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王道?邪道?乙女なアレ
私の悪役令嬢の努め
しおりを挟む「カリナ・ルードラ。貴女は学園を危険に晒したとして退学とします。」
あの出来事から数日後、学園全体の朝礼で学園長がそう伝えた。
私と兄上はクラス毎の席で隣同士で座ってその光景を見ていた。
学園長の前にはきつく手を握りしめ唇を噛み締めたカリナがいる。カリナのあのときの行いは大体的に発表されていなかったが、見た人の口に戸は建てられなかったようで噂が噂を呼んで、『学園を危機に晒した悪女』となっていた。
アンナが自分のことでも無いのに口元に手を当てて悲痛な表情をしている。
更にカリナは父親は禁止されている奴隷の売買などを行っていたこともあり、ルードラ家は男爵位を取り上げられる事となっているのである。ルードラ男爵は投獄。母親は実家に戻っていった。
彼女は明日からただのカリナとして親類から身受けを拒否されたため身寄りもなく生きていく事になる。
悔しそうな彼女はそれでも文句を言わずに学園長の言葉を素直に受け止めているようだ。
「ごほん。一度退学になった者は再度入学は出来ません。」
「はい。」
「ですが、平民のカリナ嬢はまだ入学していなかったですね。」
「え。」
「学ぶ機会は誰もが平等です。貴女が希望するのであればただのカリナとして途中入学を認めます。それに、遠くからの生徒の為の寮もあります。」
特別な処置。
彼女が父親の不正の証拠を提出し、冒険者を助けた事を判断条件としてもう一度チャンスを与えようと学園長が言い出したのである。
あくまで、指輪を手に入れなければ普通の少女だったと皇帝陛下に直訴したようです。私からしたらそれ以前も香ばしかったとおもいますけど。
学園長の言い分を聞いて、だったらこうしたらどうかと意見を出したのはコウにぃだった。
コウにぃ曰く、野放しにするより学園でちゃんとしつけた方がいいだろうと。
「私はまだ学園に居ても良いのですか。」
「学園は学ぶ色々と学ぶ所です。失敗も反省して次回へと生かして下さい。貴女はここで生きているのです。」
彼女はその言葉に頷く。
結局悪役令嬢って何なのだろう。
それらしいことしなかったな。
私にとっては皆が可愛らしい少女や少年たちでそれぞれの信念を持って動いているから悪どい奴なんて思わなかったし、カリナに悪役令嬢呼ばわりされた私やアンナはただ単にカリナと意見が異なってたり、ルールを教えたりしていただけで虐めてはないし。
誰かが悪役令嬢はヒロインの成長の為に居ると考えた人がいる。
確かに悪役令嬢が無理難題を突きつけなければヒロインは成長しなかっただろうし、そのまま上級爵位になるのは大変だろうな。だから、悪役令嬢が犠牲になってもいいとは思わないけど。
完全無敵の悪役令嬢を目指すならすきなんて見せないでしょう。
そう考えると、悪役令嬢の多くはヒロインの身を案じた人達だったのかも。
本当の悪役はそんなヒロインと悪役令嬢の対決をただ見ていたヒーローなんじゃない?
そうそう、ヒーローと言えばカリナの取り巻き達はカリナが沈む泥舟だとわかった途端に離れて行った。残ったのは不良ワンコと魔法教師と意外なことに優しい先輩の3人だそうだ。3人は追い出されるかも知れないカリナを自分の所で引き取ろうと親に訴えてくれたようだ。
本当にカリナが好きだったのだろう。
それだけでも彼女の世界は彩りができると思うし、彼らも今度はカリナを止めてくれるだろう。
それと、学園では来期からカリナの付けていたブローチを小型化して、校章として全員に配る事になったようだ。
もしも、校章が黒ずんできたらその人はメンタルケアなどを受けてもらう事にする。カリナのおかげで目安とかにもなったので感謝している。
「とりあえず、カリナはこれで大丈夫かな。」
「さあな。絡まれなければどうでも良い。」
「それは同感。」
「暫くはリストのお陰で忙しいぞ。」
コウにぃの言うリスト、それはカリナが皇帝陛下に献上した父親の不正の証拠の一つ。
そこには元々皇帝陛下や父様が調べていた怪しい貴族の名前がわんさか見つかった。
早々にリストを消し去れば良かったものの、これを提出して自分の罪を軽くしたかったのか。
「リストには令嬢の行方不明の事件関係もあった。」
「囮の時は私を使ってください。」
「‥…そうだな。頼む。」
こちらをちらりと見たあと、私の髪を撫でながら許可をくれた。人身売買の取締の厳しい神の国の令嬢は高く売れるらしいのでこうしたら行方不明の事件がたまに起こる。
大体は捕まえる事が出来るのだけど、他国に出ていかれてしまう事になると、他国との契約で色々と捜査が遅れてしまうのだとか。
第三皇子が成長するに従ってコウにぃがアドバイスしながら実績にしようと頑張っている。
今回のリストに載っていた行方不明の事件は最近では唯一逃した事件と聞いている。次の犯行などがリストにあったので騎士団含め色々と忙しい。
「あ、学園はもうすぐ秋ですね。」
「収穫祭は何も無いと良いが。」
「ほら、カリナは落ち着いたし大丈夫ですよ。」
「フラグ。」
収穫祭のパーティーで何かあるかなって話していたのにそれ以前に終わってしまったカリナの乙女脳事件。パーティーは私達も楽しみたいし無事で良かったと考えとこうかな。
______
皆さんいつも呼んで頂き感謝します。
とりあえず、乙女ゲー篇ここで終わりまして、暫くお休みして、次の話に行きたいと思います。
次の更新は4/10予定です。
走り抜けてきた物語なので流は変えずに書き直しとかもやっていきたいと思っています。
SHIN
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