守らなきゃならない存在。』

「いえ、貴女は強い方よ。」


 団体で生活する中で、大多数の意見の中で暮せば目立たず、静かにそれなりに生活できるもの。だけど、カリナは周りとは違うように生きてきた。
 それは悪くもありすごいことでもある。
 それぞれの生活にはルールが必要でそれを守って生活しているが、彼女はそれを当然のように無視をする。本当は悪いのだろうけど彼女の破天荒ぶりは助けになる人もいたようだ。


 彼女の取り巻きになっていたひとの少なくとも3人は彼女に救われたそうだ。

 優しい先輩は周りの女生徒にちょっかいをかけまくる人だった。婚約者も遊びだからと黙認していたのだが、爵位を気にして逆らえない女生徒もいた。カリナは先輩に説教をして、からかいたいなら私にしなさいと矛先を向けて、今までと違う彼女に先輩は惹かれていった。無理やり遊ばされていた女生徒が密かに感謝しているようだ。そう、女生徒が救われたそう。


 不良ワンコは物心ついたときから喧嘩三昧。気がついたら周りは自分を恐れる人と恨む人ばかりになっていた。初めて怯えではなく感謝されて救われた気がしたそうだ。

 魔術講師は位が低いからと高爵位の人から色々と嘘の成績を作らされていたそうだ。それをたまたま見たカリナがその場の高爵位に喧嘩をふって押し問答で勝ち救ってくれたのだという。その姿は女神のようだったと。


「ほら、カリナ様は強い方でしょ?私には出来ない事よ。」
本当?

『まて、お前はそいつが憎いのだろ?』

 憎い‥…にくい‥…
「憎いなら私自身に言いなさい。貴女なら言えるでしょ。」

『まて、まちなさい。』

「貴方はお黙りなさい!」


 私はカリナが疑問を感じて指輪との繋がりが弱くなってきたのを感じて、指輪を破壊した。黒い靄が苦痛にのたうち回る。



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